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【J2:第40節 仙台 vs 札幌 レポート】序盤から激しく渡り合ったが、代償で仙台はガス欠に。押し込んだ札幌もゴールは割れず「痛み分け」の無得点ドロー(06.09.17)

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9月16日(土) 2006 J2リーグ戦 第40節
仙台 0 - 0 札幌 (19:04/ユアスタ/13,914人)
★ハイライト&会見映像は【こちら】
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日中の試合で、神戸が、そして横浜FCが、揃って勝点3を得た。昇格に向けての決して高くない可能性にかける両チームにとって、勝点3への「義務の度合い」がさらに増した一戦は、前半から各々の持ち味がよく表れたスリリングな戦いとなった。

開始2分、いきなり攻めあがった札幌・加賀が放ったシュートが号砲となると、仙台も5分、右サイドで裏を取った梁からの鋭いセンタリングに中島が合わせる。が、これはゴールの右を逸れていく。
その後札幌は、芳賀を基点とした右サイドからの攻撃と、フッキの縦への突破力を最大限に活かしたカウンターで仙台を脅かし続ける。一方で仙台は15分頃から「3バックのサイドのスペースを突く」という狙いが形になりだし、まずは左で大柴、磯崎のコンビが機能し始め、さらに「右から攻めていこうということでキン(菅井)を(スタメンで)使った」(仙台・ジョエル サンタナ監督)という言葉の通り、遅ればせながら菅井も高い位置からボールに絡み始めた。
さらにゲームを「引き締めた」要素が、両チームの前線の選手による献身的な守備。高い位置で素早くプレスがかかるため、ボールは一つの位置に留まらず、結果的にスピーディーでめまぐるしい試合展開へとつながった。見ごたえの多かった前半の最後は、開始直後と同様、札幌・加賀の攻め上がり後にボールが外へ出たところで終了する。

だが後半に入り、時が過ぎるにつれ、札幌が主導権を握る展開となっていく。その要因を、冷静に振り返っていきたい。
まず何より、札幌が後半立ち上がりに先手を取ったことが大きい。後半開始の5分間で、フッキ、石井、そして再びフッキが決定機を迎える。仙台を脅かすには十分な急襲だった。
仙台も前半に比べて両サイドバックの位置を前にシフト。ウイングバック的な位置取りにして対抗の姿勢を強くするものの、これに対して札幌は、裏を狙うフッキ、石井へのロングボールを増やす。仙台はセンターバック2人がどうしても低い位置に貼り付けられ、DFラインにギャップが生まれる。さらに悪いことに仙台に、前線の選手の明らかな疲労が出始める。札幌に中盤でボールを持たれても、前半のように帰陣して後方の選手と挟み込むことが出来ない。ゆえに札幌の攻撃はスピードを増し、仙台にとっては際どい場面が立て続けに訪れた。70分には低い位置でボールを受けた砂川に長い距離を持ち込まれた後、フッキとのワンツーで簡単にフリーにさせ、正面からのシュートを許す。
それに対し仙台は、勝点3のみを渇望している背景を鑑みれば決して間違いではない選択だが、守備の整備ではなく、攻撃力の補強に活路を見出そうとする。70分、梁に代えて関口投入。ボルジェスをセンターフォワードとして中央に残し、その下に大柴を配置、そして右に関口、左に中島をウイング気味に張らせるワイドな3トップへと切り替えた。直後の72分には、左の中島から長いスルーパスがボルジェスへ。オフサイドとなったが両チーム通じてこの日初めてネットを揺らすなど、効果はすぐに発揮されたかに見えた。
ところが、それが持続しない。布陣を組み替えたところで「ガス欠」に陥っていた前線の選手の燃料タンクにガソリンが満たされるわけでもなく、すぐに彼らの稼働時間は限界点に。79分、目の前に西谷という脅威を配置され、守備で苦しむだけでなく前線に出られなくもなっていた菅井を下げ、運動量を持つ中田を投入。右ウイングの関口と何とか絡ませようとするも、基点を作りボールを収めることすらままならない状況では、中田にとって関口の位置は、いくら運動量とスピードがあるといっても遠すぎた。「長すぎる補給路」というのは、古代から戦場における愚策の一つであるが、図らずも仙台の右サイドは、現代においてもその故事が活きているということを、サッカーというスポーツで証明する形となってしまった。
ただでさえ動けなくなった選手を攻撃的布陣の名の下、自陣から遠く離れた敵陣奥深くに配置したことで、札幌の中盤に対するプレッシャーは臨むべくもない状態に陥った仙台。84分には3列目の大塚にゴール前へ入り込まれ、フリーでヘディングシュートを許し、3分間のロスタイムにはクリアをことごとく拾われ、終始メッタ打ちの状態に陥る。何とか札幌の決定力不足に助けられたが、後半の出来だけを見ればそれが本当に幸運に思えるほどの、苦しい試合になった。一方で札幌にとっても、後半は仙台の倍のシュート(仙台5、札幌10)を放っていただけに、勝ちきれなかったのは痛恨であった。

内容にはそれぞれ見るべきものもあったが、しかし結果は上位をほくそ笑ませる「痛み分け」である。とはいえ、今は上位3チームにも今日の自分たちと同様のことが起こると信じ、戦い続けるしかない。よく「残り全勝しても、上位が■敗しないと…」という論調が出るが、この意見は「引き分け」が考慮に入っていない。勝利の勝点が2ではなく3という今のルールなら、勝ち続けている限り、何かは起こりかねない。
仙台はボルジェスが次節から2試合、累積警告で出場停止となるが、代わってロペスと熊林が帰ってくる。鳥栖戦(9/23@鳥栖)、そして横浜FCとの直接対決(9/27@国立)を含むこの2試合の結果いかんでは、まだわからない。


以上

2006.09.17 Reported by 佐々木聡
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