J1の仙台と、J2の水戸が、ユアテックスタジアム仙台で再会する。J2の場で何度も対戦してきた両者が公式戦で出会うのは、2009年のJ2第48節以来のこと。この試合では仙台が4-0で勝利し、J1昇格を内定させた。
あれから約4年。両者は、それぞれの所属するリーグで自分達のスタイルを磨いてきた。また、両チームとも2011年3月11日に発生した東日本大震災によってホームタウンが大きな被害を受けたが、それから2年7ヶ月が経った今も続く復興への長い道で、どちらも地域にとって大きな役割を果たしている。
J2での対戦成績では仙台が大きく上回るが、天皇杯においては第79回大会の1999年12月5日、当時JFLだった水戸がJ2だった仙台を破っていた。どちらも油断禁物である。
選手個々の単位でも、いろいろな再会があり、縁がある。仙台の柳沢敦と水戸の鈴木隆行は鹿島や日本代表でコンビを組んできたFW。仙台の渡辺広大は水戸の橋本晃司と「高校選抜でチームメートだった」(本人談)という。仙台の林卓人は2007年途中に加入し、J2第32節の水戸戦で仙台の一員としてのデビューを飾った。水戸のベテラン本間幸司は前述の1999年の天皇杯のときもゴールを守っており、今までに何度仙台のシュートを止めたか分かったものではない。仙台の石川大徳は2008年の水戸所属時に、水戸の細川淳矢は2006年の仙台所属時に、それぞれJFA・Jリーグ特別指定選手としてJデビューを果たした。挙げていけばきりがない。
そんな両者が2013年版ともいえる姿で戦う。「向こうのモチベーションは高く、立ち上がりから全力でくるはず。受け身にならず、我々の磨いてきたサッカーをピッチで出したい」とは、J2時代の対戦を知る渡辺。今季の仙台はJ1の場で攻撃のバリエーション増加と攻撃力アップをはかるも、なかなか成果が出ず苦しむことも多々あった。しかしサイドと中央を臨機応変に使い分けるかたちは、けが人が多く復帰したこの終盤戦で徐々に実を結びつつある。梁勇基を中心としたパスと飛び出しの連動は、特に切れ味が鋭い。
10月10日には、手倉森誠監督がU-21日本代表監督就任にともない、今季限りで仙台監督を退任することが発表された。「来年1月1日まで仙台の仕事をするつもり」という指揮官のもと、初の天皇杯優勝に向けて士気は高い。
その仙台を倒すためにこれまた士気の高い水戸は、4-4-2と3-6-1を併用して相手のスペースを狙う。仙台の赤嶺真吾が「鈴木隆行さんが強さを生かしてボールをおさめ、そこから分厚い攻撃をしかけてくる」と分析する攻撃の連続性が、仙台の固い中央の守備を破るカギとなる。元仙台の細川も、古巣相手に発奮するだろう。
勝負のポイントのひとつは、両チームとも中盤でのパスワークをいかにして引っかけるか、というところにある。互いに相手がボールを細かくつなごうとしたときに、プレッシャーで相手陣内に押しこんで、自分達にとっては高い位置でカットしたい―――守備から攻撃への切り替えが速い両チームは、この目的を達成できればゴールのチャンスが大きく広がる。パスミスに対してナーバスになりやすい、この一発勝負の大会なら尚更だ。
仙台は2007年のJ2第24節で水戸相手にJ初ゴールを決めた富田晋伍が、水戸は売り出し中の若き内田航平が、それぞれ中盤でのカットから攻撃への切り替えにおいて中心的役割を果たすことになりそうだ。この二人を中心とした選手間の距離、そして人とともに交差するパスの行方に注目したい。
仙台と水戸の戦いに新しい一頁を加えるこの試合。一発勝負ならではの緊張感と、スタジアムでの再会とを楽しめる試合になることを期待したい。
以上
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現在(12日13:47時点)の状況は、仙台 8,509票 vs 3,406票 水戸
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2013.10.12 Reported by 板垣晴朗
J’s GOALニュース
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