5月11日（日）J1 第12節 Ｇ大阪 vs 横浜FM（16:00KICK OFF/万博）
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　G大阪は、クラブ史上初のACL予選グループ突破を決めたアウェイでのチョンブリFC戦から中３日。ホームでの横浜FM戦を迎える。遠距離移動を強いられる中での連戦ということで、選手の疲労は当然あるだろうが「そういう中でどういう試合をできるかが問題」だと西野監督。「スケジュールは最初から分かっていたこと」とした上で、最善の結果を求めて戦うことを強調した。

　もちろんそれは、中位に甘んじている現状から抜けだすためでもある。ここまで、10試合を終えてのG大阪の成績は4勝3分3敗の９位。ACL予選を戦っている関係で１試合少ない状況にあるとはいえ、首位を走る浦和とは勝ち点にして８の開きがある状況だ。これは例年に比べてもややスタートダッシュの悪さを伺わせる数字。あと２試合を戦えば中断期間に突入することを踏まえても、この２試合をしっかりと勝ち切り、上位に引き離されたくないというのが本音だろう。
「これ以上、トップグループと引き離されたくない。これが終わればまた１週間あくし、エネルギーを出し切って戦えるゲームを考えたい（西野監督）」

　但し、それは勝ち点２差でG大阪の上をいく横浜FMにも言えること。「うちにとってもこの２試合は非常に難しい相手だし重要なポイントになる試合。但し、それはマリノスも同じですから。ここ２試合、勝っていないこともあるし、勝ちにくる試合をしてくるだろう」とDF山口が予測するように、アウェイといえども、勝ちにくる戦いを目指してくることは間違いない。前節も、前半こそ大宮の攻撃に翻弄された感が強かったが、後半の巻き返しはさすが。堅守をベースに攻撃の軸とも言うべきMF山瀬や途中出場のMF兵藤らが積極的にボールに絡みながら攻撃を組み立て、主導権を握り、同点弾を決めたFW大島やFWロニーへとボールを供給するシーンも増えた。

　そうした横浜FMのペースに持ち込ませないためにも、G大阪としては『先制点』が最重要課題。「先制して楽な展開で進めることしか考えていない。プレスは早いだろうけど、うまく交わしながら主導権を握れれば、後半は余裕を持って戦える。前半が勝負だと思う（MF遠藤）」「チョンブリ戦は単純なミスも多くてピンチになったりしたが、立ち上がりに失点するとどうしてもしんどいですからね。守備の強い相手だけに、いい入り方をして先手をとれれば（DF山口）」と選手が話すように、相手の堅守を思うからこそ、先に獲られ、引かれて、より堅く守られるというパターンに陥ることのないよう先制点を奪い、自らのペースで試合を進めたい。

　注目はFWバレー。チョンブリ戦では前線で起点になれず、決定力不足が目立った印象だが、リーグ戦ではここまで７ゴールを挙げ、得点ランク２位。西野監督も「コンディション自体、フィジカルも全く問題ない。あとはテクニック。技術力は一朝一夕に修正できるものではないだけに、少しずつ修正していくしかない」と課題を強調しながらも「うちのエースだから」と全幅の信頼を寄せている。本人も「使ってもらっているというのは強い信頼を貰っている証拠。それにどれだけ強く応えていくかが大事だと思う」と話しており、今節でも『応え＝ゴール』を求めてどん欲に戦ってくれるに違いない。

　ちなみに右太もも裏のハリを訴え、チョンブリ戦を欠場していたMF遠藤は、前日練習のフルメニューを他メンバーとともに消化。練習後には「最初から行くつもりでいる。１週間近く全力でプレーしていないのでどうかな？という部分もあるけれどゲームは出来る状態にはある」と話した。西野監督も「メンバーにいれる以上はスタートで考えたい」と話しているだけに、横浜FM戦での先発起用はほぼ間違いないだろう。

トップ争いから引き離されないためにも、是が非でも勝点３を獲りたい両チーム。すでにチケットは今季初の全席完売となっており、大観衆の中での好ゲームを期待したい。

以上

2008.05.10 Reported by 高村美砂