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【J1:第26節 C大阪 vs 柏】レポート:5戦連続今季11度目の引き分け。過密日程の柏を攻め崩せず。(13.09.23)

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J1リーグ戦今節唯一の22日(日)開催となったC大阪と柏の一戦は、日本代表FWでもある柿谷曜一朗と工藤壮人がゴールを取り合い、結局1-1の引き分けに終わり、勝点1を分け合った。C大阪にとっては、5戦連続、かつ、今季11度目のドローゲーム。順位こそ5位をキープしたものの、前日に勝利している首位横浜FMとの勝点差は二桁の10に広がり、悲願のJ初タイトル獲得の道のりは、さらに厳しいものとなった。一方の柏は、リーグ戦での連敗を2でストップ。ACL準々決勝を戦ったサウジアラビアから帰国後すぐの試合という、タイトなスケジュールのなかでも奮闘し、日本勢唯一のACLベスト4チームの意地を見せた。

出場停止明けの酒本憲幸と前節はベンチスタートだったエジノが先発復帰。「前から(プレスに)行く練習もした」とGKキム ジンヒョンも言うように、前節の横浜FM戦のような守備的な戦いとは違い、前線からボールを取りに行くような、アグレッシブな姿勢を出して、C大阪はこの一戦への勝利を目指した。12分に杉本健勇がミドルシュートを放ってゴールを脅かすと、23分には酒本、エジノ、シンプリシオと細かくつなぎ、柿谷にシュートチャンスが訪れる。しかし、柏GK菅野孝憲の好守に阻まれ、そのリフレクションから最後は再び杉本に好機が来るが、これも枠を捉えきれない。

そこから、徐々にミスが目立ち始めたC大阪は、6週間で10試合目、ACL準々決勝第2戦からスターティングメンバーを4人入れ替えた柏に決定機を許し始める。31分に橋本和のシュートをGKキム ジンヒョンがファインセーブで止めたが、38分、先制点を献上。右サイドでのパスミスを奪われてからショートカウンターを浴びると、橋本、田中順也、澤昌克とつながれ、最後は柏のトップスコアラーである工藤に今季16点目となるゴールを決められた。

その後、しっかりブロックを固めて守る柏を攻めあぐねる場面が続いたC大阪。0-1でハーフタイムを迎えると、レヴィー クルピ監督が動く。「攻撃のパワーアップを図るという狙い」で、前半精細を欠いたエジノと山口螢に代えて、楠神順平と枝村匠馬を同時に後半開始から投入。「後半はほとんど2トップという形でやっていた」と杉本も言うように、前半2列目に置いていた20番のストライカーをより攻撃的な位置に置き、逆転を狙いに行く。

楠神のドリブル突破や、細かなパス回しで攻め込むシーンもあったC大阪だが、柏の鈴木大輔をはじめとする堅い守備陣を崩しきるまでには至らない。そこで、最後の交代カードとして、78分、ケガから復帰したばかりの丸橋祐介を起用。『レヴィーセレッソ』の攻撃サッカーの象徴となる左サイドバックを送り込んで1点を取りに行くと、83分、ようやく歓喜の時がやってくる。ペナルティーエリア中央手前へ攻め上がっていた丸橋が左足でふわっとしたパス。これを「ボールが来た瞬間、曜一朗くんが走っているのは見えた」という杉本がうまくつなぐと、ゴール左手前に走り込んでいた柿谷が、右足で流し込んだ。3万3,174人という今季ホーム最多の観衆が集った大阪長居スタジアムが、この瞬間、この試合一番の歓喜に包まれた。

この勢いに乗って、逆転を狙ったC大阪。87分には絶好の場面がやってくる。丸橋の左クロスから、ゴール前の杉本が強烈ヘディングシュート。これがポストに当たりながら入るかと思われたが、柏GK菅野がビッグセーブ。こぼれ球をシンプリシオが詰めるも、枠に押し込めず。桜色のサポーターのみならず、C大阪ベンチ、スタッフの誰もが頭を抱えた。結局このまま試合終了。5試合連続ドローという結果に、スタンドのサポーターからはブーイングも浴びせられた。

「自分が結果を出さないと、上にはいけないという気持ちでやっている分、自分に腹立たしく思う」。杉本は悔しさを露わにしていた。それでも、特に後半はC大阪らしい多彩な攻撃の形が見えていただけに、「ああいうのを最初からやれるように、やっていかないといけない」と山下達也も言うように、一気呵成に攻め込むC大阪のサッカーを、次節以降はさらに発揮して、勝利をつかみたいものだ。その思いを胸に、桜色のイレブンはスタジアムを後にしていた。

一方、「我々にとっては予想通り、非常にハードな試合になった」というのは柏のネルシーニョ監督。「そのハードな状況のなか、落とすことなく、最後まで非常に走って戦ってくれたゲームになった。今日は(前回から先発を)4人を代えて臨んだが、グラウンドに入った全員が生産性を高く、最後まで戦う姿勢を貫き通してくれた」と、過密日程のなかでも頑張り抜き、勝点をもぎとったイレブンを称えていた。この3日後には、すぐにホームでの大一番、ACL準決勝第1戦が待っている。苦しいアウェイ連戦でも負けずに戦うなどタフさも兼ね備える、Jクラブ期待のACL勝ち残りチームが、聖地、日立台でさらなる輝きを見せ、アジアの頂点へと登り詰めることを願ってやまない。

以上

2013.09.23 Reported by 前田敏勝
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