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[ 2005 ゆく年くる年:湘南ベルマーレ ] 大晦日の平塚競技場
過去2年、10位に甘んじてきたチームを鑑みれば、7位という成績は進化の証といえる。がしかし、最終戦を落とせば10位の可能性もあった訳だから、「滑り込んだ」という印象もまた拭えない。
シーズン中、「ベクトル」という言葉を折に触れて耳にした。「ベクトルの違い」「ベクトルのズレ」等々。このニュアンスは非常に感覚的なもので、外から見聞きするだけではおそらくきちんと理解することは適わない。そこには考え方の違いもあるだろうし、プレーはもちろん生活面も含めたスタイルの違いもあるだろうし、突き詰めれば個性を育てたこれまでの歴史にまで遡ることにもなるだろう。多彩な個性が集まってひとつのチームで戦うということはすなわち、さまざまな道のりを経た個性の擦り合わせともいえる。歩み寄り、時にはぶつかりながら理解を深め、相互に補完しあって一丸となる。その結実のひとつが勝利であり、積み重ねた先に「昇格」がある。
今シーズン、上田栄治監督はポジションチェンジなど改革を進め、補強も重ねた。ピッチ上のさまざまな試行錯誤は時に迷走に映り、実際にチームの推進力に陰りを感じる場面があったことも否めない。それがいつしか「ベクトル」という言葉に転化された。だが立ち返ってみれば、指揮官の試みも選手たちの試行錯誤もすべて昇格を期したうえでのもので、ベクトルの向かう先に揺らぎはない。共有する目標には褪せる理由も、褪せる余地すらない筈だ。逆に言えば、「昇格」というシンプルなキーワードこそがベクトルをひとつに束ねる源となる。
昇格を決めた3チームのいずれにも当てはまるのは、「徹底」だった。4度顔を合わせ互いの研究が進んでも彼らのベクトルは揺るがず、また研究をも打ち砕く強度を根底に備えていた。背景には熟成した相互理解があり、沈んだ際に戻るべき土台があり、またそれらを築きあげるために必要な時間があった。転じて湘南にとっての今シーズンの試行錯誤は、昇格への布石である。そしてシーズンの終了とともに布石の段階は終った。2年目の来季、上田湘南にとって真の意味での戦いが待っている。(text by 隈元大吾)2005年12月31日(土)
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