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【J2:第31節 横浜FC vs G大阪】レポート:勇気を持ってファイトを続けた横浜FCが、田原豊の劇的同点弾でドローをもぎ取る。(13.08.26)

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ある意味、試合前の予想通りの展開となった。ともにパスを繋ぐサッカーを主体とする横浜FCとG大阪の両チーム。その中で、パスサッカーの質では日本トップクラスのG大阪が試合を支配した。しかし、G大阪・長谷川健太監督が「今日はしっかりとボールをつないで、横浜FCもいいサッカーをした」と振り返ったように横浜FCもパスサッカーで対抗。その質では、G大阪に届かなかったかもしれないが、聖地三ツ沢の声援の後押しもプラスされ、パスサッカーに泥臭さと執念を加えた横浜FCがドローに持ち込むことに成功した。

試合は開始4分でいきなり動く。横浜FCのゴールキックで「カズ(三浦知良)さんが強烈にボールを要求していたので、永井(雄一郎)に出そうと思っていたボールをカズさんに出した」(シュナイダー潤之介)というボールは、一度は加地亮にクリアされる。しかし、押し返した高地系治からのボールを拾った加地のつなぎが中途半端なところを野崎陽介が見逃さず、そのまま思い切りのいいシュートでゴールゲット。ここのところ課題になっているG大阪の立ち上がりを見事に突いて、横浜FCが先制する。
その後も、横浜FCはテンポを落としたつなぎを繰り返しボールを握る時間を増やすが、ミスを見逃さないG大阪にボールを握られて押し込まれるようになる。横浜FCはこの状況に守備ブロックを作り対応するが、29分、遠藤保仁、大森晃太郎とつないだボールは、宇佐美貴史の前へ。その宇佐美がダイレクトでコントロールされた早いパスのようなシュートをゴール右隅に流し込む。ガンバの底力と宇佐美の才能が融合したゴールでG大阪が同点に追いつくと、前半の残り15分もG大阪が優勢で試合を進めるが、横浜FCも守備とボールのつなぎの質を緩めることなくプレーを進め、前半は1-1で終える。

後半の立ち上がりに仕掛けたのは横浜FCの方だった。縦だけでなく左右の幅を使いながらボールを展開し、58分までに、4本のシュートを放つ。3連戦の最終戦ということもあってか、前半に比べてコンパクトさが失われる中、G大阪も守備の際には低くてもブロックを作りながらという展開。逆に、両チームのパスワークがより表現される状況となる。その中で2点目を取ったのはG大阪。67分、コーナーキックからのこぼれ球を途中出場の岡崎建哉がつなぐと、藤春廣輝が押さえたミドルシュートを突き刺す。しかし、この日の聖地・三ツ沢はそのビハインドを跳ね返す雰囲気を持っていた。81分に、G大阪は宇佐美に代えて阿部浩之、横浜FCは永井に代えて田原豊を投入する。横浜FCは、田原とその前に投入していたパトリック、ナ ソンスの3トップにして、再び攻撃の主導権を握る。そして88分、ナ ソンスが一度左サイドでボールを受け、中島崇典が上がる時間を作ると、高地系治のパス交換で中島がフリーでボールを受けクロスを上げると、田原が豪快にたたき込む。最後まで、パスでの崩しにこだわった横浜FCが、終盤に運動量の落ちたG大阪相手に粘りを見せつける同点劇を見せつけた。

横浜FCにとっては、狙っていた勝点3ではなかったものの、90分を通してパスサッカーと粘り強さを「貫いた」ことに大きな収穫があった試合だった。G大阪の良さを見せつけられての失点に対しても、ひるむことなく本来のスタイルを貫けたことは、残り11試合への希望となるだろう。そして、初出場を果たしたパトリックは、まだチームにフィットしていない部分も多いが、田原の同点ゴールの際に田原の前に入って相手のマークをずらす動き、そして身体能力と独特の間合いは、今後の横浜FCの攻撃力向上に大きくプラスになるだろう。そして、横浜FC史上J2最多となる12,490人の観客を集めたニッパツ三ツ沢球技場の雰囲気は、これまでにも増してすばらしいものだった。過去の同じような試合では、アウェイチームに「ジャック」されることも正直多かった。この日もゴール裏の人数も合計の声量もG大阪の方が多かったことは間違いない。それでも三ツ沢の雰囲気は、ホームの横浜FC側にあり続けた。そして試合を追うごとに、横浜FCの雰囲気は加速した。その点でも、収穫が多かった試合だったのではないだろか。

G大阪にとっては、気を付けていた序盤の失点が悔やまれる試合となった。攻撃面で、この日見せたパスワークと2本のファインゴールは、G大阪の質を十分に見せつけるものだった。だからこそ、序盤の失点さえなければというところが大きな課題として残り続けた。長谷川監督は試合後の記者会見で「J1昇格、J2優勝ということはなかなか声高らかに言えない」と厳しく振り返った。数字上はJ1昇格に向けて大きくリードしていることは間違いない。しかし、この長谷川監督の言葉は、将来のJ1での戦いをも考えた意識付けの必要性を訴えている。残り11試合の糧としたい試合だった。

この試合でのイエローカードは1枚もなく、一方で試合開始から高いテンションが保たれ、スムーズで見応えのある試合だった。このような試合が残り11試合で継続できれば、G大阪だけでなく、横浜FCも、チームとして、クラブとして成長できる、そういった試合だったのではないだろうか。「次」に繋がることを期待したい。

以上

2013.08.26 Reported by 松尾真一郎
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