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【J2:第34節 東京V vs 千葉】プレビュー:まだまだ諦めない!プレーオフ進出権獲得を目指し、東京Vは躍起に戦う。千葉は、森本の移籍後初ゴールなるか?(13.09.23)

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9月1日vs岐阜戦(J2第33節)、9月8日vs長崎戦(天皇杯2回戦)と、9月に入り連勝し、流れに乗っていけるかと思われた東京Vだったが、前節で下位に沈む熊本を相手に痛恨の敗戦を喫した。J1昇格プレーオフ進出圏内の6位・京都との勝点差は9へと広がってしまったが、残り9試合。まだ可能性は残されている。「可能性がある限り、絶対に諦めないで全て勝つつもりで戦う」と、三浦泰年監督も選手たちも口を揃えるが、今節含め残り9試合、その言葉をいかにピッチの上で表現し、結果に表していくか。最大の見どころであり、プレーオフ進出へのポイントとなるだろう。

その意味では、今節の対戦相手が千葉というのは、非常にいい試金石となりそうだ。というのも、千葉は現在5位とJ1昇格プレーオフ圏内に位置しているチームだからである。だがそれ以上に、千葉との対戦は毎試合、非常に緊迫した、最後まで結果の読めない好ゲームになる傾向が強いからだ。特に2010年以来、勝敗はその都度変わるが、常にお互いに得点は2点以下、1点差以下の僅差勝負が続いている。この試合も、1点を巡る激しいゲームが予想できそうだ。

となると、まず鍵となるのが守備だろう。今節は福井諒司が累積警告で出場停止となるため、顔ぶれが変わるという点でも大いに注目だ。その先発候補として最有力なのが、吉野恭平である。ぜひ、今節のキーパーソンに挙げてみたい。
「やっとです!」と、東京Vアカデミー育ちの18歳は、ついに巡ってきた出場のチャンスに気合いの入った笑顔をみせる。3バックのいずれの位置も対応可能であり、「(福井)諒司くんがイエローカード3枚になった時から、来るんじゃないかと思っていました」と、準備は万端。8月中旬に行われたU-19日本代表でのスペイン遠征で、アルクディア国際ユースサッカートーナメントに参加し、アルゼンチンなどの強豪チームと戦ってきたことや、9月12日に行われたウェスタン・シドニー・ワンダラーズFC(オーストラリア)との練習試合などで、「外国人選手への対応の仕方を学べた」と、千葉・ケンペス対策にも自信をのぞかせる。また、同大会で全試合に出場したことで、「試合に出続けることが、いかに重要かを改めて感じました」と、自チームでの出場意欲をより一層掻き立てられている。「もし先発のチャンスをもらえたら、まずはチームの勝利に貢献することが一番で、15試合続いてしまっている失点を0に抑えたい。そして、そのままスタメンをとって定着したい。僕も、簡単に譲る気はありません!」ここまで必死に練習で磨いてきたものを、存分にアピールする時が訪れそうだ。
吉野以外にも、DFの先発候補として楠美圭史、三渡洲舞人の可能性も十分あり得る。三浦監督も彼ら3人の名を挙げ、「出られない期間の思考やメンタリティ、どういうトレーニングをしてきたのかを、こういう機会に生かしてほしい。成功すれば大きな花が咲くだろうし、仮りに失敗をしても、またやり直せばいい。それができるのがサッカー。それぐらいのつもりでやればいい」と、思い切ったプレーに期待を寄せた。

また、東京Vはもう1人・西紀寛も出場停止となる。練習では、安田晃大、中後雅喜を交代で起用し、周囲との連携など様子をうかがっていたが、当日どのような選択がなされるか。どちらも調子が上がってきているだけに、出場すればそれぞれの個性を発揮するに違いない。当然、アピールして、次節以降の先発定着も視野に入れているはずである。
東京Vでは、第32節には巻誠一郎、天皇杯では関光博と、なかなか出場機会に恵まれなかった選手がそれぞれ結果を残し、チームを活性化させているという良い流れもある。「ずっと出られずに、僕たち若手と一緒に練習をしてきた巻さんがスタメンで出てすぐに結果を出したことで、自分もできるという自信が出ました。そして、僕も巻さんのように結果を出すことによって、周りにも良い効果をもたらすことができたらいいなと思います」と語った吉野はじめ、出場機会に飢えていたフレッシュなメンバーの奮闘が、最後の巻き返しの起爆剤となれるか。期待して見たい。

千葉は前節、京都に敗れ5位に後退した。先制しながらも逆転負けという、展開的にもダメージの大きな敗戦となったが、引きずっている場合ではないことは、全員がわかっているはずである。気持ちの切り替えが、この試合を迎える上でのまず最善策と言っていいだろう。
第26節からの傾向として、下位チームへの取りこぼしが目につく。J1昇格戦線を勝ち抜くためには、自分たちより下位チームからは確実に勝点を奪うことが必須である。その意味でも、今節戦う東京Vも下位に位置するだけに、必ず勝っておかなければならない相手と言えよう。

東京Vに対して脅威となるであろう存在が、現在得点王のケンペスだ。第21節の前回対戦時、エースは不在だっただけに、東京V側としても、最も警戒すべき選手として、各選手から名前が挙がる。特に吉野は「ケンペス選手を止めるというよりも、ケンペス選手にパスを出す、出しどころを抑えたい」と、182cmの長身FWに仕事をさせる前での守備の重要性を口にする。ボランチに佐藤勇人、ワイドには谷澤達也、田中佑昌と、中盤には自分で得点もできるし、好パスで味方を生かすことんできる好選手が顔を並べるだけに、止めるのは簡単ではないはず。このあたりの攻防は非常に見応えがありそうだ。

そして、この試合最大の楽しみは、何といっても森本貴幸だ。古巣である東京Vにとっては、特に警戒すべき選手とも言えるが、同時に日本に戻った彼のプレーが再び見られることを心待ちにしている東京Vサポーターは決して少なくないはずである。また、森本自身にとっても、東京V対千葉はJリーグ初ゴールを決めた記念すべきカード。感慨深いに違いない。イタリア、UAEと渡り歩いた彼が今季、日本・千葉でのプレーを選んだのは、日本代表復帰の夢があるからである。千葉に加入し、ここまで3試合はまだゴールは生まれていない。チームのJ1昇格のため、そして自身の目標のためにも、“森本らしい”プレーで、ぜひ古巣からJ復帰第1弾を決め、存在感をアピールしたい。

以上

2013.09.22 Reported by 上岡真里江
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