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【J1:第10節 柏 vs 浦和】プレビュー:攻守の切り替えの早さを持つ両者の激突!柏はハードワークで浦和の“ウーノゼロ”に挑戦する。10代対決にも注目。(09.05.04)

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5月5日(火)J1 第10節 柏 vs 浦和(16:00KICK OFF/国立
スカパー!生中継 Ch180 15:50〜(解説:野々村芳和、実況:倉敷保雄、リポーター:脇本カオル)
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前節の山形戦はアウェイとはいえ、ほぼ柏がペースを掌握していただけに、できれば勝っておきたい試合だった。開幕から続いた連続得点は止まったが、無失点に抑えたのもまた事実。山形に作られたピンチらしいピンチは、前半のキムビョンスクのフリーでのヘッドと、後半の石川竜也のフリーキックの2つ。ようやく柏らしい粘り強い守備が戻りつつあるとポジティブにとらえたい。
柏は4月25日の清水戦以降は全体のバランスが良くなり、安定度が増している。その大きな要因は、これまでの4-2-3-1を4-3-3に変え、アンカーを務める杉山浩太と、もう2枚のセントラルMFである山根巌、栗澤僚一が攻守両面で絶妙なバランスを生み出しているからだ。

対する浦和は、新潟戦ではロスタイムにコーナーキックから田中マルクス闘莉王のヘッドがさく裂し、またしても“ウーノゼロ(1−0)”での勝利を挙げた。フォルカーフィンケ監督が「今シーズンに入ってこのチームを率いるようになって、最も難しい試合だった」と振り返ったように、61分の新潟のマルシオリシャルデスの退場以降は、数的優位ながらも自陣で防壁を作り上げた新潟の攻略に手を焼いた。その中でも、試合終了間際に幾度となく訪れたセットプレーからは得点の気配を漂わせ、それをしっかりと決めてしまうあたりは、まさに「勝者のメンタリティ」とでも呼ぶべきだろうか。さらにひとつ付け加えるならば、数的優位になったゆえにゲームを制したのではなく、11対11の状況でも数多くのチャンスを作り出すことができていたとあって、フィンケ体制の順調さが印象に残るものだった。

ではその浦和を柏はどう攻略するか。まず鍵となるのは先述した杉山、山根、栗澤の中盤の3人である。浦和の前線はポジションにはとらわれずフレキシブルな動きを展開する。特にポンテ、原口元気、山田直輝は流動性が高く、柏はマーキングの受け渡しを徹底することでエジミウソンも含めた前線の4人を封じ込めたい。また、回数こそ多くはないものの、阿部勇樹、鈴木啓太、闘莉王のいずれかが前線に顔を出すこともあり、そこでマーキングのズレが生じることがないように警戒したい。

柏は圧力に屈することなく、ラインを押し上げ、ボールの取りどころはできるだけ高い位置に設定したい。今季の浦和の最も警戒すべき点は攻守の切り替えの早さにある。つまり柏がボールを奪ったとしても、その瞬間に浦和FWが第一DFとなり、すぐさま囲い込みに入るため、自陣に籠ってしまうと波状攻撃のスパイラルにハマってしまうおそれがあるのだ。しかし柏も、2006年から前任の石崎信弘監督(現・札幌監督)によって攻守の切り替えの早さは骨の髄まで叩き込まれており、実際に昨年第14節での対戦では、攻守が切り替わった瞬間に柏DF古賀正紘がボールを奪い、そこからフランサへとつながり決勝ゴールが生まれている。むしろハードワークと攻守の切り替えならば、柏の方に一日の長があるのかもしれない。昨年同様高い位置でボールを奪取し、ショートカウンターで浦和の堅陣を打ち抜くことができるか。

互いに攻守の切り替えが早く、ゲームは相当タフなものになるだろう。さらにフランサ復帰の可能性も出てきているため、ポンテとの共演も非常に楽しみである。そしてU-20日本代表候補の若き俊英たち、浦和の山田直輝、原口元気、柏の大津祐樹といった10代対決など、この試合の注目ポイントは多い。

国立競技場開催の浦和戦は、柏にとってもはや恒例となった感がある。1995年8月23日から今年の対戦で実に10度目。しかしその回数以上に特筆すべきは、浦和の山田暢久が初の国立決戦に出場し、昨年の対戦を除く計8度のゲームでピッチに立ったということ。チームという分け隔てに関係なく、彼には一人のサッカー選手として称賛の言葉を送りたい。

以上

2009.05.04 Reported by 鈴木潤
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