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【J2:第43節 広島 vs 草津】レポート:前半草津、素晴らしい情熱で、首位・広島を圧倒。しかし、ロスタイムに待っていた「広島ビッグアーチ劇場」!(08.11.22)

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11月22日(土) 2008 J2リーグ戦 第43節
広島 4 - 3 草津 (14:04/広島ビ/9,194人)
得点者:4' 都倉賢(草津)、16' 高萩洋次郎(広島)、52' 槙野智章(広島)、57' 鳥居塚伸人(草津)、67' 都倉賢(草津)、89' 佐藤寿人(広島)、89' 森脇良太(広島)
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 広島、11試合ぶりに敗戦。広島ビッグアーチでは、5月6日の対仙台戦以来、約半年ぶりの屈辱。
 一方の草津は、完勝。勝点を56に伸ばし、念願の一桁順位をほぼ手中に納める。

 そういうレポートになるはずだった。それが当然と思わせる内容だった。
 わからない。サッカーは、本当にわからない。

 草津はこの試合、高田保則・後藤涼・都倉賢の3トップに据え、島田裕介がトップ下で絡む形をとった。そして、前の3人が広島の3バックに強烈なプレスをかけ、その3人の動きに連動して、島田やボランチも前に出る。
 これが、植木繁晴監督が準備した、対広島戦必勝の手段だった。
 一方の広島。ストヤノフと森崎和幸、大黒柱を二人欠いた上に、森崎浩司がリベロに入ったために、中盤がバランスを失う。これが、苦戦の要因だろう。
 前からの激しいプレスは、今回が初体験ではない。しかし今日の広島は、プレスをまともに受けてしまった。いつもならストヤノフがプレスをいなし、森崎和幸や浩司がサポートすることで、「前からのプレス」をかいくぐる。しかし、この日はそれができなかった。
 4分、島田のクロスを都倉がヘッドで叩き込む。草津、先制。
 この時、広島のDFは何人もいた。しかし、都倉に身体を寄せることも、クリアすることもできなければ、失点は必然。立ちあがりから続いたバランスの欠如が選手の戸惑いを生み、集中を欠いたプレーにつながった。
 16分、高萩洋次郎が目の覚めるようなミドルシュートを叩き込んだ後は、少し広島も持ち直した。しかし、川崎F戦の時のような、めまぐるしくボールと選手が動き回る広島の精度の高いポゼッションは生まれない。プレスの精度も出足も、そして攻撃のスピード感も、草津が上回った前半だった。

 後半、ペトロヴィッチ監督はボランチに森崎浩を上げ、森脇良太をリベロに配置し、勝負を賭ける。森脇のリベロなど、練習で試したこともない。しかしそれでも、森崎浩を中盤に戻すことを優先した。
 実際、広島のボール支配率はあがった。PKを奪い、勝ち越した。
 しかし再び、草津がギアを入れて、前に出る。
 57分、クロスのこぼれを拾った鳥居塚伸人が、柔らかいシュートを決める。その10分後、またも島田のクロスを都倉がヘッドで決める。
 草津、逆転。広島、今季初の3失点。
 クリアボールのこぼれに対して対応が後手を踏み、飛び込んできたFWを捕まえることができなければ、失点も必然だった。
 その後は、広島がガムシャラに前に出るも、草津が跳ね返す。人数をかけて広島が攻めても、決定機はつくれない。
 「広島完敗、草津完勝」のシナリオは、ほとんどできあがった。あとは「完」の文字を書き込むだけ。しかし「ロスタイム4分」の表示が示された直後、広島がまさに突然、牙を剥く。

 91分、柏木陽介の左展開。服部公太が受ける。この時、槙野はスッとゴール前にあがっていく。草津DF、槙野の存在を確認する。
 服部、右足のクロス。ニアに入った久保の動きに惑わされ、DFの槙野へのマークがルーズになる。
 ヘッド!ポスト!!
 こぼれが、槙野の下へ。
 シュート。佐藤寿人の膝に触り、微妙にコースが変わる。
 同点!!
ボールをすぐに佐藤寿が拾い、センターサークルへ。
 草津、前にかかる。島田、クロス。
 楽山キープ。カウンター発動。
 左サイドで久保。草津の戻りも速い。
 久保、キープ。さらにキープ。
 彼がボールを受けた時は4対7。しかし久保がキープする間に、8対8の状況となった。
 久保、森脇へパス。
 スッと森崎浩が前に走る。森脇、パス。
 森崎浩がつくったスペースに森脇が飛び込む。背番号7、ヒールで落とす。
 完全にフリー。ダイレクトで右足!!!
ボールは、美しい弧を描いて、サイドネットに突き刺さった。

 草津が掌中にしていた歓喜は、こぼれ落ちた。彼らの勝利を強奪したのは、3失点を食らって屈辱にまみれていたはずの、広島のストッパー陣だった。
 もちろん、広島にとって「反省点は、ありあまるほど」(森脇)。だが、ロスタイムに2点を決めて逆転するというスペクタクルは、間違いなく「あきらめない気持ち」が呼んだもの。それは確かに、成長の証だろう。

 一方の草津。
 もちろん、逆転劇は受け入れがたい。勝利目前だっただけに、なおさら悔しい。
 しかし、彼らの積極性。情熱。迫力。2アシストの島田に代表される技術の高さは、悲劇の中でも全く色あせない。このサッカーを彼らが続ける限り、残り2節で草津と闘うC大阪や仙台は、強い警戒心を持って闘いに挑むべきだろう。
 草津は、本当に素晴らしかった。
 その言葉は、何度も記しておきたい。

以上

2008.11.23 Reported by 中野和也
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