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前節千葉戦はこれまでのうっ憤を晴らす会心の勝利だった（ /jsgoal_archive/game/2011/20110200030320111016.html ）。８月31日以来６試合ぶりの勝点３を奪うべくフクアリに乗り込んだ草津は、２度のリードを許したもののチーム一丸となった粘り強い戦いで食らいつく。そして終了間際の88分に萬代宏樹が意地の決勝ヘッドを叩き込み３−２で劇的な勝利を飾った。約１カ月半ぶりに勝利を挙げた草津がホーム正田スタへ戻り、岐阜を迎え撃つ。草津は過密日程ながらもホームという強い追い風を受けて６月12日以来約４カ月ぶりの連勝を狙う。
先週の練習からチームには変化がみえていた。天皇杯２回戦で岡山に敗れたあと、危機感を募らせた指揮官はシーズン終盤へ向けてメンバーの入れ替えを示唆。実戦テストでは、実績や経験に関係なく日替わりで多くの選手を試した。メンバーを白紙に戻したことで若い選手たちが目の色を変えて練習に臨みチームが活性した。千葉戦で同点ゴールを決めた小林竜樹は「メンバー外になった選手のためにも結果を残さなければいけないと思った」と振り返る。連戦を前にチームは新たな方向に進みつつある。今ゲームも練習場でアピールした選手がピッチに立つことだろう。
リンコンも練習で好パフォーマンスを披露し先発復帰を勝ち取った１人だ。リンコンは８月中旬の負傷以来出場していなかったが13日の練習でスーパーゴールを決めて先発をアピール、土壇場でメンバー入りした。リンコンという絶対的なポストプレーヤーの復帰で、シャドー気味に配置された後藤涼、小林竜樹、林勇介の３人がそれぞれ特長を発揮。後藤、小林は千金のゴールで指揮官の起用に応えた。林は「千葉戦では前線からの守備でリズムをつかむことができた。次もチャンスがもらえたら流動的に動いて勝利に貢献したい」と次戦を見据えている。
一方、草津へと乗り込んでくる岐阜は現在の順位こそ最下位ながらチームは上向きだ。前節は横浜FCを死闘の末に４−３で下し、草津同様に連戦へ勢いを付けた。草津対岐阜のカードの対戦成績は草津の４勝１分３敗。草津は、佐藤洸一、西川優大、嶋田正吾、染矢一樹らスピード溢れる岐阜攻撃陣に何度も痛い目に遭わされている。副島博志監督も「順位はまったく関係ない。一瞬でも油断があったら確実にやられてしまう」と警戒線を張る。過去の対戦では、球際で競り勝ったチームに白星が転がり込んでいるだけに今ゲームでも球際のバトル、そして運動量が勝敗のカギを握ることだろう。
草津は前節勝利したことで昇格を争う千葉相手に２連勝、上位５チームとの対戦成績は５勝１分３敗となった。ただ上位とは互角以上の戦いを演じる一方で、下位５チームとの成績は２勝１分３敗と負け越している。副島監督は「上に勝てて下に負けるのは明らかにメンタルの問題。千葉に勝っただけで、ヌカ喜びはしていられない。技術、戦術、体力を支えるのはハート、敵は己にある。この連戦では選手たちの闘う気持ちが試される」と、チームの威信を懸けて連戦へ臨む。
草津は１カ月半も勝利から遠ざかったが幸いにも６位栃木との勝点差は５。上位追撃は決して不可能な位置ではない。小林は「千葉戦では久しぶりにザスパらしいサッカーができた。次のホーム岐阜戦でもピッチに立つ一人一人がガムシャラに戦って『これがザスパだ』っていう戦いをみせる」と戦地へ向かう。草津はまだ倒れてはいない。ここからの戦いが草津の真骨頂だ。
以上
2011.10.18 Reported by 伊藤寿学
