宮崎県西都市でキャンプ中の大宮アルディージャ。

　既にキャンプ3日目にして仙台との練習試合を行い、この後も１４日〜１６日までガンバ大阪・ジェフ市原・サンフレッチェ広島とJ1チームとの練習試合が連続で組まれている。

　他に類を見ないスケジュールの背景には、メンバーの大幅な入れ替えがある。新生アルディージャの土台を作るうえでもこのキャンプは大きなウェートを占める。実践を通して個々の能力を判断し、システムを徐々に組み立てていくという。

　一昨年の引き分け数の多さから昨季はFWを強化したが、逆にDFが崩壊するという悪循環となってしまった。そこで、今年大宮が掲げたスローガンは「2004チャレンジ！〜ゼロからの挑戦〜」。原点に立ち返り、本来の堅いディフェンスに基づいたサッカーを目指す。

　新生アルディージャの指揮を執るのは三浦監督。実に3年ぶりの復帰となる。「大きく選手が入れ替わり、現在は個性的な選手が多い。どうコンビネーションを組ませるのかが楽しみ」と今季のチームの可能性を語る。また、「1999年のチームのようにDFがしぶとく守ってからの攻撃スタイルを、現在のチームでも目指したい」と原点を知る監督のノウハウに期待がかかる。

　初来日した時の監督が、三浦監督だったバレー選手は「監督からは来日時からいろんな事を吸収した。非常にサッカーに対してポテンシャルの高い人で、選手の能力を引き出すのが上手い。今年も自分の能力を最大限引き出してくれると思う」と絶大な信頼を寄せている。

「キャンプで様々なコンビネーションを試したい」という監督のもと、キャンプインしてから4日目だというのに、9対9の紅白戦では激しいプレッシャーがみられるなど、選手個人の仕上がり具合も順調だ。

　今日の午後練習は急遽オフとなった。「これから怒涛の練習試合があるから、今のうちに休んでおかないとね・・・」とチーム関係者。午後は「温泉号」と「ショッピング号」の2手に分かれてつかの間の休日を楽しむとの事。

　大きな変革の時を迎えた大宮アルディージャ。開幕時には実践練習で身につけた感覚と自信がチームを勝利へと導くに違いない。


2004.2.14 Reported by 柴田愛子