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【J1:第16節 仙台 vs 磐田】レポート:シュート数21対5と、ゴール数1対1。攻めた仙台と守った磐田の意地が生んだ数字(13.07.14)

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公式記録のシュート数の欄を見てみると、仙台が21、磐田が5という数字だった。試合後に、手倉森誠監督は「決めるという部分に対して、何かに止められているような感じだった」、角田誠は「決定的なものも数多くあったと思うし、『なんで勝てへんのかな』という気持ちです」と、それぞれこの数字を見ての感想を述べた。仙台側からこのようなコメントが出たのも、同じ試合の公式記録の得点欄を見れば、両チームとも1、獲得した勝点もともに1だったためだ。

ホーム側が攻め、アウェイ側が守るという時間が続いたことで、このシュート数の差は生まれた。
磐田側は伊野波雅彦を負傷で欠くというアクシデントがあったものの、前節までのボランチから最終ラインに戻った藤田義明がチョ・ビョングクとともに最終ラインを固めた。ボランチには小林裕紀とともに田中裕人が入り、安全第一の位置取りでスペースを消した。中央の守りは堅く、仙台攻撃陣にはゴールを取るための工夫が求められていた。そのなかで「相手の気づかないところでスペースを見つけて攻めたい」と宣言していたウイルソンが磐田左サイドバック・宮崎智彦の裏のスペースに流れて相手のバランスを崩すと、仙台は遅攻と速攻を織り交ぜてチャンスを作っていた。
磐田の関塚隆監督は試合後に仙台の“ふたつの顔“として「長いボールとコンビネーションで中央からの攻撃というものがある」ことを挙げたうえで、「特にロングボールのあとにウイルソン選手がぐりぐり来ることが嫌だった」と明かしている。それでも耐え抜き、前半を無失点で終えた。

この時点でシュート数は仙台7、磐田3。しかし、攻勢のチームがふとしたきっかけで失点を喫することもまた、この競技ではよく起こりうる。51分にボランチから攻め上がっていた小林が、菅井直樹との1対1でPKを獲得。これを前田遼一が決めたことで、磐田が先制した。
「PKを取られた悔しさがあったので、どうしても何とかしたいという思いがあった」という菅井を筆頭に、仙台は1点を追っていっそう攻撃色を強めた。特に57分に武藤雄樹が投入されたことで仙台は相手を圧倒、中央でのパス交換もあれば、左サイドバックに移った石川直樹のクロスもあり。69分から入ったヘベルチの鋭いクロスやシュートも加わって、磐田にチャンスらしいチャンスを作らせず押しこんだ。それでもシュートコースを川口能活に読まれたり、ヘベルチの87分のFKがクロスバーを叩いたりして、ゴールに至らなかった。

アディショナルタイムに突入しようとしていた89分に、仙台の努力はようやく実る。鎌田次郎のフィードは川口に弾かれたが、これを拾った角田が「時間も時間だったので、とりあえず押さえるシュートを打ちたかった」とさらに跳ね返すようなシュートを打つと、これが絶妙な軌道を描いてゴールマウスに入った。 
劇的なゴールだったが、仙台にとってはこの1点では足りなかった。ホームで勝つためにさらに攻撃を続けるが、磐田も押しこまれながら耐え抜き、1-1からスコアは動かなかった。
攻める仙台と守る磐田、双方の意地が、同じ試合に21対5のシュート数と1対1のスコア数をもたらした一戦だった。この日もチャンスにからんだ武藤は決定機を作りながらゴールだけが遠かったことについて反省しながら「それを意識しすぎて悪くなっては元も子もないので、今はこのプレーをやり続ければきっと点を取れると信じて頑張るしかありません」と前を向いた。仙台にとってはシュート数やボール支配率の数字がなかなか得点に反映されないもどかしさが残るが、それを晴らすのは、やはり次節以降のゴールだ。


2013.07.14 Reported by 板垣晴朗
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