「神戸について特に多くを語る必要はないだろう。多くのサポーターがいて、資金があって、いい選手もいる。彼らはJ1のチームであって、なぜ、J2にいるのか私には分からない」。マリヤン プシュニク監督は神戸の印象を、そう話す。
現在、8勝2分1敗の勝点26位で首位。1人、1人の個の強さはもちろん、それがひとつの組織としてまとまったチームは、前評判通り、確実に勝点を重ね、例年以上の混戦模様を見せるJ2の中にあって、早くも抜けだしそうな気配を見せている。攻撃の核になるのは左サイドでプレーするマジーニョ。そして、ポポ、田代有三の強力2トップがゴールを狙う。総得点21はJ2ではトップの数字だ。守備を統率するのは、ここまで全試合にフル出場をしているCBの岩波拓也。そして、同じく全試合フル出場の山本海人がゴールに蓋をする。前節の岡山戦では3失点を喫したが、ここまで2点以上の失点を喫したのは2試合だけ。無失点試合は5と安定した守備を見せている。その強さはJ2で首位を走るチームにふさわしい。
だが、福岡も臆しているわけではない。プシュニク監督は次のように続ける。
「試合はいつも0−0から始まり、ピッチの上に立つのは11人と11人。事実はそれだけでしかない。そして、強いチームと対戦できるというのは選手にとっての特権であり、大きなイベントでもある。素晴らしい選手や、J1のような実力を持ったチームと対戦することは、選手にとっては大きなモチベーションになる。例えば、レアルやバルサと対戦する時、誰でも打ち負かしてやろうという気持ちになるはず。我々にとって神戸はバルサやレアルのようなチームで、その戦いの中でモチベーションが上がらない要素はどこにも見当たらない。もし、100%の力を発揮できない選手がいたとしたら、それは私にとっては驚き以外の何物でもない」
もちろん、選手たちも同じ気持ちだ。「相手は首位。まずは叩きたいという気持ちか強い。この試合に勝つことによって、いい流れに持っていける重要な試合でもある。また、キャンプが始まってから、今まで自分たちが積み重ねてきたものや、自分たちの立ち位置がどこにあるのかを測ることができる試合でもある。モチベーションが上がらないわけはない」と話すのは石津大介。「勝てば注目される試合。本当に勝ちたい。神戸は個の強さはあるし、外国人選手もシュートレンジが広いので自分のところから打ってくるはず。相手をフリーにさせずに、しっかりとブロックしたい。神戸は、いま、自分たちが、どれだけ成長できているかを証明するには本当にいい相手。内容と結果を求めたい。自分たちのサッカーが出来れば勝機はある」と中原秀人も意気込みを話す。
その神戸に対して、プシュニク監督がどんな準備をし、どんな戦いを仕掛けるのかは非常に興味深いところだが、福岡がやるサッカーは基本的には何も変わらない。選手が口々にするように、それは自分たちのサッカーを余すことなく発揮すること。それこそが福岡スタイルだからだ。最終ラインを高くしてコンパクトなゾーンを形成し、前線から激しくプレッシャーをかけて相手を追いこむ。ボールに対して数的優位な体制を作り、激しい球際のせめぎ合いからボールを奪い、素早く「守」から「攻」に切り替えて、シンプルにゴールを目指す。特に重要なポイントは、福岡の最大の特長であるアグレッシブな守備が機能するかどうかという点。球際でのせめぎあいが試合の行方を左右することになるのは間違いない。
そして、選手たちだけではなく、監督、スタッフ、そしてスタンドに足を運ぶサポーターが、ともにひとつになって戦いたい。サポーターが声を途切らすことなく歌い続けるチャント。スタンド全体から起こる選手たちの背中を押す手拍子。それらがひとつになって生み出す力は、これまで何度も苦しい場面をはね返してきた。首位神戸との戦いが簡単なものでないことは誰にも分かっている。だからこそ、いつも以上の結束力で戦いたい。その先にある結果は、福岡が積み重ねる変化をさらに大きな物にしてくれるに違いないからだ。戦いの場は、福岡の聖地・レベルファイブスタジアム。どんな相手であろうと勝利以外の結果はいらない。
以上
2013.05.02 Reported by 中倉一志
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