2013シーズン最後のホームゲームを戦い終え、東京Vの三浦泰年監督は「今シーズンは、今日のスコアが象徴するような試合が非常に多かった」と、振り返った。「先に1点を取ったあと、追加点が取れれば決められる試合をいくつか引き分けたり」まさに言葉通りの展開となった。
出場停止、ケガ人の影響もあり、今節は関光博が8試合ぶり、前田直輝が19試合ぶり、ケガ明け初めて初先発。そして、吉野恭平をアンカーとして初の先発起用と、これまでとはメンバーを大きく入れ替え、若手主体で挑んだ。「ベテランがいない中、自分たちの力を試されると思っていました」小池純輝が語るように、与えられた出場機会の中、きっちりと結果を出そうとする思いは伝わってきた。そして、その気持ちが結実した。
前半15分、前田とのパス交換から、関が精力的にドリブル突破し、ペナルティエリア内右のゴールラインギリギリの角度のないところから右足を振り抜いた。「本当は中に(パスを)出そうと思ったのですが、人もいなかったし、相手のGKも出ていたので思い切って打ちました」徳島DFもゴール前を固めたが、足に当たってコースが変わり、ボールはゴールへと吸い込まれていった。
前節で今季のJ1昇格の可能性は失せてはしまったが、「アウェイまで来て応援してくれるサポーターのためにも、最後まで全力で戦い続けるのが僕たちの使命」(関)、「やることに変わりはありません。今年J1に行けないからといって選手を辞めるわけではないので、プロとして、男として来年につながるようにしっかりと最後まで戦います」(前田)強い気持ちをもった2人によって生まれた先制弾によって、「相手がプレーオフがかかった中でやる、ちょっとした圧力をうまく使って自分たちがサッカーをできれば」との指揮官の思惑通りの試合に持ち込む大チャンスとなった。だが、流れを一気につかんで畳み掛けたいところが、その後なかなかリズムをつかめず、冒頭の指揮官の言葉どおり、今季何度も課題として挙げられてきた、「追加点を取る」ことができなかった。すると前半34分、「個の力に気をつけたい」と、試合前からGK佐藤優也が警戒を口にしていたが、その筆頭であったドウグラスに決められ、同点となった。
後半、東京Vは4-2-3-1へとシステムを変えて臨み「スムーズにボールが回るようになった」(小池)。しかし、前半同様シュート数2本と、チャンスらしいチャンスは作れず、結局1-1のままホーム最終戦を終えた。
この勝点1がよけいに無念だったのが徳島だろう。勝っていれば、J1昇格プレーオフ進出をほぼ手中に収めていたはずだ。ただ、それがゆえに三浦監督が推測したように、「ちょっとした心理的圧力」は存在したのかもしれない。小林伸二監督も「今日はやっぱり、大事にゲームをするがために少し重くて」と、話した。
だが、その一方では、「この勝点1は大きいです。次、勝てばいいので」(那須川将大)と、ポジティブに捉えている選手も少なくない。この試合自体を振り返っても、「決して内容は悪くなかった」(濱田武)結果以上に手応えを掴んだ部分はあるようだ。
その中で、悔しさをにじませたがのFW津田知宏だった。FWとして、8試合連続得点なしは、やはり不本意そのものだろう。「責任感というか、しっくりはきてない」表情は硬かった。それでも、「裏をケアして引いてくる相手が多いけど、全体としてはボールは回せてる」と、チーム全体としての手応えは感じているという。あとは、「仕留めるところ。コンビネーションとか崩しのところの、精度というよりもアイデアをもっと増やせれば」。プレーオフでの戦いも視野に入れつつ、「ゴールをとって自信をつけたい」。
徳島は、最終節で勝てば、自動的にプレーオフ進出が決まる。「絶対に勝ってプレーオフに行きます」(濱田、那須川)自力での悲願達成を誓っていた。
以上
2013.11.18 Reported by 上岡真里江













