原口元気がチームを救った。1−2で迎えた86分、左サイドで柏木陽介のパスを受けると、ユースの頃から十八番のカットインでエリア中央へ。そこにカバーに来て対峙するのは日本代表に名を連ねる高橋秀人。原口は鋭い持ち出しでマークを一瞬はがし、打つ気マンマンの雰囲気で右足のシュートモーションに移行。この動きに高橋が完全につられると、原口は冷静に切り返し、左足を力強く一閃した。
「最初は右で打つつもりで持っていったけど、距離も距離だったし、体勢も少し崩れていたので、左に持ち替えたら、(高橋)秀人くんが滑ってくれたので前が開いて、左足のシュートはイメージ通りのコースに行ってくれた」
類稀な個の力でゴールをこじ開け、チームを敗戦から救い出した。ゴールをお膳立てした柏木陽介は「冷静に切り返して決めてくれた。あそこで個人の崩しで点が取れたのはよかった」と殊勲の同点弾を決めた背番号24を称えた。
原口はゴールを決める前から、F東京の守備を揺さぶれていた数少ない選手だった。「元気のドリブルがアクセントになって、今回に関してはすごくよかったと思う」。1トップ2シャドーでコンビを組む興梠慎三は原口の存在感を認める。反撃の狼煙となった興梠の1点目も、原口のフリックがアシストになっていた。
F東京からすれば、勝てる試合を落としたという印象だろう。いつも通りのパターンでボールを運ぼうとする浦和に対し、F東京はディフェンスで巧みな対応を見せた。試合は彼らの思惑通りの流れで進行し、浦和は苦戦を強いられた。
ビルドアップの起点となる那須大亮と阿部勇樹がボールを持ったら、前線の2枚は縦パスのコースを切りながら、外に追い出すようにプレッシャーを掛けに行く。その後ろのMFとDFはコンパクトな陣形を保つ。その形で追い込むなかで縦パスが来たり、那須や阿部が持ち運ぼうとしたら、ボールにアタックして奪い取ろうという狙いだ。浦和がサイドに逃げたら、今度はサイドチェンジのコースを切りながらプレッシャーを掛ける。
相手にうまくハメられた那須は研究されていたと唇を噛む。「前線とボランチで、どこに追い込むかというのが明確だったし、FWがさぼらない。(那須と阿部の)2枚に対して2枚が見ていて、ある程度プレッシャーを掛けているうちにボランチが寄せてくるので、1つパスが入っても目の前にボランチがいて、パスコースが消されてしまっていた」。
そのなかで特に存在感を示していたのが米本拓司だ。絶妙のポジショニングと出足の鋭さ、そして日本人離れした長い手足を生かして何度も浦和からボールを奪い取り、カウンターにつなげていた。「向こうのボランチの米本が効いていた」と興梠も脱帽する。ただ、米本のボール奪取能力が異彩を放っていたのは確かだが、それは前線の選手を中心にきっちりとパスコースを限定していたという下地があってのことだ。
F東京は組織として守備を機能させ、カウンターから2点を奪って勝利に近づいていった。あとはうまく体力を温存しながら試合を殺せば、白星をつかむことは十分可能だっただけに、引き分けの結果は相当悔しいはずだ。ランコ・ポポヴィッチ監督が「平均年齢が若い選手主体ということで試合に臨んだが、その若さが出たということも2失点にはあったと思う」と話したように、未熟な部分が出てしまった。
昨シーズン、2度の引き分けに終わった両者の激突は、今回も決着が付かなかった。F東京の巧みな戦術と、浦和の怒涛の反撃。どちらのチームにも課題は残ったが、見どころのある白熱した戦いになった。
以上
2013.07.11 Reported by 神谷正明
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