若手が躍動したJ1リーグ第19節から中3日、今度はスルガ銀行チャンピオンシップというタイトル戦を迎える。鹿島は昨季にもこの大会に出場し、チリのウニベルシダ・デ・チリをPK戦の末に下しチャンピオンに輝いている。それがプロになってから初めてのタイトルだったジュニーニョやドゥトラが、子供のように大喜びしていた姿を覚えている人も多いことだろう。今回の対戦相手は、ブラジルのサンパウロFC。現・鹿島監督のトニーニョ セレーゾが現役時代に活躍したことでも知られるブラジルの名門クラブの一つである。そして、いまサンパウロを率いているのは、06年に鹿島で監督を務めていたパウロ アウトゥオリ。様々な因縁が交錯するクラブ同士の対戦となった。
ただし、サンパウロの調子は良くない。ブラジル全国選手権での苦戦が続き監督を途中交代。そのとき白羽の矢が立ったのがパウロ アウトゥオリだった。しかし、監督が変わってもチーム状況は好転しておらず、9試合連続未勝利が続いている。このスルガ銀行チャンピオンシップの前に、ドイツの親善試合に参加し、7月31日にバイエルン・ミュンヘンには0-2、翌1日にはACミラン0-1と連敗。その後、ポルトガルでベンフィカと戦い、圧倒的に攻められながらも2-0とようやく久々の勝利を収めた。ただ、かなりのハードスケジュールだったこともあり、一部のメンバーはそこでブラジルへ帰国。コンフェデレーションズカップでブラジル代表メンバーに選ばれていたジャジソンも、日本には来日しないのは残念だ。しかしそれでも、2011年のクラブワールドカップで、当時在籍していたサントスの一員として来日し、すばらしいプレーを見せたガンソ、キーパーながらもキャリアのなかで100得点以上も決めているロジェリオ・セニなど、優れた能力を持つ選手たちが揃う。熱狂的なサポーターに支えられるクラブなだけに、南米でもよく知られているこのタイトルマッチにかける意気込みは大きいはずだ。
「ブラジル人とやるのが楽しみ。サンパウロは誰でも知っているチームだから」
そう話す遠藤康を筆頭に、迎え撃つ鹿島の選手たちも、ブラジルのクラブ、しかもサンパウロと戦えることを楽しみにしている選手が多かった。それは監督も同じ。自身が現役時代にまとった白のユニフォームと戦うだけに、セレーゾ監督も「たぶん気合いが入っている」(西大伍)。自身が作り上げたチームがどれだけ通用するのか試したい気持ちと同時に、結果を残したいという思いは強いはずだ。先のリーグ戦で先発に抜擢され、まずまずのプレーを見せた土居聖真も「攻撃面でどこまで通用するのかチャレンジしたい。ミスはあるだろうけど、試さないとわからない。良い機会だと思う」と話す。
スルガ銀行チャンピオンシップは注目度が高く、昨年は20,021人が来場し、今年も同じくらいの来場者数が見込まれている。また、試合形式も昨季と変わらない。試合は90分1本勝負。決着がつかなければそのままPK戦戦となる。また交代枠も6人までが許されておりチームの総合力が試される。調子は悪くとも「サンパウロはサンパウロ」(柴崎岳)だ。逆に、誰が出ても鹿島は鹿島という言葉を証明する戦いを見せたい。
以上
2013.08.06 Reported by 田中滋
J’s GOALニュース
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