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【J2:第31節 愛媛 vs 熊本】レポート:愛媛にも熊本にも収穫はあったものの、勝点2を失った現実は厳しい。両者とも順位を落とすドローを糧に、奮起できるか。(11.10.17)

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10月16日(日) 2011 J2リーグ戦 第31節
愛媛 1 - 1 熊本 (16:04/ニンスタ/2,869人)
得点者:52' 原田拓(熊本)、80' 福田健二(愛媛)
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振り返ってみれば両チームがそれぞれ収穫を得て、課題も残した90分間。よく言えば手堅く、我慢強い両チームのよさが出た試合だが、裏を返せば煮え切らない一戦でもあった。そこでまず、先によさを出したのは熊本だった。前半は前線の3人がボールを回す愛媛の最終ラインに対して積極的にプレッシャーをかけて、中盤と最終ラインもそれに連動。愛媛の攻撃を遅らせていた。さらに攻撃では、ロングボールで長身の長沢駿をターゲットにするだけでなく、4試合ぶりにスタメンに復帰した武富孝介がアウェイでの対戦と同じように積極的にアタックをしかけて愛媛の守備に揺さぶりをかけた。

すると後半7分、狙い通り高い位置でボールを奪うとすぐさま攻撃に転じ、ファビオのドリブルから得たゴール正面のフリーキックで先制点を奪った。前半から愛媛のビルドアップを自由にさせることなくボールの支配率を高め、奪ってから攻撃を展開するサッカーはまさに熊本の狙い通り。試合後、高木琢也監督は「やりたいことは徐々にできている」と手ごたえを語ったが、ここまでは完全に熊本のペースだった。ただ、前半の終わりごろから徐々に熊本のプレッシャーが弱くなり、この時間帯は愛媛に主導権が移る気配もあった。それだけに、先制点後の試合運びに失敗した熊本には悔いが残る結末が待ち受けていた。

一方で愛媛は前半、攻撃の糸口すら見つけられていなかった。もちろん、熊本のプレッシャーが愛媛の攻撃の勢いをそいでいたことは確かだった。しかし「パスを出して止まってしまい、ボールを渡して自分の役割が終わり」とバルバリッチ監督は語ったが、プレーに関与する選手が連続してアクションを起こすことができず、状況を打開しようとする姿勢を示すことはできていなかった。ただ、失点をして攻めるしかない状況に追い込まれたこと、そして、そのタイミングでバルバリッチ監督が選択した4−3−3が功を奏した。

後半22分には中盤で中央を経由して左サイドバックの前野貴徳へボールが渡ると、逆サイドでは猛然と右サイドバックの高杉亮太もオーバーラップ。前野はそのファーサイドに走り込んだ高杉に合わせたが、強烈なヘディングシュートはGK南雄太のファインセーブに阻まれた。そして同点ゴールが生まれたのが後半35分。右サイドに開いた内田健太のクロスに対して福田健二がニアに飛び込み、ようやく愛媛が追いついた。前半からこうしたプレーができていれば、と思わせるほど、この時間帯からは愛媛が完全にサイドの攻防で優位に立ち、次々と決定機を演出。アディショナルタイムには大山俊輔のクロスに福田が飛び込んだが、わずかに届かず逆転するまでには至らなかった。結果論にはなってしまうが、後半の内容を見る限り、愛媛にとっては前半の試合運びに悔いが残る一戦になってしまった。

こうして90分を振り返れば前半は熊本が、そして後半には愛媛が収穫を得た一戦ではあった。しかし、その結果として両チームがドローから得た勝点は1。厳しく言えば、どれだけ収穫を得ても評価されるのは結果だ。愛媛は13位に、そして熊本は10位へと順位を落としたという事実を見れば、この試合で両チームは前進することができていない。今シーズン、熊本の引き分け11試合はリーグ最多で愛媛も10試合で続いているが、両者は勝ち切れないという大きな問題を残したまま90分を終えてしまった。確かに、ポジティブな内容もあったが、リーグ戦は残りわずか9試合。このまま、勝点2を失う状況が続くと上位が遠くなるばかりだ。シーズンが終わった後に「収穫」を得るためには、この連戦で両チームの選手たちには更なる覚悟が必要だろう。失った勝点を取り戻すために残された時間は少ないのだから。

以上

2011.10.17 Reported by 近藤義博
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