8月11日(水) 2004 J2リーグ戦 第27節
横浜FC 0 - 1 甲府 (19:00/三ツ沢/3,209人)
得点者:'73 長谷川太郎(甲府)
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当たり前のことだがサッカーに判定勝ちはない。
シュート数、17対6。この数字で分かる通り、試合は終始横浜FCがペースを握っていた。いや握っていたように見えただけかもしれない。実際に試合の流れを読み勝利をものにしたのは甲府であったことは、偶然が呼んだ産物とは思えないものがあった。
夏場の連戦が続くJ2。横浜FCのリトバルスキー監督は2トップに小野(信)と大久保を起用。不調の城、眞中(靖)をスタメンから外し、大久保を起用することでフレッシュな選手の爆発にかける。対する甲府はFWに前節はスタメンから外れた小倉が復帰。前節の福岡戦から続くアウェーゲームで、何としてでも連敗を避けたい甲府にとっては、前半から一気に横浜FCを飲みこみたいところであった。
しかし試合開始直後からボールを支配したのは横浜FC。前線の大久保のポストプレーを軸に臼井、杉本、内田らが有機的に絡み合う攻撃で何度も甲府ゴールを襲うが、肝心のフィニッシュの部分で決定的な仕事ができる選手が出てこない。前半で放ったシュートは実に10本、しかしこの中でFWの2人が放ったのは2本であることからも分かる通り、ペナルティエリア近くまでボールを運ぶことはできるがその数メートル先が崩しきれないという、横浜FCの今季の「持病」が出てしまう。対する甲府は、前節の負けを引きずったわけではないであろうが、前半からボールに対する働きかけで横浜FCの後手を踏むシーンが多くなってしまう。何とかバックラインが身を呈して失点は防ぐが、いざ攻撃に移るとちくはぐな繋ぎが多く横浜FCの守備網に掛かってしまうシーンが何度となく見られた。前半の甲府のシュートはわずかに2本と苦しい45分であった。
後半に入っても流れは横浜FCにあるように見えた。しかし前半から積極的なプレスをかけ続けた横浜FCの選手たちに徐々に疲れが出始めると、同時に甲府もペースを握り始め一進一退の攻防に。中盤の攻防には激しさがあるものの、両チームともフィニッシュの部分で精度を欠き、三ツ沢のスタンドにも閉塞感が漂い始めた時に試合が動く。
後半28分、わずか1分前に投入されたばかりの甲府の長谷川が右サイドで起点を作り、一度フォローへきた倉貫にボールを預けると、自身は自らゴール前へ。倉貫のパスが足元へこぼれてくると、迷いなく右足を振り抜き貴重な先制点を生み出す。横浜FCにとっては一瞬の隙を突かれたという表現になるであろう失点。甲府にとってはチーム全体で我慢し続けた結果が呼び込んだ「褒美」となった得点。これはゴール前のプレーは思いきりが大事だという、至極当たり前のことを長谷川が体現した得点であった。試合はそのまま1−0で終了、結果的には少ないチャンスをものにした甲府が勝ち点3を積み重ね、横浜FCには疲労感だけが残る試合となった。
甲府の松永監督をはじめ、選手たちは口を揃えて「出来が悪く苦しい試合だった」とコメント。しかし、その試合の流れを認めた上で少ないチャンスを物にしようと、チーム全体には順位をにらんだうえでの勝負強さが備わってきたように感じた。対する横浜FCは勝てる試合だったと感じても結果がついてこない現状は非常に辛いところであろう。試合内容だけを見ると両チームの間に大きな差はない。しかし結果を導き出す強引なまでの力が、2位と8位の差なのかもしれない。
2004.8.12 Reported by 小島 耕
以上
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