前節、最下位の大分に引き分けた広島。主力のケガ人が少なくないのに、大分戦で更に増えて今節は台所事情が苦しそう。前半の最後に負傷した石原直樹に代わって17歳の川辺駿(2種登録、U−18日本代表)がJリーグ2試合目で45分以上の経験を積むことができたことは彼の成長ではプラスだろうが、優勝争いをするチームなのでそんな悠長なことは言ってられない。欲しいのは結果。横浜FM、浦和が猛追してくる中で、大分、甲府、F東京と続く3連戦で勝点を積み重ねるペースを下げるわけにはいかない。石原やミキッチがどんな状態なのかは分からないが、もし出場できなくてもかわりの選手がチームとしての質を保てるかどうかに注目が集まる。
迎え撃つ甲府は8月最後の3連戦、湘南、広島、磐田と続く中で、広島戦はターンオーバー気味に戦うのかと予想していたが、前日練習を見るとその気配はなかった。城福浩監督は「次の磐田戦が我々の立ち位置を考えるとどれだけ重要かは踏まえている。考えることの多い3日間だった。シーズンを通してみると、毎ゲームベストを尽くして勝点を目指す姿勢はブレてはいけない」という趣旨の話をして、ターンオーバーではない戦い方をすることを表明。ちょっと意地の悪い聞き方だが「今の広島の(ケガ人が多い)チーム状況もその決断には影響していますか?」と聞くと、「極端に言うと、勝てそうもないから勝たなくてもいいチームを送り出すとか、勝てそうだからそういうチームにするという志向も全くない。今の広島はたまたま勝点が思うように取れてないけれど、それでも首位のチーム。ましてや前節は悔しい試合の終わり方をしていて、彼らがどんなモチベーションでこの試合に臨むかを考えると、非常に高いモチベーション(で来る)。大分のように僕らも勝点取れるだろうなんてそんな甘いことはない」と、こちらが勝手に予想していたターンオーバー志向を完全に否定された。
思い出せば、アウェイ広島戦(第12節、5月18日)では甲府の連敗に加速がつくような内容で1−5で敗れている。広島ではお好み焼きを食べたりした楽しい思い出もあるけれど、エディオンスタジアムでのことを思い出すと――今はいない――オルティゴサのゴールで先制して、「よっしゃー」なんて心の中で思ったけれど、退場者を出した上に、佐藤寿人に7年ぶりのハットトリックを許すなど5失点で大敗。今の広島の得失点差+19(これもリーグ1位)のうち4は甲府デパートのバーゲンのよるもの。城福監督が言うように、ベストメンバーで広島に挑みたいという気持ちになってくる。第12節の甲府は4バックだったが、今はシステムも3−4−2−1と広島と同じなので、成熟度の高い広島の3−4−2−1に挑戦することも楽しみ。広島や浦和のようなダイナミックさはなかなか発揮できないが、守備の固さは発揮したい。
ただ、守っているだけでは勝点3は取れない。城福監督が「広島にどんな対策を取っても攻めないと勝点3は取れないし、攻める=広島にカウンターのチャンスを与えるということ」と、いうようにカウンターの質の高い広島相手に攻めるにはリスクが小さくない。また、「幾ら(広島の)カウンターを意識しても、(甲府の)ボールの失い方が悪ければどうしようもない。想定できない失い方を3回もやれば広島は1点は決めてくるチーム」とも城福監督がいうように、甲府の攻撃の質も問われる。戦力を普通に評価すれば広島が有利だが、台所事情の厳しさがどう広島の質に影響するのか。そう考えると08年8月の以来の勝利を広島から挙げるチャンスが、充分にあるといってもいいだろう。前節湘南から競り合いの末に挙げた勝利の自信を勢いにして、広島に挑み連勝を狙おう。
以上
2013.08.27 Reported by 松尾潤
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