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【J2:第23節 栃木 vs 富山】レポート:勝ち切れなかったが、新システムに好感触を得た栃木。富山は粘って勝点1を拾った(13.07.08)

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プレーオフ圏内に辛うじて留まったとはいえ、6位以下と栃木との差は縮まるばかりだ。富山を相手に終始圧倒しながらも勝ち切れなかったこともあり、バックスタンド、ホームゴール裏、メインスタンドの三方から厳しい声が飛び交った。そのメッセージを、廣瀬浩二はこう解釈した。
「ホームで勝てていないし、お客さんはお金を払って試合を観に来てくれている。勝点3を取って喜び合いたかった。試合内容は良かったけど、今日は勝点3を取らなければいけない試合だったと思う。そういうサポーターの方の期待を感じたし、前節の横浜にもたくさんの方が来てくれていた。それなのに、サポーターを喜ばせていない。皆で一緒に喜べれば、うれしさは2倍になる。早く勝点3を取って喜びたい」
連敗は回避できた。先制もできた。しかし、失点は止まらず。勝利の味と共に、無失点の感覚をまたしても呼び覚ますことは叶わなかった。「自分の中では勝てたと思っているので悔しい」。誰もが菊岡拓朗と同じ思いを抱いていたはずだ。栃木は七夕の夜空を勝星で彩れなかった。

思うように勝星が掴めない中、松田浩監督は1つの実験を試みた。4−2−3−1の導入である。廣瀬を1トップに据え、その下に左から近藤祐介、菊岡、杉本真を配置し、高木和正とクリスティアーノがボランチを務め、4バックは左から三都主アレサンドロ、當間建文、チャ・ヨンファン、西澤代志也の並びで、最後尾を榎本達也が担った。
菊岡の守備面の負担を軽減する新システムは機能した。時間限定ながら東京V戦と京都戦で試したことが、富山戦で活かされたのだ。廣瀬がクサビを収め、リターンを受けた菊岡がパスをさばき、ボールはスムーズに動いた。相手のお株を奪う、流れるようなボール回しから主導権を握った。後手を踏んだ富山に対し、栃木は28分に先制。サイドチェンジから三都主のパスで狭い局面を打開し、DFとうまく入れ替わった廣瀬が冷静にシュートを決めた。
3バックに対する教科書通りの崩し方で先手を取った栃木だが、わずか4分後に被弾。ゴール前の混戦から舩津徹也に頭でねじ込まれた。失点の遠因は不要なファウル。前半の富山のシュートがこの1本だけだったことを考えれば、まさに「もったいない失点」(高木)だったと言える。

「自分たちでリズムを作っていきたかったけれど、プレッシャーのない所でもミスが出てしまっていた」と大西容平が振り返るように、前半からイージーなミスを多発した富山は、後半も形勢を引っ繰り返せなかった。「あれは自分のミス。(チャンスが)少ない中で決めていれば、また違った」と朝日大輔が悔やんだのは、56分の2対1の局面だ。逆サイドの木村勝太にパスが通っていれば逆転の目もあったが、パスは當間に引っ掛かり逸機してしまう。一発のカウンターに命運を託していただけに、ここは決め切りたかった。
難を逃れた栃木は相変わらずポゼッションで勝り、交代カードで引き離しにかかわった。78分に久木野聡、アディショナルタイムには菊岡が決定的なシュートを放つ。ところが、クロスバーと粘り強い守備に阻止され、勝利は次節以降にお預けとなった。

「内容は良くなかったがチーム一丸となって勝点1をもぎとることができた」とは富山GK守田達弥。栃木の勢いに押され、そこに連戦の疲労が重なる。持ち味の運動量は鳴りを潜め、ボールを握ることはできなかった。前節に比べると自分達のサッカーを表現できた時間は、ごくわずかだった。「それでも、今は勝点1でも欲しい時期」(朝日)。90分のほとんどの時間で劣勢に立たされたものの、集中力を切らさずに1失点で食い止めた姿勢は、次の神戸戦(7/14@ノエスタ)に必ず繋がるはずだ。
「強い意志と情熱を持ってプレーしろ」。戦前にそう発破をかけた安間貴義監督の思いは、確実に選手に伝わった試合だったのでないだろか。

「うまくボールを回してフィニッシュまで行けていたけど、最後の部分が課題」(高木)として残った栃木。5試合連続失点と共に攻撃面の課題が浮き彫りとなったが、新システムが予想以上に機能したことに加え、複数失点が止まったことは収穫だった。トップ下に入った菊岡は、新システムの手応えをこう語った。
「自分が真ん中でボールを受けて逆サイドにサイドチェンジすることで、スピードアップする回数が増えた。自分が間で受けて前を向くと、前線の3枚とサイドバックが動き出してくれたのでやりやすい」
特に滑らかだったのがサイドアタックだ。久々に先発した西澤のオーバーラップが際立ち、クロスの質とペナルティエリア内の人数が揃っていれば、ゴールを奪える形まで作れたことは小さくない。すなわち、ラストパス、クロス、シュートの精度さえ上がれば、ゴールは遠くないということだ。外側から脅威を与えられれば、内側が手薄になる。両方向から攻めることで、よりゴールの確率は高まるはずだ。昇格争いから脱落しないためにも、2点、3点と追加点を取れるようなチームに成長したいし、「こういう試合を1−0で勝つ強いチームになりたい」(高木)。


2013.07.08 Reported by 大塚秀毅
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