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【J1:第16節 清水 vs 大分】レポート:お互いに狙い通りに戦ったが良い面の出し合いで明暗が分かれ、清水がセットプレーで再開後初勝利を引き寄せる(13.07.14)

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戦前の予想通り、清水のポゼッションvs大分のカウンターという構図になった試合。その中で清水は良い面が多く出て、逆に大分は良い面をあまり出せなかったことが、予想以上のワンサイドゲームにつながった。

猛暑の中、8日間で3試合目。18時キックオフで、気温27.4度、湿度89%。試合前に少し雨が降った分、暑さは少し和らいだが、空気がべったりと肌にまとわりつくように重く、「富士山世界遺産登録記念マッチ」ながら空には分厚いモヤがかかって富士山のシルエットすらまったく見えないコンディション。
そのため長距離移動の大分としては、やみくもに前からプレスに行くのではなく、早めにコンパクトな守備のブロックをセットし、そこでボールを奪ってからのカウンターに賭けるプランで試合に臨んだ。それは清水にとっても望むところで、序盤からじっくりボールを回しながら大分DFラインの裏を狙っていく。その形から開始5分にカルフィン ヨン ア ピンのロングパスでイ・キジェが左の裏に飛び出し、早い折り返しにバレーが飛び込むというビッグチャンスを作って、主導権を確実なものにしていった。

その背景には、まず局面局面の1対1で清水が優位に立ったことが大きく影響していた。清水の選手が高い位置でボールをキープするところを大分の選手は奪いきれず、そこからサイドや前にボールをつながれ、ジリジリとDFラインが下がっていく。逆に大分がボールを持っているときは早い段階で奪い返され、押し返す時間をなかなか作れない。とくに大分の生命線であるカウンターに対しては、清水の攻守の切り替えが非常に早く、カウンターの起点に素早くプレッシャーをかけたため、大分がなかなか前線にボールを出せない状況になった。清水の元ヘッドコーチである田坂和昭監督も、「清水がかなり我々を研究してきた」と攻め手を封じられた悔しさを口にする。

その結果、前半は清水が少なくとも3度は決定的なチャンスを作り、大分の惜しい形と言えば36分に松田力が裏に飛び出した1回だけ。ただ、それでもゴトビ監督は「前にボールを出すことがあまりできなかったし、高い位置からプレッシャーに行くことができていなかった」と不満を口にし、ハーフタイムで選手たちに檄を飛ばす。
その言葉に応えて、後半は立ち上がりから清水が攻守に“前へ前へ”という姿勢を出し、後半4分と6分に杉山浩太のループパスから吉田豊が裏に飛び出して決定機を作るというシーンを演出。そこから久しぶりにボランチとして先発した杉山のゲームメイクが冴え渡り、前半以上に良いペースでチャンスを作っていった。
だが、最後とのところでは大分守備陣も踏ん張って、なかなか決めきれない。大分としても「押し込まれるのはある程度想定していたし、ゼロ(無失点)で運べていたので問題はなかった」(高木和道)と、清水が攻め疲れてきたところでのカウンターを狙っていた。

しかし、そこで流れを大きく変えたのは、清水がこのところ練習量を増やしているセットプレー。為田大貴のユニフォームが破れて一時的にピッチを出ている中、22分の河井陽介の右CKに対してDF平岡康裕がニアに飛び込んで美しいヘディングシュートを決め、ついに清水が均衡を破る。さらに31分にも、河井の左サイドでのFKから平岡がGKの前にうまく飛び込んで2点目をゲット。平岡自身初の1試合2得点で、清水の優位が決定的なものになった。

その後は、さすがに大分も前からプレッシャーをかけて攻めに行くしかなくなり、逆に清水がカウンターでチャンスを作る場面が多くなる。その中で41分に竹内涼のパスでバレーが飛び出し、右からのシュートを交代出場の石毛秀樹が押し込んで3点目をゲット。それでも大分が最後(90分)に辻尾真二と木島悠の元清水コンビで1点を返したのは、相手の裏を突く自分たちらしい形が出たという意味でもひとつの光明となった。逆に清水にとっては余計な失点だったが、大分に2点目を取る余力はなく、3-1でタイムアップ。清水はホーム2連勝で、再開後の初勝利を飾った。

「相手よりも多く、賢く走らないと勝てない」と田坂監督が言う大分としては、「私がこのチームを受け持ってきた中では、今日の試合は(動きが)重かったなと感じている」という状況では、カウンターアタックの迫力も不足し、勝つことは難しい。だが、戦い方を変えても急に勝てるようになるわけではないこともわかっているため、選手たちも「押し込まれる場面は多くなると思うけど、耐えて耐えて、しぶとく勝点を取っていきたい」(辻尾)と、ブレることなく戦い続けることを誓った。
一方、清水にとっては、5バックで引いて守られた中でも多くのチャンスを作れたという意味においても収穫の多かった試合。竹内も右サイドでのプレーで自分の生かし方をつかんだ印象があり、吉田豊も非常によく動けていたため、そこに杉山も絡んでとくに右からの攻撃が冴えた。
その中で残念だったのは、ゴールに対して非常に貪欲な姿勢を見せたバレーに得点がなかったことと、パスで崩した形からの得点がなかったこと。だが、このサッカーを続けていけば、それらはいずれ付随してくるもの。だからこそ、次の柏戦で同じような良い攻撃ができるかどうかが注目される。

以上

2013.07.14 Reported by 前島芳雄
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