山形の快勝劇だった。立ち上がりからアグレッシブな守りで圧倒し、前半と後半の早々にタイミングよく加点した。退場による自滅に相手を追い込み、ダメ押しの3点目も奪った。夏の3連戦の最後とは思えないハイプレッシャーから次々とチャンスを創出する姿は小気味よく、リーグ2位の得点数をたたき出しているのもうなずける。3連戦を2勝1分けでクリアし、9月の戦いに弾みをつけた。
山形は開始からフルパワーで襲いかかる。ボールを失っても前線から中盤にかけての厳しいプレス、守備への素早い切り替えですぐに奪い返して攻め続けた。山形の奥野僚右監督は「ボールを奪いにいく時に全体で迫力をもって前からいったり、帰陣して一旦かたちを整えてから奪いにいったりと、全員の意志統一と一体感を表現できた」と振り返る。
その勢いのまま前半12分に先制点を奪った。左サイドでの小刻みなパス交換によって相手のマークにずれを生じさせ、サイドバック中村太亮が右足で上げたクロスをファーサイドでフリーになったFW中島裕希がヘディングで決めた。富山出身の中島は仙台時代の09年にも故郷でのゲームで2得点を挙げている。今回も自らのゴールで錦を飾った。前半のうちに追加点は生まれなかったが山形はその後も相手コートでプレーを続けた。
富山は少ないながらもカウンターで切り返そうとするがゴールまでの距離が遠く、前半のシュートは1本だけ。相手のプレスを避けてシンプルに長いボールを使う選択肢もあったが、頭では分かっていても実行できなかったようだ。それでも耐えて1点差で折り返せたことで後半に望みはつないだ。
山形は前節まで先制した試合の成績が9勝6分4敗。後半に失点して勝利を逃すケースが少なくなかった。後半4分、再び中島が決めた追加点は大きかったといえる。右サイドのFK、MF伊東俊がニアのDF裏に入れたボールに走り込みヘディングで流し込んだ。
富山は直後の同6分、交代出場したばかりのFW苔口卓也がDF舩津徹也からのアーリークロスに頭で合わせて1点を返した。しかし、同14分にMFソ・ヨンドクが2枚目の警告で退場となり苦しくなった。同22分に山形がCKからFW林陵平が3点目を挙げて勝負の大勢は決まった。富山の安間貴義監督は退場者を出したことについて「(徳島戦、松本戦では)勝つチャンスを自らつぶした。今日も同じ。幼すぎる部分が出る試合が続いてしまった」と話した。2試合連続してPKからの失点で敗れたため、試合を台無しにしてしまうような軽率なプレーを戒めていたばかりだったという。今季初の連勝による反撃ムードもつかのま、課題が突き付けられる3連戦となった。
残り15分ごろから急な強い雨に見舞われたが、サポーターは声援を送り続け、メーンやバックスタンドの観客も雨を避けながら最後まで試合を見守った。試合後に予定していた花火の打ち上げは雨の影響で中止となり、次回ホームゲームに延期された。これを勝利を祝う花火にしなければならないだろう。
以上
2013.08.26 Reported by 赤壁逸朗













