千葉は勝てばJ1昇格プレーオフ進出が決まり、栃木は勝たなければJ1昇格プレーオフ進出が非常に厳しくなる一戦。前半は千葉ペース、後半はやや栃木ペースという激戦だったが、両チームともペースを握った時に1点しか取れず、どちらも勝ちきれなかった。
立ち上がりに前節との違いを見せたのは千葉。連敗だった直近2試合の戦いぶりから「試合前にシュートが少ないという話があったし、自分でもそう思っていた」という兵働昭弘が試合開始わずか20秒、こぼれ球を拾うと遠目からミドルシュートを打った。千葉は試合を通してゴールが見えたら積極果敢にシュートを打ち、得点を狙った。一方の栃木もシュートへの意識は高く、6分には粘ってボールを保持した近藤祐介からパスを受けたクリスティアーノが強烈なミドルシュート。これは千葉のGKの岡本昌弘の好守に阻まれたが、両チームを通じて最初の得点機を作った。
だが、8分、千葉が最初の決定機をモノにする。キム ヒョヌンのパスを受けた米倉恒貴がクロス。左サイドハーフの田中佑昌が逆サイドへダイアゴナルランを見せ、クロスにニアサイドで右足のボレーで合わせて先制点を奪った。栃木は誰も田中の動きについて行けず、マークが外れてしまった。
栃木は前節のセットプレーからの2失点の反省からか、今節はセットプレー時の守り方をゾーンからマンツーマンに変更。これが奏功したか、千葉のセットプレーで栃木がヒヤリとしたのは、16分にCKからキム ヒョヌンが右足で合わせてボールがゴールポストの横と、48分の兵働昭弘の直接FKを栃木のGK柴崎邦博がセーブした場面ぐらいだろうか。また、例えば左サイドバックの菅和範から右サイドへ、右サイド寄りの位置からパウリーニョが左サイドへという大きな一発のパスでのサイドチェンジでの局面の打開は、今の栃木らしさの継続。だが、前半は持ち味の前線からのプレッシャーの迫力がいつもよりも不足して球際での勝負でも勝ちきれず、それが前半の千葉ペースを生み出した一因となった。
千葉は悪い状態の時には無駄な横パスが多く、勝負の縦パスが少なかった。だが、今節はピッチコンディションを考慮し、栃木のボール奪取からのカウンター攻撃を警戒してシンプルにロングパスを前へ入れた。浮き球のパスで相手の背後を狙うだけでなく、66分、68分には栃木のセンターバックの間のスペースのゴール前中央へ田中が抜け出すところにグラウンダーのスルーパスが出るシーンもあった。だが、縦に速い栃木のハイペースに合わせてしまいがちで、効果的なサイドチェンジが少ない。それもあって後半は球際の勝負でも反撃を仕掛けた栃木に中盤でボールを奪われるようになった。
また、今季の千葉は高いディフェンスラインの背後を突かれた失点が多いが、今節も53分に栃木のクリスティアーノのパスからサビアに背後へ飛び出され、うまくシュート決められて失点。終盤にはカウンター攻撃の応酬となったが、どちらも決定力を欠いて追加点を奪うには至らなかった。
試合が17時キックオフだった6位の徳島は引き分けて栃木と勝点差4のため、栃木のJ1昇格プレーオフ進出の可能性は消えた。追加点が取れていればというのもあるが、前半に得意のハイプレスが機能せず、ファーストディフェンスの甘さが出ての失点が痛かった。
前半は前からはめていく守備が機能した千葉だが、隙を突かれての失点は防ぎたかったし、あの形の失点を防ぐための改善はまだ途上。また、以前に山口智が話していたが、千葉は何か修正を図るとその修正方向にプレーが傾きがちだ。今節は縦への勝負の仕掛けは増えて無駄な横パスは減ったが、必要な横へのボールの動かしまで減って攻撃が単調気味になった。決定機数は栃木を上回りながらも決定力不足で得点は1点だけというのも残念。最終節は柔軟性と対応力のある攻守で勝ち、J1昇格プレーオフ進出を果たしてほしい。
以上
2013.11.18 Reported by 赤沼圭子
J’s GOALニュース
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