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【J2:第27節 鳥取 vs 熊本】レポート:ともに勝点1は『最低限の結果』。鳥取と熊本、下位同士の直接対決はスコアレスドローに終わる。(13.08.05)

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16位の熊本と18位の鳥取、下位脱出を目指した直接対決は、それぞれチャンスはあったものの決めることができず、勝点1を分け合うスコアレスドローに終わった。

序盤は鳥取が意欲的に攻め込んだものの、徐々に熊本が落ち着きを取り戻し、選手が流動的に動いてのパス回しで主導権を握った。16分には片山奨典のセンタリングのこぼれ球を藤本主税が左足ボレーで狙い、GK小針清允は破ったが、カバーに戻ったドゥドゥに防がれて先制はならず。

鳥取は小村徳男監督が「なかなか相手のボール回しに取りどころがなく、ファーストディフェンダーが決まらずに、どうしても中央にパスを通されてしまい、ピンチを迎えることが多かった」と振り返ったように、相手に翻弄される時間が続いたことで、前半に守備戦術を修正。全体のラインを下げ、スペースを埋めて対抗する形にしたことで、反撃の機会も生まれるようになった。39分には左サイドに展開して攻め込み、森英次郎のセンタリングを、実信憲明がヘッドで合わせたが、左ポストに当たって決まらず。44分には中央から実信がミドルシュートを狙ったが、GK南雄太のセーブに遭った。

一方で熊本もチャンスを作り、44分に藤本のパスから堀米勇輝がGKと1対1のチャンスを迎えたが、シュートは小針に防がれる。それぞれ大きなチャンスがありながらも決められず、0―0で後半へと折り返した。

後半も流れは変わらず、熊本がテンポ良くボールを動かして流れをつかむ一方で、鳥取は我慢強く対応してチャンスを待った。熊本は池谷友良監督代行が「フィニッシュのところがもう少しあればよかったと思いますけど、ボールを保持する時間は長かったと思う」と語った通り、ボール支配率では大きく上回ったものの、最後の一線を破れない。

65分過ぎには、突如として視界が遮られるほどの猛烈な雨が降り始め、さらに強い風も吹く難しいコンディションとなる。その中で72分、鳥取は右サイドからのFKを田中雄大が中央に送ると、熊本の原田拓のクリアミスがゴールに向かって飛んだが、南が鋭い反応で好セーブ。直後の73分には熊本が右サイドを破り、藏川洋平のセンタリングから、堀米、片山、原田が立て続けにシュートを放ったが、林堂眞、小針、柳楽智和がブロックして防いだ。

その後も雨は降り続き、両チームともリスクを避けたロングボールが増えた。78分に鳥取はCKからのこぼれ球を永里源気が蹴り込んだが、直前に南へのファウルがあってノーゴール。結局、最後までゴールは生まれなかった。

熊本は、これで池谷監督代行の就任後は1勝3分と負けなし。藏川が「戦い方は悪くなかったので、もったいない試合でしたけど、次につながるのかなと思います」と語ったように、ボール支配率が高かっただけに、勝てるチャンスを逃した感も残るが、負ければ順位が入れ替わっていたことを考えれば、池谷監督代行の「最低限のことはできたかなと思っている」というコメントの通りの引き分けだった。

鳥取も、自陣で試合を進められる時間が長かったことを考えれば、粘った末の引き分けは、熊本同様に『最低限の結果』と言っていい。ただ、岐阜を除く下位チームが軒並み勝利を収めて勝点を伸ばし、順位も19位に後退したことを考えると、下位脱出のためには、その先の勝利が必要であることを、あらためて痛感させられる結果でもある。鮫島晃太が「相手に押し込まれる時間もあった中で、崩れることなく、集中力を切らさずに、無失点で終わったことはポジティブに捉えて、あとは攻撃の精度のところで、相手をはがすボール回しを、もっとやっていかなければいけない」と語った通りで、この日は奪ったボールを思うようにつなげず、簡単に奪い返されるシーンが、あまりにも多かった。守備負担軽減のためにも、その点のレベルアップが必要であることを突きつけられた一戦でもあった。
 
以上

2013.08.05 Reported by 石倉利英
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