千葉は8月の5試合は1勝2分2敗で勝点の上積みはわずか5。J1自動昇格圏の2位の神戸との勝点差は10に広がり、残り試合数は11だ。千葉は8月の不甲斐ない戦いぶりでJ1自動昇格への扉を自ら閉ざしかねない状況となった。
試合開始早々の2分、千葉はFKに山口智が右足で合わせて先制。岐阜はボールホルダーに寄せても複数で激しくプレッシャーをかけずにブロックを築く守備のため、千葉がパスをつなぎながら岐阜陣内へ何度も攻め入る展開となった。だが、千葉の最終ラインがボールを持っている時にディフェンスラインを押し上げる岐阜の背後や選手の間を効果的に突く動きやパスが少なく、ここぞというところのスピードアップなど緩急のリズムの変化も乏しい。クロスやラストパスの精度も悪く、千葉の前半の決定機は得点シーンだけだった。
岐阜は千葉のパスミスやパスが守備ブロックに引っ掛かったところのボール奪取からカウンター攻撃を仕掛けた。だが、前半の岐阜もまたプレーの精度不足でなかなかフィニッシュまで持ちこめなかった。後半も岐阜はカウンター攻撃が多かったが、前半よりも千葉がはね返したボールを拾って再び攻撃するシーンが増え、ボールを保持する時間が増えた。65分の岐阜の同点ゴールは63分から連続して攻めていた時のもの。益山司の狙いすましたシュートはもちろんスーパーゴールの個人技だが、この時間帯に粘り強くこぼれ球を拾い、チームが一丸となって動き回って得点を狙ったことで生まれた得点といえるだろう。
千葉は55分には大塚翔平のパスに谷澤達也がファーサイドで合わせるもオフサイド、74分にはケンペスのシュートがクロスバーに当たった後のこぼれ球に谷澤が詰めてシュートするもハンドの判定と惜しくもノーゴールの場面が2回。66分にはロングパスからゴール前へ抜け出したケンペスが決定機をシュートミスで逃した。それを考えれば試合の流れは悪くなかったのかもしれない。だが、完全に試合の流れを引き寄せる策が欲しかった。今節は縦の推進力を持つ米倉恒貴が出場停止で不在。それだけに、鈴木淳監督がコンディションの問題で長時間使えないと判断した森本貴幸を最初の交代で失点の14分後に入れる前に、スピードや動き出しで相手の裏を突くことができ、無駄走りもゴール前に守備に戻る走りも厭わない田中佑昌を入れて縦の推進力を強める策もあったのではないか。
第19節以来のスタメン出場だった佐藤勇人は試合後にこう話した。
「中を固められている時にそこに突っ込んでいくのは難しいんですけど、誰かがフリーランニング、無駄走りをすることによって相手の守備が1つズレたりしたら、そこでできるスペースはある。ウチは綺麗にやりすぎて、足元、足元のプレーが増えてきているので、少し目先を変えて長い距離を走ってみて、そこにできたスペースに別の選手が入ってくることをみんながイメージしながらやれたら、もっともっとできることが増えるし、そうするとつなぎの部分ももっと楽になったり、相手にとって嫌なことができると思う。ただ、それは練習してすぐにできることではないし、走るのはきついことなので、味方のために走れるかどうかというのはメンタルの部分が大事になる。自分を犠牲にして味方のためにできるかということは自分ももっとやらなきゃいけないし、みんなにも要求したい」
勝点1を得た岐阜はゴールを目指してひたすら走り、それが時には千葉に脅威を与えていた。楽をするようなパス回しだけでは守備網は簡単には破れない。労を惜しまずに相手の守備陣を動かし、意表を突く動きなくしては得点できないし、勝利も得られない。
以上
2013.08.26 Reported by 赤沼圭子













