【FCBARCELONA ON TOUR JAPAN 2004】
8月4日（水）18:30キックオフ/静岡　磐田 vs FCバルセロナ
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スペイン・カタルーニャ地方の名門、FCバルセロナが12年ぶりに来日。そして、鹿島、磐田というJリーグの2大チームと対戦するということで、大きな注目を集めている今回の遠征。鹿島を5-0で破ったバルサ（FCバルセロナの略称）の素晴らしいパフォーマンスもあって、磐田戦への期待はさらに高まっている。

ヨーロッパ・サッカーのファンならご存じの通り、FCバルセロナは、リーガ・エスパニョーラ優勝16回、スペイン国王杯優勝24回という名門チーム。銀河系軍団レアルマドリードと並ぶスペインの2大クラブで、1999年のリーグ優勝以来タイトルから遠ざかっているものの、昨年ライカールト監督が就任し、ロナウジーニョ、ダービッツらを獲得してシーズン途中からチーム力が急速にアップし、最終的にはレアルを逆転してリーグ2位という結果を残した。そして今年は、さらに積極的なチームの再構築を敢行し、タイトル獲得に向けて大きな意欲を見せている。

今年のバルサは、クライファート、オーフェルマルス、コクー、ライツィハーら長くこのチームを支えてきたオランダ勢を放出し、レンタルだったダービッツとも契約延長には至らず、ベテランのルイス・エンリケもチームを去った。その代わり、昨季のUEFAチャンピオンズリーグ決勝を戦ったポルトとモナコから、それぞれ中心選手のデコとジィウリー（ジュリー）を獲得し、EURO2004で活躍したスウェーデンのストライカー、ラーション、リヨンのDFエジミウソン、セルタのDFシルビーニョ、ビジャレアルのベレッティらも加えて、今後さらにストライカーの補強も目指しているという。

ただ、その中でもやはりチームの中心となるのは、今や「世界一のテクニシャン」と言われるブラジル代表ロナウジーニョ。昨季パリからバルセロナに移籍して、スペクタクルなサッカーを好むバルサ・サポーターを瞬く間に魅了し、1日の鹿島戦でも華麗なテクニックで日本のサッカーファンに強烈なインパクトを与えた。鹿島戦の後には「今回、日本でこれだけのファンの人たちに応援してもらえて非常に気持ちよかった」と語っており、サービス精神旺盛な選手でもあるだけに、磐田戦でもスタジアムを盛り上げれば盛り上げるほど、魅せるプレーを披露してくれるはずだ。

一方の磐田は、アジアカップとアテネ五輪で、藤田、田中、福西、西（以上日本代表）、菊地（五輪代表）の5人を欠いており、その形で戦った最近のナビスコカップ2試合はどちらも引き分けに終わって、8年ぶりにナビスコカップの8強入りを逃している。1stステージ終盤に下降線を描いたチーム状態から、まだ完全に復活しているとは言い難い中での主力を欠いたバルサ戦。客観的に見れば、苦戦は必至という状況だが、この試合は選手たちも楽しみにしていたゲームで、完全にチャレンジャーの気持ちで戦うことができる。また、桑原監督も「チーム全体で強い意志を持つこと」を選手たちに要求しており、全力で無心に相手に向かっていけるはず。こうなったときの磐田は、中山隊長を筆頭にバルサといえども侮れない力を発揮する可能性が十分にある。
あとは、鹿島が翻弄されたバルサのスピードに、どれだけついていけるかがポイントになりそうだが、このあたりは磐田の2ndステージを占う意味でも、注目して見てみたい。

日本のバルサ・ファンにとっては待ちに待った最高のプレゼントとなり、世界を目指すというスローガンを常に掲げている磐田にとっても、最高の腕試しとなる一戦。これを見逃す手はない！

2004.08.03 Reported by 前島芳雄

以上