8月8日(日) 2004 J2リーグ戦 第26節
大宮 1 - 0 鳥栖 (18:34/大宮/4,804人)
得点者:'85 島田裕介(大宮)
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「負けたときこそ寛容にモチベーションを高めることが大切だと思う」
鳥栖戦後の三浦監督(大宮)のコメントである。
大宮は、前節で3位の甲府との対戦に0-3で敗れ、2位の座を明け渡すという経験をした。前半を0-1のビハインドで折り返し、最後には3点差をつけられての敗戦。だが、三浦監督は「そんなときこそ、負けたからこその修正点が見つけられる」と冷静に分析。この鳥栖戦は引いてくることが分かっている相手に対し先制点を取ること、サイドからクロスを上げてこぼれ球で勝負、と戦い方を明確に掲げ臨むことになった。
しかし、今季既に2試合を戦い、鳥栖=(イコール)マンマークの意識が強くなり過ぎたたためか、前節の3失点の記憶がよみがえるからなのか、鳥栖のしつこいマンマークの罠にはまってしまう。前半左サイドで再三チャンスを作ったMF久永でさえ「マンマークを外すことに集中し過ぎて、後ろからボールの出しどころがないと言われました」と、選手間でも指摘し合うほど明らかに、端から見ると焦りにさえ見えるほどに、攻撃陣は鳥栖のマンマークを外すための細かな動きを繰り返す。トゥットにいたっては「何をナーバスになっているんだ?」とトニーニョに声をかけられるほど動き回った。
逆に、鳥栖は相変わらずの堅守がこの日は功を奏した。「J2でもトップクラスの2トップに決定的な仕事をさせなかった」(鳥栖:松本監督)と自信を深めた様子。もっとも「この日からディフェンスをマンマークとゾーンの併用に変更した」鳥栖ではあるが、やはりしつこく食い付いてくるディフェンダーのマンマークの印象が強い。攻撃に関しても「大宮よりチャンスをつかんでいる」と監督は言うがシュート数は大宮の13に対し6。後半27分に途中交代で出場したFW田代にしても、決定的な仕事をしたとは言いがたい。
試合は、後半早くに3枚のカードを使い切った三浦監督の作戦勝ち。後半14分「先発でも交代でも貴重な選手」と監督が言う斉藤を氏家に代えて投入。22分には久永から島田へ、27分にはバレーから森田へ交代。得点もその交代選手から決まった。後半40分、森田が得たフリーキックを島田が決め、そのまま1-0で大宮が勝利した。
「90分トータルの戦いで苦しかった」と久永が振り返るように、勝った大宮の中でもこの勝利を手放しに喜ぶ選手はいなかった。この日得点のなかったバレーも「仲間の得点を素直に喜びたい」というものの「サッカーはこういうものだが、得点できないのは何かしら問題があるからだ」と反省を忘れない。
冒頭に挙げた三浦監督のコメントには実は前置きがある。
「勝ったときこそ厳しく振り返り…」というくだりが付くのだ。
J1昇格という明確な目標を掲げ「この先は引いて守ってくる相手が(鳥栖だけでなく)もっと増えるだろう。そんな時にいかに先制しディフェンスラインをおびき出すかが課題だ」(大宮:三浦監督)とシーズン後半の長い期間を通しての課題も持っている。
奇しくも2位甲府が福岡に破れた。大宮はこの日の勝ち点3を加えて、勝ち点42で再び2位に浮上することになった。「既に20試合以上戦っているので、自分たちの戦い方はわかっている」(バレー選手)と言い切れるほど自信を持った選手たちと、勝敗によって手綱を引き分けられる監督を擁する大宮。昇格戦線を独走する川崎Fを追撃する大本命かもしれない。
以上
2004.8.9 Reported by 了戒美子
J’s GOALニュース
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