過去、1点を争うロースコアの接戦が続いていた愛媛と横浜FCのカードだが、やはり今回の対戦も1点が勝敗の分かれ目となる我慢比べになった。立ち上がりから横浜FCの動きが重く、ビルドアップでミスも続く。それを愛媛は逃さず、横浜FCのゴールに迫る展開が続いた。
そして、前半20分を過ぎたところで愛媛が立て続けにビッグチャンスを迎える。まずは、浦田延尚の縦パスから一気にスピードアップ。河原和寿、加藤大と素早くつなぎ最後は重松健太郎がシュートを放つ。前線3人がゴールまでスピードを落とさず流れるようなコンビネーションだったが、横浜FCは中島崇典が体を投げ出し、GKシュナイダー潤之介がキャッチ。その2分後に愛媛は吉村圭司が高い位置で奪ってそのままミドルシュートを放ったが、今度はシュナイダーがファインセーブ。
愛媛が好機を逃した一方で、横浜FCは直後に先制点を奪った。前半26分、パトリックからのパスを受けた寺田紳一が思い切り良く右足一閃。ペナルティエリアの外から放たれた無回転のシュートにGK秋元陽太も反応できず、愛媛は先制点を奪われた。
チャンスを生かせなかった愛媛と、しっかりとものにした横浜FC。先制点の場面で寺田の前に立った吉村が、あと半歩寄せることができればシュートブロックができたかもしれない。一方で、愛媛は前半20分のチャンスであと半歩、重松が中島の前に抜け出せれば先制点を奪えていたかもしれない。しかし決して愛媛は2人だけに問題があったわけではなく、失点の直後にもビッグチャンスを迎えかけていた。前半29分、高い位置で横浜FCのパスミスを拾った愛媛は吉村が河原にラストパス。抜ければ河原はGKと1対1の場面になっていたが、横浜FCは中島が足を伸ばしてかろうじてコーナーキックに逃れた。これに関してはむしろ、横浜FCの粘り強い対応を褒めるべきだろう。
さらに後半に入っても、愛媛が攻めて横浜FCが守るという構図が続いた。そして愛媛は前後半を通じて横浜FCの倍、14本のシュートを放ったが無得点に終わった。その14本が実らなかった要因として、先のように横浜FCの守備陣を称えるべきシーンも多い。しかし「ここで逆サイドに振られるとやられる、という場面も何度かあった」とシュナイダーが振り返った場面で愛媛はその逆サイドを突くことができず、チャンスを膨らませることができなかった。狭い局面で短いパスが繋がることはあったが、それだけでは相手の守備は崩せない。もっとピッチの幅を使った展開も必要だった。
しかし、それよりもこの試合を分けたのはフィニッシュの精度。横浜FCは悪い内容ながら、ワンプレーで勝負を決めた。試合を決める、その力が足りなかった愛媛の選手たち。これを簡単に改善することはできないかもしれないが、そこから目をそらすことはできない。リーグ戦も残り8試合、残留争いから抜け切れない状況は続く。しかし、1人ひとりが課題をクリアするために今まで以上にトレーニングで努力を、試合では果敢にチャレンジすることを続けなければ、順位を上げるどころかより危険な位置に順位を下げる結果になりかねない。
以上
2013.09.24 Reported by 近藤義博
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