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[ 2005 ゆく年くる年:サンフレッチェ広島 ] 大晦日の広島ビッグアーチ
広島は、間違いなく強くなった。胸を張って、そう言っていい。
順位は昨年の12位から7位へとステップアップし、一時は2位まで浮上した。得点力も1試合平均1.47(7位)と昨年より20%上積みし、平均失点も昨年比で10%も減らしている(7位)。
よくなったのは、数字だけではない。美しいダイレクトパスの軌跡を描いてスピーディにゴールに向かう様は、各方面で賞賛された。日本人得点王となった佐藤寿人や日本代表に選出された駒野友一、キャプテンとしてチームをまとめた森崎和幸など「アテネ世代」がチームの中心になり、「ロスタイム勝ち越しゴール」を2度叩き込んだFW前田俊介をはじめとする「北京世代」も台頭してくるなど、若い力が伸びてきてくれたこともうれしい。
一方で、もちろん課題もある。それは、試合運びのまずさだ。例えば24節の浦和戦は2度も同点に追いつきながらその都度突き放され、14節のG大阪戦は同点に追いついた後、ロスタイムで失点して敗れた。先制された7試合中、引き分けたのは開幕戦の清水戦のみ。あとはすべて敗れている。
だが、こういうデータもある。実は今季の広島は、34試合中23試合で先制している。これは鹿島と並んでリーグトップの数字だ。しかしそのうちの7試合を引き分け、3試合で逆転負けを喫している。広島の先制点勝率(.565)がもし大宮並み(.727)だったなら、広島は勝ち点8〜11程度上積みし、優勝争いに参入できた。浦和並み(.938※リーグ1位)だったら、栄冠は広島のものだったのだ。
昨年の先制点勝率が.357という低調さだったことを考えると成長してはいるが、それでもリーグ13位の低率。先制した試合をしっかりと勝利し、先制されても下を向かずに追いついて勝ち点をものにするしたたかさを身につけること。この課題をクリアするのは言葉ほど簡単ではないが、それができれば栄冠は手の届くところに見えてくるはずだ。(text by 中野和也)2005年12月31日(土)
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