グアム島の中央部の丘陵にあるレオパレスリゾート・マネンガンヒルズ・グアム。東京ヴェルディ１９６９は、日本を離れ、美しい緑に囲まれキャンプをしている。

「ここはすべての面でいいですね。バスに乗ったりしての移動なしですべてがこの中にそろっているので、時間のロスがとにかく少ない。環境によってはせっかくキャンプをしても、移動だけに２時間も費やしたりしてしまう場合もあるでしょう？ここはすべて歩いて移動できる環境にあるんですよ。ピッチも充実しているし、ジムもある。食事も充実しているし、言うことないですよ。あ！それからカラオケもあるしね。私はアルゼンチンのカラオケチャンピオンだからね」と周囲を笑わせた。
それくらいアルディレス監督もこの施設に大満足している。
（実際にはキャンプ中、監督がカラオケを歌ったわけではありません）

　サッカーグラウンドは２面、野球場２面、ソフトボール場、テニスコート、プール、、フィットネスジム、そしてゴルフコースまで・・、その広さは、東京ディズニーランドとディズニーシーをあわせた面積のほぼ２倍もあるとのこと。その中に、数々の宿泊施設が完備されている。

　キャンプ６日目の２月１４日、このキャンプ２度目となる練習試合が行われた。地元グアムの選抜チーム（グアム代表とユースチーム）との対戦。ヴェルディは若手中心のメンバーをくんだ。今日は開始早々激しい雨が降る中の試合となり、プレーしずらいコンディションとなった。

　「このキャンプ中に、全員に試合に出てほしかった。若い選手にも出てほしかった。彼らの試合に対する姿勢もみたかったしね」と理由を話すアルディレス監督。「立ちあがりから真剣にやってくれたので前半で、試合をきめてくれたね。全員良かったと思いますよ、今日とても良かった。」と終始笑顔。

　結果は、前半４−０、後半２−０、６−０での圧勝だった。玉乃、小林大悟、相馬など、それぞれが自分の持ち味をアピールした。中でも、練習生の清水選手のわずか１５分間でのハットトリック、そして新加入のウーゴ選手が途中投入後、得点を決めたことがチーム関係者の顔を緩ませた。

　後半２１分から途中投入され、トップ下でプレーしたウーゴ選手は、「ドリブルとスピードに乗って相手に向かっていく・・・」これが持ち味の２３歳。その言葉の通り、試合中も、若干足をいためているにもかかわらず、そのスピードと存在感は群を抜いている。「チームでタイトルをとり、日本のチャンピオンになることが今の目標です。ヴェルディは若い選手が多く、ゲームをこなすごとに成長していくチームだと感じています。合流してすぐ、まとまっているチームだと感じました。これはビッグクラブに必要な要素だと思います。」と落ち着いた様子で話す。

「彼は観客を楽しませる選手になってくれると思う。若いしこれからが楽しみだ。今日も足の具合を考えて、リスクをおかさずにと思い途中からにしたが、短い時間で非常に活躍してくれた。いい補強ができたと思いましたよ。」と監督のウーゴ選手への期待も高まっている。

　昨シーズン途中アルディレス体制になり、そこから急激に上昇ムードの東京ヴェルディ１９６９。ヴェルディを知り尽くすベテランたちに、今日の試合でも強烈なアピールを見せた若手や新加入選手たち、そして何より名将アルディレス。

　キャンプ始まってからここまでの経過、「問題はなにひとつない。あるとしたら雨がよく降ることくらいだね。」指揮官のこの言葉と笑顔が、今シーズンの何かを予感させた。


2004.2.14 Reported by 日々野真理