12月6日(土) 2008 J1リーグ戦 第34節
新潟 3 - 2 G大阪 (14:34/東北電ス/34,287人)
得点者:10' 本間勲(新潟)、31' 松下年宏(新潟)、32' 寺田紳一(G大阪)、61' ルーカス(G大阪)、89' 内田潤(新潟)
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新潟がG大阪を3-2で下し、自力で残留を決めた。2-2で迎えた後半ロスタイム。内田潤が決勝のゴールを決めた。新潟は13位、敗れたG大阪は8位でリーグ戦を終えた。
「人生で一番興奮した」。大歓声が沸き起こる中、普段は冷静な内田が、スタンド沿いに全力疾走しながら感情を爆発させた。
会心のミドルだった。ロスタイム、フリーキックからのこぼれ球が目の前に転がった。「ダイレクトで打とうと思ったけど、とりあえず整えた」。ペナルティーエリアの外で体勢を整えると、まだ密集が解けていないゴール前に向けて右足を振り抜いた。「力を込めて打った」というボールは横っ飛びしたG大阪GK藤ヶ谷陽介をかわしてネットに突き刺さった。
内田の記憶があるのはここまでだった。「後は覚えていません」。ゴールの直後、無意識のうちに走りだしていた。リスタートに戻ると大腿部に張りを感じた。「走りすぎてちょっと足がつりそうだった」と苦笑い。J1残留を決める一発はわれを忘れるほどうれしかった。
新潟は9月23日の第26節神戸戦を最後に7試合、2カ月以上も白星がなかった。残留がかかった最終戦。勝てば自力、引き分け以下なら磐田、東京Vの結果次第で入れ替え戦に回る可能性があった。
そんな中、選手会長の内田は懸命にチームを鼓舞してきた。試合前日の練習が終わった後、選手全員が集まった中で「リラックスして、まずゲームを楽しもう」と、平常心で闘うことを強調した。第33節F東京戦は0-1、第32節大宮戦は2-2。勝ち切れない試合が続く中、「まだ終わっていない。次がある」と前を向き、「一つになろう」とサポーターに呼びかけた。
そのすべてが集約されたようなゴール。3月15日の第2節F東京戦での内田のゴールが、今季の新潟の初得点だった。そしてシーズンの締めくくりのゴールも内田。「今季の最初は覚えていなかったですね。華やかなのは僕らしくない」。フォア・ザ・チームを貫いたチームリーダーが、最後の最後に派手なスポットライトを浴びた。
劇的な勝利は接戦の裏返しでもある。前半10分に本間勲の先制点、31分には松下年宏の追加点で2点をリード。だが、2点目の直後にG大阪・寺田紳一に追撃のゴールを許す。後半16分にはG大阪・ルーカスのゴールで追いつかれる。その後もリズムをつかみかけたG大阪に押し込まれる場面が増えた。それでも逆転はさせなかった。7戦未勝利の間、失点は5。大崩れしなかった守備がこの試合でも生きていた。
そして、なによりもサポーターの支えがあった。『新潟の熱き魂よ、今ここに集結せよ!魂を宿し、駆け抜けろ!ゴールへ飛び込め、声を張り上げろ!思いはひとつ誇りを胸に。新潟魂よ、今日このスタジアムにて歓喜を分かち合おう!共に喜び、共に叫び、共に闘い、選手と新潟を愛する心をひとつに!アイシテルニイガタ!闘え新潟!!』
こう記されたのは、サポーターが制作した長さ110メートルの横断幕。試合前にバックスタンドに掲げられた。「サポーターには感謝している」。新潟の選手は口々に言う。苦闘のシーズン、最後の最後にチームとサポーターが一つになった。その証しが残留だった。
G大阪は「らしさ」を出し切れなかった。後半は播戸竜二を入れて、1トップから2トップにシステムを変更。そこから本来のボールを回す展開に持ち込んだ。ルーカスの同点弾も中盤を支配した流れから。ただ、西野朗監督が「リアクションサッカーになってしまった」と言うように、自分たちから局面を打開するケースは少なかった。
新潟のサイド攻撃に押し込まれ、カウンターを仕掛ける位置もゴールから遠かった。「新潟の気迫がすごかった」(西野監督)と、相手に気持ちで押されたことが最後まで響いた。これでリーグ戦は8位。ACLは制したが、リーグ戦との平衡が厳しかったことが数字に表れた。今後、クラブW杯、天皇杯と公式戦は続く。「自信を持ってやるだけ」。遠藤保仁が言うように、修正を重ねて成果を示す舞台はまだ残っている。
新潟は13位でフィニッシュ。残留はしたが、合計32得点という得点力の低さは来季への課題として残った。今季の反省が来季以降、下位を脱出して上位に定着するための土台になる。
以上
2008.12.07 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)
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