梅雨明け後、3日連続の高温注意情報が発令されていた大阪。試合2時間以上前、キンチョウスタジアムのある長居公園の温度計が示していたのは、34.2度。19時から始まったナイトゲームでも30.1度。灼熱の暑さが覆う大阪にて行われたのが、6位C大阪と、3位横浜FMの上位直接対決。中3日というタイトな日程のなかで行われた一戦だったが、試合は最後まで見逃せない、熱い攻防が続いた。
そのなかで最初にスタジアムを沸かせたのは、ホームのC大阪だった。ヤマザキナビスコカップ準々決勝第2戦以降、公式戦3試合連続で柿谷曜一朗を1トップ、南野拓実、シンプリシオ、エジノを2列目に並べる、4-2-3-1のフォーメーションを組んだ桜色のチームは、12分、シンプリシオが前を向いたところから待望の先制点を奪取。パスを受けた南野が、中央で柿谷とのワンツーを実行。そこから柿谷がDFの背後に抜け出したところを、南野がよく見て絶妙のスルーパスを送る。すると、これを柿谷が冷静にゴールに流し込んだ。エースの今季10得点目で、早々にC大阪がリードを奪った。
ここから目立ったのは、C大阪のアグレッシブでハードな守備。扇原貴宏の累積警告による出場停止により、開幕戦以来の先発出場となった横山知伸が、試合前に「ファーストプレーでガツンと(プレスに)いって、相手に(強く奪いに)来るんだというのを見せたい」と言っていたが、まさにそのとおりに激しいディフェンスを仕掛ける。また、それに輪をかけて鋭い動き出しや、横浜FMの司令塔である中村俊輔にプレッシャーをかけていたのは、18歳の南野。また、マルキーニョスには山下達也ら守備陣が執拗にプレスをかけるなど、自由にさせない。
それでも、横浜FMは反撃態勢を整えていく。その軸となったのは、小林祐三と齋藤学。小林は右サイドからゴール前まで駆け上がっていき、齋藤は裏への抜け出し、ドリブル突破などでC大阪守備陣を揺さぶりにかかった。そして、トリコロールの11番(齋藤)は、33分、41分と2度、思い切りのいいシュートも放ったが、それらはいずれもゴールポスト直撃で、得点ならず。結局、前半はC大阪の1点リードで折り返すことになった。
後半になると、「非常に気温が高かったということと、もう1つは、(横浜F・)マリノスはマイボールを非常に大事にして、相手を走らせるというサッカーが出来るチーム。そういったなかで、我々は逆に走らされるというところもあった」とレヴィークルピ監督も述べるような影響もあり、C大阪は横浜FMのポゼッションサッカーに苦しむことになる。
さらに、後半に入ってから、セットプレーでの接触により、キム ジンヒョンが負傷。一度は復帰するも、続行不可能となり、62分には武田洋平との交代を余儀なくされてしまう。それでも、「なるべく早く気持ちを持っていくことだけに集中してやっていた」という、移籍加入後初の公式戦出場となった武田を中心に粘り強く守ったC大阪は、横浜FMにゴールをなかなか許さない。
そして、79分にはレヴィークルピ監督が思い切った決断をする。南野、エジノに代えて、楠神順平と枝村匠馬を同時投入。残り10分以上あるなかで、交代枠を使い切ったのだ。それでも、中盤に再び活力を得たC大阪は、その楠神がドリブルやパス、サイドチェンジなどで仕掛け、攻撃にパワーが出始め、柿谷、山口らに決定機が訪れる。そして、90分、C大阪に待望の瞬間がやってくる。酒本憲幸からペナルティーエリア中央手前でパスを受けたシンプリシオが、相手をよく見てシュート。これがGK榎本哲也の手をかすめてゴールに決まった。
その直後、横浜FMも中村のパスを起点に、齋藤のシュートがGK武田に阻まれたところ、そのこぼれ球をマルキーニョスがヘッドで押し込み、1点差に詰め寄ったが、反撃もここまで。最後はファビオも投入し、パワープレーに出たがゴールが遠く、横浜FMはリーグ戦5試合ぶりの黒星を喫した。「相手のほうが賢いサッカーをしていた。僕らはボールを持っていたけど、持たされたという感じ」と振り返ったのは、兵藤慎剛。相手を上回る15本のシュートを放つも決め手に欠け、4位に転落した。
一方のC大阪は、J1再開後初勝利。殊勲のシンプリシオは、「チームの戦う姿勢が、あのゴールにつながったし、みんなの気持ちで取れた1点だと思う」と、チーム全体の頑張りを称えた。また、レヴィークルピ監督も、「セレッソのほうが、決定機において、よりフィニッシュに行くという意識を強く持ち、戦い抜いたというところで、勝利に値する内容だった」と胸を張り、「数字のうえで、この勝点3というのは、上位にしっかり食らいついていくという意味で、本当に重要な勝点」と、この1勝の意義を強調した。
以上
2013.07.11 Reported by 前田敏勝
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