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【J2:第34節 松本 vs G大阪】レポート:記録に残る日に、記憶に残る熱戦。松本とG大阪、勝点1を分け合う結末(13.09.23)

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2001年にオープンとなってから、10年とちょっと。これまでアルウィンでは国際AマッチやJリーグ公式戦など幾多のゲームが開催され、幾多のドラマを生んできたが、この試合の17,148人という来場者数は、アルウィンで開催された全ての試合(公式試合はもちろん、練習試合などの非公式試合でそれ以上入ったという話を筆者は聞いたことがない)で最多の数字である。ちなみにこれまでの歴代最多の来場者数となった試合は、2006年J1第14節のF東京対鹿島の試合で17,070人である(プチトリビア)。

この記録に残る日に、このような記憶に残る熱戦が繰り広げられたことは素晴らしい。試合後の両チームの選手たちは口を揃えたように「勝ちたかった」と話したが、「これだけ多くのサポーターが後押ししてくれたのだから、その期待に応えたかった」という意味合いも多分に含んでいたように思う。特にホームの松本の選手たちは、勝点1を得たという安堵以上に勝点3を得られなかった悔しさが胸を過っているのではないか。

とはいえ、前半はシュート数を見てもいかにG大阪が試合を掌握していたか理解出来る。松本の3本に対し、G大阪は実に11本。シュートにまで至らないチャンスも含めれば、G大阪の優勢は揺るがなかった。試合開始直後、岩上祐三のCKに「チームのコンセプトとして狙っていたもの」とニアで合わせた塩沢勝吾がしてやったりの先制点をあげるものの、その後はポゼッション能力に勝るG大阪の前に走らされてしまい、ボールホルダーへのハイプレスも「かいくぐられてしまった」(塩沢)ほど。こうなると逆転も必然のもので、15分に二川孝広がGKとDFの間に出した柔らかなパスの処理に手間取った隙にロチャが押し込み、39分には中央の遠藤保仁から右サイドに走り込んだ加地亮へとパスを送ると、その折り返しをまたもロチャがダイレクトで右足を振り抜いた。こうしてG大阪ペースのまま、1点ビハインドで後半を迎える。

しかし松本の選手たちは「ハーフタイムでも気持ちは切れずに、前を向いていた」との岩上の言葉どおり、前へ出る気持ちを失ってはいなかった。更なる勇気を与えたのは48分の同点ゴールだ。岩上のロングスローを、飯田真輝が藤ヶ谷陽介の前で潰れる形でキャッチングのミスを誘うと、ボールが転がった先に走り込んだのは犬飼智也。運が味方したような形にはなったが、やるべきことをやったからこそ運もついてくる。

これで試合は振り出しに戻ると、その後は前半とは変わって松本がペースを掴み、ハイプレスも上手くはまりだし、そこからのショートカウンターが冴えた。阿部巧がレッドカードを提示されたことで、残り15分ほどを1人少ない形となったこともあり、逆転にこそ至らなかったが、川西翔太や岡崎建哉などを投入し前線をリフレッシュしたG大阪の攻撃も集中を切らすことなくシャットアウトに成功した。首位相手に演じた熱戦をこの先の収穫と出来るか、残り8試合で真価が問われることになる。

G大阪は終盤の疲労で運動量が落ち、シュートを枠から大きく外すなど、プレーの精度も不足した。試合後の反町康治監督が「G大阪には長い距離を走る選手がいない」と倉田秋の不在を例に挙げていたが、ここで強引に縦へと仕掛けるタイプの選手がいれば違うアクセントになったかもしれないが、前半に比べると迫力を欠いたのも事実だった。

以上

2013.09.23 Reported by 多岐太宿
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