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【J1:第21節 湘南 vs 磐田】プレビュー:相手に対するリスペクトと自分たちの追求するサッカーと。BMWスタジアムは白熱必至(13.08.16)

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湘南と磐田は今季、リーグ戦とヤマザキナビスコカップにて対戦し、前者が4‐0、後者が1−0と、いずれもホームの磐田が取っている。ともに磐田が立ち上がりに先制したように、ゲームの入り方をはじめ、寄せや切り替えの鋭さにおいても磐田が先手を奪っていた。互いの順位こそ下位にあるとはいえ、「チームとしてやろうとしているサッカーに選手みんなが向いている。この順位にいるのが不思議なぐらい強い」とキャプテンの永木亮太然り、湘南の選手たちが口を揃えたように、磐田の強さをあらためて感じさせる内容だった。

クロスからの得点率の高い磐田は、振り返ればくだんの対戦においても、駒野友一を起点に前田遼一が押し込むなど特徴をゴールに結んでいた。ひとたび湘南に視線を移すと、クロスへの対応は課題のひとつと言えるだろう。前節の清水戦においても同様のかたちから失点を喫している。付け加えるなら、清水戦はゲームの入り方においても後手を踏んだ。それだけに、前節を踏まえても、また磐田との過去の対戦を踏まえても、今節あらためて意識すべきは浮かび上がる。相手に押し込まれる時間帯はあるにせよ、コンパクトフィールドをできるだけ保ち、且つ上下の細やかなコントロールを弛まない。そうして推進力を傾ける先は、「縦」だ。

ベテランの下村東美は言う。
「笛が鳴ったときから120%で行くのが湘南。失点してからスイッチが入るのではもったいない。中断期間を経て走力もさらに増した。相手にとって危険なところを突いていく、90分+アディショナルタイムまで自分たちのサッカーを出しきれるかに尽きると思います」

ところで、湘南と磐田との対戦でもうひとつ思い出されるのが、関塚隆監督が就任して間もない中断期間のトレーニングマッチである。こと湘南は後ろからのコーチングとともに守備の精度を高め、判断スピードの高まりもまた軽快なパスワークに映したものだった。チームの歩みの楔のひとつとして、印象に深いゲームのひとつに数えられる。

関塚監督の指揮する磐田との一戦に向け、曹貴裁監督はこんなふうに語っている。
「関塚さんは大学の先輩でもあるし、去年も含めてこれまでさまざまな面でアドバイスを頂いてきました。僕にとっては尊敬の念しかないし、ジュビロは選手たちがサッカーとしっかり向き合っている間違いなくいいチーム。ハードワークできなければ我々は太刀打ちできないし、我々のよさを整理して、チャレンジする気持ちで戦いたい」

湘南にあっては、キリノや岩上祐三が期限付き移籍する一方、大竹洋平とステボが新たに加わった。これからに向けて編成も変化するなかで、曹監督は清水戦明けのミーティングで選手たちに語りかけたという。「来年もJ1でプレーしよう」。その言葉にはなにより、選手たちに対する指揮官の想いが詰まっている。「俺が言うよりもまえに、J1でプレーしたいと選手たちがいちばん思っているはず。その気持ちを大事にしたい」。そして、そこには現状ピッチに立てない選手たちに対する想いもある。長くリハビリと向き合っている古橋達弥と中村祐也のことだ。「フルや祐也は、チームが勝つために自分に何ができるかをつねに考えられる選手。彼らのためにもJ1というキーワードを外さないでやっていきたい」。

文章など追いつかないそれぞれの想いが湘南にある。そして3連敗の渦中にある磐田にとってもまた、この週末は絶対に落とせない一戦だ。互いの熱がピッチに迸る。白熱は必至、ただこれまでと違うなによりは、湘南のホームであるということだ。全方位からの尽きない声援が、湘南の選手たちの勝利への熱を意欲を走力を、さらに加速させるに違いない。

以上

2013.08.16 Reported by 隈元大吾
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