今日の試合速報

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第31節 岡山 vs 栃木】プレビュー:すべてのアラートはONにしたまま。岡山が戦う相手は、栃木ではなく、昨日の自分たち。(13.08.25)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
岡山は前節、4人の選手が今季初ゴールを挙げた。DF近藤徹志、FW清水慎太郎、FW石原崇兆、MF島田譲。この4得点にはセットプレーからの2得点が含まれているが、前線から中盤の連係スピードが上がり、これまでより多くの選手が攻撃に絡んでいることは、ここ数試合の岡山の際だった特徴だ。

「(前々節の)東京V戦の前に、前線からの守備を再確認した。守備から入り、引かずに仕掛ける姿勢がいい形に繋がって、何度かはチャンスが作れたと思う」と石原。前節、出場停止だったFW押谷祐樹は、「まず切り替えが速くなってる。自分のところでかわされても次の人が取ったり、奪われてもすぐ取り返している。前線3人の距離感が良く、前線からの守備がはまっている」。DF竹田忠嗣は、「前線の3人が戻って守備をして、すぐ出て行き、相手のDFより長く走って、ボールも取られずに前に運んでいくのは、後ろから見ていてもすごい。前があれだけやって限定してくれているんだから、後ろの僕らは潰さなきゃと思うし、僕らが頑張っているから、前も走っている、というチームの状態になっているのかもしれない」。

とは言え、もちろん岡山・影山雅永監督は常に危機感とともにある。「ヴェルディ戦と京都戦で出来たから、次も出来る、と考えるのは甘いし、出来なくなってしまうことは簡単」。しかし、「もっとやろうと思えば、出来るのも当然。覚悟を決めて走るかどうか。すべて自分たち次第」と話す。

今回、対戦する栃木に関しては、コレクティブなチームという印象を持つ選手が多い。「ヴェルディ、京都に較べると、守備の意識が高いと思うし、中盤も攻撃的な選手が多いので、今までよりも自分たちのタイミングと質にこだわる必要がある」と話すのはボランチの島田だ。これが栃木を迎えるにあたって、もっとも必要な心構えだろう。

栃木との前回の対戦は、第12節(5月3日)。ともに守備を固めながら得点機会を作ったが、後半41分、MF三都主アレサンドロのクロスをMFクリスティアーノが落とし、交代出場で投入されたFWサビアが決勝点を決めた。開幕から続いていた岡山の11戦無敗の記録はこの失点、このゲームで止まった。一瞬の隙を突かれた失点に、FW荒田智之は、「最後で崩せるか、粘れるか。それがサッカー」と話した。

栃木は、第24節からの連敗を「4」でストップさせたが、第29節・鳥取戦、第30節・山形戦はどちらも1−1のドローで、11戦勝利がない(26節は未消化)。しかし前節・山形戦の後半アディショナルタイムに追いついたFW廣瀬浩二の同点弾や、MF菊岡拓朗投入後のシフトチェンジなど、試行錯誤の中からついに手応えを掴んだ感がある。

状況から言えば、失点を防ぎ、先制点を奪うためにより必死になれるのは、栃木の方かもしれない。出場停止が明けてピッチに戻るクリスティアーノは、「岡山が(出てきた時の)スペースを活かしたカウンターが重要になってくる」と話している。また4日前、激しい雨の中で決死のゴールを決めた廣瀬は、3バックを採用する鳥取と対戦した時、アウトサイドに走って起点になっている。戦う姿勢を保ったまま乗り込んでくる相手に対して岡山が最初にすべきことは、その出鼻を挫くことだ。そして、それ以上に戦う姿勢を見せることだ。

岡山は右ワイドの田中奏一が出場停止。連戦でもあり、1対1の局面と走力で相手を上回るという岡山の決意は、とくに前線、中盤の選手にとって過酷だ。しかしすべてのアラートをONにしたままの指揮官は、選手たちが走りきることを信じている。その意味で岡山が戦う相手は栃木ではなく、昨日の自分たちとなる。ホームで戦う岡山の今季最後のナイトゲームは、かつてないほど過酷な戦いだ。

以上

2013.08.24 Reported by 尾原千明
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/19(金) 12:00 Jリーグ審判レポート(シンレポ!)#19『現役選手が本音で語る!2025年のレフェリング総括!』