忌野清志郎の「パパの歌」ではないが、横浜FMの“夜のパパ”たちはいい汗をかいて、光っていた。
ヒーローインタビューのお立ち台でスポットライトを浴びたのは、3児のパパのドゥトラと、1児のパパのマルキーニョス。ベテラン戦士が「ドゥトラ生誕祭」で配布されたドゥトラのお面を頭に付けていたため、何ともユーモラスに映った。同じくお面を付けたゴール裏ファン・サポーターは、バースデーソングの大合唱で祝い、ドゥトラは満面の笑みで「みんな、今日は本当にアリガトウゴザイマシタ!」と日本語であいさつ。J1最年長の背番号5は30代ラストゲームを2−1で飾り、本日11日にまさにハッピーバースデーを迎えられたわけだ。
メインスタンドの記者席から近い来賓席で、彼らの子どもたちが見守る中、ドゥトラのアシストからマルキーニョスの決勝弾が生まれる。76分、ドゥトラがロビングボールを上げ、ゴール前で藤田祥史がゴール前で競り勝つ。フワッと浮いたボールをマルキーニョスが、ゴールを背にして舞い、絵に描いたような美しいバイシクルキックで叩き込んだ。
試合自体は、32.8度のうだるような蒸し暑さが両チームの選手たちの足かせとなり、スローペースな印象を受ける。ピッチで描かれている構図としては、技術に長けた横浜FMがボールを握り、鳥栖が低い守備位置で耐える、といったもの。だが、横浜FMも負傷の齋藤学不在の影響から、どうしても推進力を欠き、膠着状態へ…。かと思いきや、4児のパパ、中村俊輔が“走り”で打開する。中村は中町公祐にボールを預けると、彼にしては珍しくストライカーばりの斜めへの鋭い走りで、ニアに侵入。それを中町が見逃さず、ピンポイントクロスから中村がバックヘッドで先制点を奪う。
しかし、そこからが横浜FMのここ最近の悪癖と言うべきか、追加点を奪えずエアポケットの時間が訪れ、失点を許してしまう。
後半に入って56分、鳥栖は右CKから池田圭がなぜかフリーでシュート。バーを叩いた跳ね返りのボールを菊地直哉が頭で繋ぎ、最後は早坂良太が押し込む。
その後、64分にはカウンターから豊田陽平が右サイドをえぐり、ドリブルシュートでゴールを強襲。74分には横浜FMから期限付き移籍中の金井貢史に代え、古巣相手に燃えるサイドアタッカー水沼宏太を投入。終盤は彼がセカンドボールによく反応し、攻撃を畳みかけたが、76分のマルキーニョスの一発が重くのしかかり、敗戦となった。
プレビュー記事で注目した豊田と栗原勇蔵の対決だが、実際に豊田と主に競っていたのはボランチ富澤清太郎だった。それはチーム内の決め事だったらしく、富澤が競ることで最終ラインは乱れず、カバーリングに集中。豊田を越えて裏を突く鳥栖の2列目の選手に対しても、余裕を持って対応できた。豊田との競り合いで奮闘した富澤清太郎も2児の父親だ。横浜FMのパパ戦士たちが攻守において輝き、勝利を手繰り寄せて2位キープ。首位・広島をピタリと追いかける。
以上
2013.08.11 Reported by 小林智明(インサイド)
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