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【J2:第27節 京都 vs 山形】レポート:山形の積極的なサッカーが京都を圧倒!その中で京都が粘り強く勝点1を獲得する。(13.08.05)

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西京極での京都と山形の一戦は、山形が京都を攻め立てる展開となった。
メンバーは、山形がイ・ジュヨンを第16節以来の先発起用。京都は出場停止の横谷繁のポジションに中山博貴を先発出場させた。
試合は、開始5分に石川竜也の入れたボールから右に展開し、逆サイドの伊東俊がフリーで頭で合わせ、山形が素早い展開力を出す。京都も19分にCKを山瀬功治が直接狙うなど、山形をヒヤリとさせるが、押し込む展開に持ち込めない。
試合は山形ペース。20分にもCKから頭で合わせると、29分に山形がスコアを動かす。左サイドのスローインから伊東俊が同サイド裏に抜けた山崎雅人へ。山崎がペナルティエリア内左で、豪快に振り抜くとボールは逆サイドのサイドネットに突き刺さり、山形が先制する。
これを受け京都が前に出る様になると、流れを掴み始める。42分、右サイドの安藤淳から、その前のスペースに潜り込んだ工藤浩平の前のスペースへ送られると、工藤が抜けだし、中央をしっかり視認してから原一樹へ。原が頭で押し込んで京都が同点とする。

後半も山形が京都ゴールへ襲いかかる。47分、山崎が裏に抜け、飛び出したGKをかすめるシュートを放つと、その直後に右サイドからのクロスを受け2列目がシュートを放ち、GKが防いでこぼれたボールをさらに詰めた。これはGKが足下に飛び込むファインプレーを見せるも、そのこぼれ球をシュートに持ち込み、決定機を作る。その後も59分に中島裕希がしシュートを放つなど京都を攻め立てた。
山形の勢いに対し、京都は田森大己を投入(OUT中山)するなど打開策を打つがなかなか状況は代えられない。
結局、山形優勢のまま試合は進むもスコアは動かず1-1のまま勝点1を分け合った。

試合後、山形・奥野僚右監督は「非常に中身があり見応えのある、自分たちが求める様な形をチームとして、選手一人一人がチームの為に、表現できたのではないか」と口にすれば、京都・大木監督は「立ち上がりから最後まであまりいいゲームでは無かった」とした。
「山形さんの前に出てくるボールに対して、セカンドボールが拾えない。拾えない分だけ一度押込まれる。押込まれた後に、自分たちのボールにしても失う」(大木監督)と、山形のサイクルにはめられる状況に陥った。
山形の前線に上手くボールが収まったという印象も残る。FWが縦パスを、或いはサイドのスペースに走り込んで収める形もあり、そのお陰で、山形はシンプルに前に送り、スローインやCKをもらい、そこからまた自分たちの時間を作る、といった戦い方ができた感じだった。それもあり、中島、林陵平のFWや中盤の山崎、伊東と、攻撃陣に泥臭く走る中にも技術がある選手が揃っているなという印象を受けた。

京都からすれば勝点1だったとしても、この粘り強さは評価に値するのではないか。今節の前に、酒井隆介に、福岡戦で相手のやり方に自分たちらしさが出せなかった部分もあるのではと訊ねたら、「上手くいかないのが当たり前だと思ってやってますから」と返事があった。どんな状況になっても、心乱さずプレーするためにそこを心がけているということならば、今節の粘り強さは特筆するものがあるだろう。

大木監督は会見で上手くいかなかった点について「やっぱり受けが弱かった。ボールが落着くところがなかった」と先ず挙げていた。
京都の今の戦い方が生まれた発端は水戸戦の敗戦だった。試合後、特に中盤の選手から漏れた「もっとつなげた」という言葉。そこで布陣変更へ動いた。肝は横谷繁の位置を下げたこと。これで横谷がこれまでのバイタルの、マークの厳しいエリアからもっと自由にボールに触れる様になった。時には最終ライン間際まで下がりボールを受ける。パス出しが好きな中盤の選手が前を向けると、前線は積極的にアクションを起こす様になった。こうした、役割の明確化が良い流れを作ったと思っている。
インサイドハーフがアンカーの位置まで下がれば相手ボランチは付いてこられない。中盤が無理に前に行くよりも、ボールを受けて、前を向いて前線のアクションを見逃さないことの方が重要だと感じている。「押し込む形を作る」と、試合後コメントがあったが、気を付けたいのは「前線のアクションを見逃さずにパスを送れれば押込む形は出来るのではないか」ということだ。

今節、「ボールが落着かなかった」という点で言うならば、中盤が前の狭い厳しいエリアで強引につなごうとしたこと、前線でボールを引き出す動きが出なかったこと。これらは要因の一つではないかと思っている。そしてこれは、京都にとっては「やるべきことをやる」ことが出来なかったとなるだろう。

以上

2013.08.05 Reported by 武田賢宗
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