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【J2:第26節 湘南 vs 札幌 レポート】今季3度目の対戦も引き分け。勝負は第4クールに持ち越し。(04.08.09)

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8月8日(日) 2004 J2リーグ戦 第26節
湘南 1 - 1 札幌 (19:00/平塚/5,233人)
得点者:'0 清野智秋(札幌)、'54 佐野裕哉(湘南)

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あっという間の出来事だった。湘南のキックオフで始まったこの試合、左サイドから攻め込んだ湘南のボールを奪った札幌はそこから素早くパスを繋ぎ、またたく間に相手陣内へと展開する。立ち上がり、しかも素早い反撃に、湘南の守備は落ち着かない。最終ラインが戻りきらないうちに、札幌は砂川が上げたセンタリングを堀井が落とし、走り込んだ清野が豪快にボレーシュートを決めた。時計の針はまだ1分にも届いていなかった。

いきなりビハインドを背負った湘南だが、ボールを手にしてもなかなかリズムを掴めない。昨年から取り組んでいる「ワイドにパスを回す」サッカーも、攻撃は右サイドに偏り、決定的な場面をつくりだすことができなかった。

対照的に札幌は先制して、そのまま波に乗る。両サイドがスピードに乗ったドリブルで駆け上がり、ボランチが中から押し上げる。再三にわたりスペースにパスを出し、そこに清野をはじめとする攻撃陣が猛然と走り込むサッカーは、スピーディーで躍動感に溢れていた。ボールを奪われてもそのまま高い位置からプレスをかけるため、湘南にカウンターを許さない。結局、札幌が終始優位に立ちながら前半を終えた。

「慣れないポジションということもあって正直、自分としてももどかしさがあった」(湘南:高田保則選手)

この日、本来の2トップの位置ではなく右サイドに入った湘南の高田は前半、持ち前の豊富な運動量を活かしチャンスメイクに徹した。だがなかなかシュートシーンには至らない。苛立ちが残り45分の彼の考え方を変えた。「もっと中に切れ込もう」と。

後半に入り、高田はボールを持つと積極的に中へとドリブルを試み、ワンツーを決め、自らシュートも放った。この一連のプレーが、停滞していた湘南にリズムをもたらす。札幌の足が止まったこともあり、前半に相手がやっていたサッカーのお株を奪うスピーディーなパス回しを見せ、徐々に流れを引き寄せる。そして後半9分、湘南は城定からのセンタリングをファーサイドに走り込んだ佐野がヘッドで決め、同点に追いついた。

その後は両チームとも一進一退の攻防を見せる。ゴールキーパーと1対1の場面をつくるなど決定的なチャンスは演出するものの、体を張ったディフェンスで互いに譲らない。結局、今シーズン3回目の対戦もドローに終わり、決着は第4クールにおあずけとなった。

試合後、柳下監督は「自分たちのサッカーが90分間続かない」と語った。それは第1クールでも聞かれた言葉だ。また望月監督の「立ち上がりにうまく試合に入ることができない」とは今シーズン、山田前監督がよく口にしていたセリフである。ともに目指す先は見えていながら、結果に結びつかない。試合終了のホイッスルと同時にその場でうなだれた両チームの選手たちの姿が、そのもどかしさを表していた。

以上

2004.8.9 Reported by 隈元大吾
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