アウェイでの連戦で今季2度目の連敗を喫した千葉は、前節(第30節)はホームのフクアリでJ2残留争いの渦中にいる群馬と対戦した。だが、群馬よりも先に決定機を作りながらもモノにできず、第29節・松本戦と同様にセットプレー後の流れから失点。だが、後半にCKから山口智がヘディングシュートを決め、さらに米倉恒貴のアーリークロスが群馬のオウンゴールを誘って逆転した。しかし、試合運びのまずさや攻めきれないミスから何度もカウンター攻撃を受け、81分の失点が響いて2−2の引き分け。8月に入ってからは1勝1分2敗で、現在の順位は3位のままでも勝点差は2位の神戸とは8、首位のG大阪とは15に開き、J1自動昇格は状況的に厳しくなって逆転優勝は絶望的となった。
前節終了時は最下位の岐阜は、第28節では神戸を相手に粘り強く戦って1−0の勝利を収めたものの、第29節・水戸戦は1−4の大敗。すると、その翌日に岐阜は昨季からチームを率いていた行徳浩二監督を解任し、辛島啓珠アシスタントコーチを監督に昇格させた。だが、水戸戦から中2日と辛島新監督の立て直しには時間が短すぎた前節の北九州戦は、0−2で敗れて連敗。それでも、加入後5試合出場でまだ無得点とはいえバージェはクロスにヘディングで合わせる高さと強さを見せ、加入後の負傷で思うように試合出場ができなかったスティッペは前節で強烈なミドルシュートを放っていた。そして、神戸戦での貴重なゴールは鳥栖から期限付き移籍で加入したセンターバックの木谷公亮がCKからヘディングシュートで奪ったもので、新戦力が徐々にフィットして力を発揮してきている。
今節の千葉は14得点でJ2得点ランキング1位のケンペスが出場停止明けで、新戦力の森本貴幸がようやくJリーグへの選手登録が完了。しかし、その一方でチーム最多の10アシストに加え、ここまで山口智と並んでチームの得点ランキング2位の5得点をあげている米倉恒貴が累積警告で出場停止だ。今季の千葉の攻撃のストロングポイントである米倉の不在は戦いにどう影響を与えるのか、そんな影響は感じさせないような戦いぶりを他の選手が見せることができるかがが注目点の1つになる。
岐阜は辛島監督が「良い守備から良い攻撃につなげられるようにやりたい。自分たちで狙って、自分たちのアクションで守備ができるようにしていきたい」と話しており、しっかりとした守備から試合に入るだろう。千葉が前節で意識を高めた『裏を取る』ためのスペースを簡単には与えてくれず、強固な守備ブロックを作ってくると思われるだけに、いかに相手の間にポジションをとり、相手の間を通すパスが出せるかがカギとなる。千葉は『裏を取る』ためのスペースを岐阜に作らせるためにも、ミドルシュートを打つなど岐阜の守備陣をゴール前から引きはがす工夫が必要だ。一方、岐阜には前述のスティッペ以外にも思い切りのよいミドルシュートを打つ樋口寛規や染矢一樹がおり、彼らにはスピーディーな突破力もある。また、前述の木谷の得点をお膳立てした美尾敦は精度の高いキックが特長。千葉は岐阜の選手に時間と空間を与える守備をしてしまうと一気にピンチになる。岐阜にセットプレーのチャンスを簡単に与えないようにすることも重要だ。
対戦相手の順位やチーム状況がどうであれ、自分たちがプレーの精度を高め、イージーなミスを減らし、的確な状況判断で戦わなければ勝てないことを千葉の選手たちは痛感しているはずだ。特に岐阜との対戦は、やはり岐阜が最下位で千葉が6連勝中で迎えた昨季の第17節は0−1の敗戦を喫し、今季の第13節は終盤でのジャイールの得点で1−0の辛勝と苦戦が多い。群馬と同様にJ2残留のために必死な岐阜との戦いはメンタル勝負の部分も大きい。どんな時も勇気を持って粘り強く、したたかに戦えるかが勝敗を分ける。
以上
2013.08.24 Reported by 赤沼圭子
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第31節 千葉 vs 岐阜】プレビュー:新戦力がフィットしつつある辛島新体制2戦目の岐阜。千葉は勇気を持って岐阜の守備ブロックの間を突き、粘り強く戦いたい。(13.08.25)
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