リーグ戦が残り10試合となる今節、岡山はＪ２で100試合目のホームゲームを迎える。その節目に対戦するのは、現在リーグ戦4連勝中の松本。松本は8月4日の第27節・アウェイで群馬に敗れて以来、徳島戦に引き分け、その後は千葉、富山、東京V、鳥取に勝利し、５戦無敗。9月7日に行われた天皇杯2回戦では延長を含む１２０分間の戦いを制して群馬に勝利し、リーグ戦で今季、勝利を挙げられなかった群馬に対し、一応の落とし前もつけた。

岡山との前回の対戦は6月8日の第18節。この時の松本は、ＦＷ塩沢勝吾のワントップに、ＦＷ船山貴之、ＭＦ弦巻健人をシャドーにした【3-4-3】のフォーメーションで、最終ラインのＤＦ飯田真輝、ＤＦ多々良敦斗、ＤＦ川鍋良祐は、岡山のトップ・ＦＷ荒田智之を徹底的にマーク。それでも岡山は好機を作り出したが、87分ＤＦ鐡戸裕史のＦＫが決まり、敗れた。昨年からの過去3戦の勝敗は岡山の1勝２敗で、岡山はアルウィンで昨年も今年も勝てなかった。

「思うところはあるので勝ちたいです」と話すのは、昨年、松本に在籍したＦＷ久木田紳吾。久木田は、昨年は怪我のため７試合の出場に留まり、今年の松本での試合は肉離れで帯同できなかった。先週の天皇杯2回戦では左ワイドで先発出場しており、このポジションで出場した場合に想定される元チームメイト・松本のＭＦ玉林睦実とのマッチアップについて聞かれると、「がんがん走って球際が強いので、そこでまず負けないようにしないと。フィジカルコーチのエルシオさんがいて、チーム全体が、走りとパワー面でどんどん伸びているイメージ。まずそこで上回らないと」。

攻撃に積極的に絡む松本のＷＢで、現在４ゴール２アシストの玉林をはじめ、ゲームをコントロールし、第２９節・千葉戦ではミドルシュートを決めたボランチの喜山康平、７月半ばの怪我で離脱中のＭＦ弦巻健人と、岡山でプレーしていた選手が持ち味を伸ばしながら主力として活躍する様子も気になるところだが、さらに夏の補強も的確にはまったようだ。8月にＦC東京から阿部巧、ブラジル・ アヴァイFCからＦＷフェリペ　アウベス、湘南からMF岩上祐三が加入。前線に収まりどころが出来て、スピーディな攻撃の選択肢が広がっている。またトップの塩沢は９月頭の鳥取戦で2得点、翌週の天皇杯でも決勝点を挙げるなど、すこぶる調子が上がっている。

セットプレーは松本の強みのひとつだが、正確で威力のあるロングスローとキックを持つ岩上の加入により、その精度はさらに上がっている。また６月に加入した最終ラインのDF犬飼智也は清水ユース出身で、岡山・石原崇兆のひとつ下。「ヘディングが強く、足元が上手く、対応がよくてパスも繋げるので、DFとしていやな相手。思いきりプレッシャーをかけていきたい」と石原。

岡山は天皇杯２回戦（vs岐阜）で２−１で勝利は収めたものの、影山雅永監督は選手たちに対して、リードした後のゲーム運びのまずさを厳しく𠮟った。ゴールを決めたボランチの島田譲は、「松本戦では自分たちの戦い方をすることが大事だと思う。相手は上位争いをしていて、岡山との順位も近いのでタフな試合になると思う。我慢の時間も必ずあると思うが、気持ちで負けないように、勝負どころで負けないタフさが必要」と話す。

自分たちの戦いを遂行しながら勝利に導きたい、Ｊ２で最長、４年目の指揮を執る影山雅永監督と、チームを勝たせるノウハウを知る百戦錬磨の将、反町康治監督。勝利のための異なるアプローチは、残り１０試合の最初のこのゲームで、大きな見どころとなる。岡山のホームゲーム１００試合目にふさわしい好ゲームとなることは間違いない。

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2013.09.14 Reported by 尾原千明