8月11日(水) 2004 J2リーグ戦 第27節
札幌 1 - 3 川崎F (19:04/札幌厚別/7,352人)
得点者:'0 我那覇和樹(川崎F)、'9 我那覇和樹(川崎F)、'32 相川進也(札幌)、'38 ジュニーニョ(川崎F)
----------
さあいよいよ試合開始だ、と腰を落ち着ける間もなかった。前半、札幌のキックオフから始まった試合は、安易に川崎Fにボールを奪われ、ジュニーニョのドリブルが始まった。札幌は誰も触れず、シュート。これはなんとかGK藤ヶ谷が食い止めたが、こぼれ球を我那覇がきっちり詰めてあっさり先制点。手元のストップウォッチを見るとわずか19秒の「秒殺」だった。
川崎Fの2点目もまた早かった。前半9分、最終ライン中央で札幌・曽田が中盤に向けてグラウンダーの長めのパスを放つが、これがまるで川崎Fの久野へ狙いすましたかのように渡り、即ピンチ。ジュニーニョ、マルクスとつながり仕上げはまた我那覇。シュートを打たれた瞬間、札幌のGK藤ヶ谷はもうお手上げと言わんばかりに微動だにしなかった。試合後の曽田も開口一番「ボクのミスです」。報道席では「このペースだとあと何点取られるやら」という声が聞かれた。
早々に2点のビハインドを背負った札幌だが、前半20分近辺から本来の狙い通りのショートパス展開が見え始める。札幌としてはそれが前半32分の相川のゴールにつながるわけだが、その後の38分にはリスタート時のマークが緩んだのと、GK藤ヶ谷がいったん前に出たが、目測を誤り踏みとどまってしまうというミスが重なり、川崎F・ジュニーニョに3点目を許してしまう。
1対3となっての後半、点を取りに行かねばならない立場の札幌は、ダブルボランチのうちの1人の中尾に代えて攻撃的中盤の新人・桑原を投入。ボランチを田畑1枚にして、2列目を相川、桑原の2枚にした。
中盤から前線まで縦横無尽に動き回る我那覇、ジュニーニョ、マルクスの川崎Fのアタッカー3人をボランチのところでは抑えきれず、最終ラインでの勝負になっていたので、ならばいっそボランチの所をある程度捨てて、前に人数を割こうという柳下監督の考えだったのだろう。
中央から右サイドをプレイエリアとする桑原の動きや、相川の素早くダイナミックなサイドへのパスが周囲と合致し、大森が「後半は互角だったと思う」と振り返るように、優位は札幌に傾いていた。だが川崎Fも、前節(第26節・8月8日)の仙台戦を2点リードで勝っていながら、ロスタイムの1分少々で2失点し、負けに等しい引き分けを喫した悔しさを抱いて札幌に乗り込んできていた。後半20分、2得点の我那覇に代えてDF佐原を投入。DF渡辺をボランチに、下がり目の中盤の中村を上がり目へとそれぞれ一段ずつ上げ、佐原をDFラインにはめこむという配置で守りを固めた。前めの人員を1枚増やした札幌に対し、ペナルティエリア付近にぽっかりと空いた穴は与えない、2点差を最後まで守り抜こう、というこだわりが見えた関塚監督の交代起用が実り、後半はスコアは動かず。3-1のまま首位・川崎Fの順当勝ちに終わった。
「ボールがない時の選手の動きは良くなった」(柳下監督)と、アクションサッカーの片りんは見せた札幌。それだけに前半のミスや緩みからの3失点が悔やまれる。詰めが甘いか、それともきっちり詰めてわずかなズレをもなくせるか。プレイでの違いはごく小さなものに見えるが、それが最下位と首位という大きな差へとつながっている。
以上
2004.8.12 Reported by 永井謙一郎
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第27節 札幌 vs 川崎F レポート】後半は互角も、前半の3得点が生きて川崎Fの順当勝ち(04.08.12)
- 終盤戦特集2025
- アウォーズ2025
- 明治安田J1昇格プレーオフ2025
- 明治安田J2昇格プレーオフ2025
- J3・JFL入れ替え戦
- AFCチャンピオンズリーグエリート2024/25
- AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25
- はじめてのJリーグ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- 明治安田Jリーグ百年構想リーグ
- 2025 月間表彰
- 2025 移籍情報
- 2025 大会概要
- J.LEAGUE FANTASY CARD
- 2025 Jリーグインターナショナルユースカップ
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE













