5月5日(火) 2009 J2リーグ戦 第13節
札幌 3 - 2 栃木 (16:03/札幌ド/15,696人)
得点者:61' 河原和寿(栃木)、66' 稲葉久人(栃木)、74' 宮澤裕樹(札幌)、83' 上原慎也(札幌)、88' クライトン(札幌)
スカパー!再放送 Ch182 5/6(水)18:00〜(解説:大森健作、実況:宮永真幸、リポーター:永井公彦)
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厳しい言い方をしてしまえば、大味な試合だった。だが、88分にクライトンが決勝点となるシュートを決めた瞬間、そして、タイムアップの笛がなった瞬間は札幌ドームを埋めたサポーターが大きく沸いた。やはり、結果が持つ意味というのは重い。札幌と栃木との対戦は3−2のスコアで札幌が勝利した。
前半は札幌が押していた。というよりも、ほぼ札幌のペースで試合は推移していたと言っていい。中盤の底でプレーする上里一将が左足からの長短織り交ぜたキックでボールを左右に動かし、両足アキレス腱痛をおして出場したクライトンも相手の厳しいマークに遭いながらも高い技術でボールをキープした。
そしてチームとしての狙いも明確だった。アグレッシブにプレーする相手の左MF佐藤悠介がスペースへ飛び出してきた、あるいは、プレスを仕掛けてきた際に生まれるスペースを突き、そこで藤田征也にボールを配球し、この選手の突破、クロスからチャンスを演出した。栃木は左サイドバックの斎藤雅也が藤田のドリブルに手を焼き、そのフォローに中盤から選手が下がってきてしまうため、全体のラインをなかなか高く保つことができずにいたのだ。
ただし、栃木の守備陣もただ札幌の攻撃を受け止めていたわけではない。最終ラインの中央でプレーする大久保裕樹と川上典洋は受け身になった際にもシュートコースだけはしっかりと塞ぎ、札幌のシュートを枠に飛ばさせることはほとんどなかった。1トップでプレーするFWキリノには守備の強い落合正幸がボールを収められながらもしっかりと身体をぶつけて自由なポストプレーを封じてみせた。
そして攻撃陣も若林学をターゲットにしてロングボールを当て、その周辺をスピーディに走り回る河原和寿がスペースを襲うという形で札幌の守備陣に対してある程度の恐怖心を与えることができていた。若林に単独で相手守備をこじ開けられるパワーがあれば、もっと札幌の守備ラインを押し下げ、オフサイドを取られる回数も減らすことができただろうが、フォローの薄いなかでそこまでの要求をするのは酷かもしれない。
後半の立ち上がりも札幌が優位にプレーしていたように見えた。しかし、優位に立ちながらも勝負を決めきれないチームに罰が下るというのはサッカー界の常。札幌が今シーズン何度も直面した展開が、この日も待っていた。
61分、そして66分、佐藤のキックから生まれた混戦を栃木の河原、稲葉久人が丁寧に押し込んで2−0とリードを奪ってしまったのだ。
だが、この試合での札幌は今シーズンここまでの札幌とは違っていた。「今までだったら下を向いてしまいがちだったところを、しっかりと強い気持ちを持って戦うことができた」と西嶋弘之。ここまでの経験と、ここ5試合は負けがないという精神的な余裕がチームを支えたのかもしれない。この辺りは選手の内面的な部分だから何とも言い切れないが、とにかく札幌はここから見事な逆転劇を演じて見せたのだ。
まずは74分、本来はストライカーながらもこの日は守備的MFとして出場した宮澤裕樹がゲット。そして1点差となってからは石崎監督がルーキーの上原慎也をトップ下の位置に投入してシステムも4−2−3−1から3−5−2へと変更。左右からのクロスに飛び込む人数を増やす采配を行なうと、83分、西嶋が蹴った抜群のクロスに上原が頭で合わせて同点に持ち込んだ。
「選手の人数がJ1と一緒の18人だったら、逃げ切れたかもしれない」と栃木の松田浩監督は試合を振り返る。この見解を非現実的なものと捉える向きもあるだろうが、実際には的を射ている。この日の栃木はセンターバックの川上が足をつってしまい、78分にMF栗原圭介と交代させて守備的MFの落合を最終ラインに下げて応対した。「彼(落合)だって高さがないわけではない」と松田監督が評するように落合も決してハイボールに弱い選手ではない。だが、80分近くも中盤でハードワークをしていた選手である。いくら高さがあるといっても左右からのクロスをフレッシュな選手と競る場合には絶対に遅れが出る。このケースでは専門のセンターバックがベンチにいれば十分な対応が出来たかもしれない。だが、フィールドプレーヤーを4人しかベンチに置けない状況ではなかなか守備の強いセンターバックを入れることは難しい。センターバックとその他のポジションをこなせる選手がいれば何とかクリアーができるが、そういった能力のある選手はなかなかいない。ここは、このリーグのひとつのポイントと言えるかもしれない。
そして88分、同点になったことでさらに勢いを増した札幌は、これもまた左からのクロスがこぼれたところをクライトンが蹴り込んで見事な逆転勝利を収めた。
以上
2009.05.06 Reported by 斉藤宏則
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