「勝点1で喜べるチームではないので、勝点3を取れなかったのは悔しい」と同点ゴールを決めた大分の森島康仁に笑顔はなかったが、残留争いをするチーム状態も相まって、選手の必死さを伝えるには十分なものだった。
立ち上がりから相手にボールを持たれたが、無理せずに我慢の時間帯を過ごす。「相手がカウンターとコンビネーションで仕掛けてきて、押し込まれるのは仕方ないと思っていた」と田坂和昭監督が振り返ったように劣勢な状況は続くと割り切っていた。広島攻撃陣の縦への鋭さを警戒し、ボールを奪われると素早く帰陣して5バックとその前に4人並べ、しっかりセットする。前節の浦和戦で3点差のリードをひっくり返された反省を生かした。
スコアレスで折り返した後半も、劣勢な状況は続いていたが、「ボールを動かせれば押し込めると思っていた」と次なる一手を打とうと考えていた。しかし57分に失点を許し、松本昌也の投入を早める。結果、この選手交代が流れを変えた。
前半からピッチの外で見ていた18歳は、「バイタル(エリア)が空いていたので、あそこでボールを受ければリズムができると思っていた」と、広島の間延びした中盤のスペースに顔を出し、小気味良くパス交換を繰り返し、攻撃のリズムを作った。
リーグ最少失点を誇る広島の守備が次第に崩れ、65分、73分と流れのなかから松本昌がシュートを放つ。いずれも同じ大分県出身のGK西川周作に阻まれたが得点の匂いを感じさせるには十分だった。78分の同点ゴールはチェ ジョンハンのカットインからはじまったが、その仕掛けの前に松本昌がサイドに抜け相手のマークを引きつけた。
試合を振り出しに戻し、その後も押し込む展開が続いたが、最後の精度が甘く逆転するまでには至らなかった。「失点してしまったが、我々のサッカーが出来つつある。2位の広島相手にあれけ押し込み、得点を奪えたのは自信になると思う」と手応えをつかんだ。もちろんJ1残留への奇跡も諦めてはいない。
一方の広島は最下位相手に勝点を取りこぼした。「後半も前半と同じような戦術で戦い、先制できたが追加点が奪えなかった。ゼロに抑えることも出来たと思うが、勝ち切れなかったのは課題」(森保一監督)となった。シュート数も決定機の数も大分を上回ったが、あと1点が遠かった。気温は26.3度であったが湿度91%と息苦しいドーム特有の蒸し暑さの影響もあった。
それでも最低限の勝点を上積みしたことで、この日鹿島に破れた横浜と勝点で並び、得失点差で首位を奪還した。攻守のバランスが良く、大崩れする気配はない。先が明るいと楽観視することはできないが、連覇に向けて着実に勝点を積み重ねていける強さがある。
以上
2013.08.25 Reported by 柚野真也
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