8月19日(水) 2009 J1リーグ戦 第22節
磐田 2 - 1 川崎F (19:03/ヤマハ/10,545人)
得点者:29' 前田遼一(磐田)、40' 前田遼一(磐田)、45' ジュニーニョ(川崎F)
スカパー!再放送 Ch185 8/20(木)22:00〜(解説:名波浩、実況:岡村久則、リポーター:松永直子)
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前半45分間は、磐田サポーターですら予想できなかったほど、公式戦3連勝中の2位・川崎Fを、9位の磐田が圧倒した。
磐田のスタメンは、攻撃が機能しなかった前節・大宮戦と1人しか変わらず(山本康裕→茶野隆行)、インターバルも中2日で特別なトレーニングをする時間はなかった。しかし、気持ちの面では大きな違いがあった。
「おそらく川崎Fが勝つだろうという周りの雰囲気は選手たちにも伝わっていた。だから逆に怖さがなく、ミスを恐れてプレーが小さくなってしまうこともなく、大胆にプレーができたと思う。人もボールもよく動いて、前半は今シーズンで一番良いサッカーができた」(柳下正明監督)
そのスイッチとなったのは、開始1分のイ・グノのプレーだった。ようやく動きの切れが戻ってきたイが、右サイドのタッチライン際から一瞬のスキを見逃さずにドリブルで2人を抜いて、ペナルティエリアに入ろうとしたところで後ろから倒されたシーン。主審の判定はノーファールだったが、このプレーが川崎F守備陣に恐怖心を与え、磐田に「やれる」という手応えをもたらしたことは間違いない。
その後は、前線へのフィードをイと前田遼一がよくキープして起点となり、右サイドから中央、逆サイドまで縦横無尽に動く西紀寛がそこに絡んで相手を混乱させる。西の動きに引っ張られて空いたサイドのスペースにイが飛び出し、そこでキープしてサイドからの攻め上がりを引き出すパターンも非常に有効だった。
対する川崎Fは、スタメンは2-0で勝った前節・名古屋戦と変わらず、システムも4-4-2で同じ。だが、磐田の先制パンチを受けてDFラインが深くなってしまい、そこからの攻撃では中盤で落ち着いてボールを回すことができず、前線の鄭大世を狙った長いボールが多くなった。磐田はそれほど前線から激しいプレッシングを見せたわけではなかったが、「こっちもずっと中盤をすっ飛ばしたようなサッカーをしていたし、前半はまったくボールを触ってない」(中村憲剛)と、チームの要である司令塔を生かすことができなかった。
また、鄭へのロングボールに対しては、磐田のセンターバックのどちらかとボランチの那須大亮がはさみこむように競り合い、鄭にボールをコントロールする自由を与えない。さらにセカンドボールもほとんど磐田が拾い、前線で起点を作らせなかった。逆に川崎Fのほうは、鄭へサポートする選手の距離が遠く、そこも次に向けての課題となる。
シンプルに前にボールを送るという意味では、両チームとも共通する面があったが、その生かし方と守備での対応には大きな差があった。
というわけで、前半は完全に磐田が主導権を握る展開。序盤からいくつか決定機を作る中で、29分には左サイドの村井慎二のフィードに前田が飛び出し、胸トラップからボールを一度も地面に落とさずに2タッチ目で左足ボレーシュート。これが左ポストぎりぎりに決まって、磐田が非常に美しい形で先制ゴールを奪った。
さらに40分には、大きなサイドチェンジから右の駒野友一→イとシンプルにつないで、タイミング良くクロスを送る。ここにファーサイドから前田が飛び込んで押し込み、またもきれいな形で追加点。
一方、前半の川崎Fのシュート数は、このチームとしては異例に少ない3本のみ(磐田は11本)。客観的に見ても、川崎Fが悪かったというよりも、磐田の良さが川崎Fの問題点を浮き彫りにしたという45分間に見えた。
ハーフタイムではたまらず関塚隆監督が動きを見せ、山岸智に代えてレナチーニョを投入。これで左からジュニーニョ、鄭、レナチーニョという3トップに変更し、中村は中央のトップ下に移動。この形が後半開始早々に機能し、レナチーニョがバイタルエリアで起点になったところから中村→ジュニーニョ→中村と1タッチできれいにつないで中央突破。最後は中村のやさしいスルーパスをジュニーニョが落ち着いて決めて、1分も経たないうちに1点を返す。磐田としても、3トップへの変更は予想していたが、いきなりの速い攻撃には対応しきれなかった。
これで一気に流れが変わり、後半は逆に川崎Fが主導権を握る展開に。その後も川崎Fが何度も決定機を作ったが、そこはGK川口能活を中心にした磐田守備陣が身体を張った守りを見せる。とくに、6分の鄭のシュートをGK川口が左手1本で止めた場面、18分の森勇介のシュートをゴールカバーに入ったDF大井健太郎が防いだ場面、40分の黒津勝の決定機に川口が足下に飛び込んで奪った場面などは、最後のところで守りきる執念を見せた。
そして、押される展開が続いた中でも、終盤はボールをキープして時間を稼ぐ時間を作るなど磐田は多少のゆとりも見せる。42分にはイライラの募った森の退場を誘うなど、5分という長いロスタイムでも落ち着いてゲームをコントロールし続け、1点のリードを守りきった。
川崎Fとしては、首位・鹿島が敗れた時に勝点差を詰められなかったのは非常に痛かったが、内容から考えても磐田の勝利は妥当な結果。J1での300勝目というメモリアルな勝利は、前半の素晴らしい内容、後半守りに入ったところでの粘り強さと冷静さという両面で、磐田にとっては非常に手応えのある1勝となった。
以上















