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【J2:第34節 鳥栖 vs 横浜FC】プレビュー:自らの手で昇格に近づこう。「今までやってきた事を継続するだけ」の鳥栖。14試合“負けなし”を継続できるか。長いトンネルから抜け出したい横浜FC。11試合“勝ちなし”を断ち切れるのか。(11.11.05)

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11月6日(日)J2 第34節 鳥栖 vs 横浜FC(13:00KICK OFF/ベアスタチケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
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どんな時にも平常心を保つことは非常に難しい。
何事にも動じず、集中力を切らさずに90分間という時間を目的に向かって邁進しないといけないサッカー選手たちは、フィジカルだけでなくメンタル面も相当に鍛えているに違いない。特に、昇格ラインの3位以内をめぐる攻防は、選手だけでなく関係者にも大変な重責を負われていると想像に難くない。しかし、これが悲願の“初”昇格がかかるとなると、期待とともに初めて味わう快感もまた楽しいものである。

鳥栖は、第24節鳥取戦(8/14@ベアスタ)以来、全試合毎に勝点を上積みしてきた。その間に積み上げた勝点は34点(10勝4分)で、今節を2位で迎えることになる。
とはいえ、選手たちは余裕や気負いを一切感じさせない。誰に聞いても「今までの通りに鳥栖のサッカーを行なうだけ」と切ない返事が返ってくる。しかし、これが今の鳥栖の本音であり、「何も変える必要がない」(早坂良太/鳥栖)のである。
読者の中には、「そういっても、前節は4失点しているじゃないか!」とご指摘される方もいるだろう。が、尹晶煥監督は、「負けてはいないし、選手たちが90分間走ってくれたので、結果には満足できないが、あきらめずにやってくれた選手たちには感謝をしたい」といたって冷静に振り返っている。練習後の取材でも、「今までやってきた事を続けるだけ」とこれまでのコメントを繰り返した。
これは、失点の原因と対応策がわかっているからではないだろうか。もしくは、第24節以来の戦い方で、自信が持てているからではないだろうか。いずれにせよ、尹晶煥監督の言葉の中からは、不安や残った課題を聞く事ができなかった。
ならば、今節も勝点の上積みに期待しておきたい。強いて不安材料を挙げるとすると、ここまで攻守のバランスを取り続けてきたMF岡本知剛が出場停止になっていることだろう。代わりに入るMFは陣容が豊富で、「誰が出ても問題ないし、その準備はできている」(尹晶煥監督/鳥栖)ので、大きな問題にはならないだろう。

対する横浜FCは、第4節北九州戦(9/3@本城)から勝利に見放されている。この間、11試合で勝点3(0勝3分8敗)と一時期の勢いが失せてしまった。第3節水戸戦(8/7@ニッパ球)から4連勝を挙げてリーグ終盤に向けての追撃体制を整えたようにも見えたが、現在では18位とシーズン開幕前の下馬評とは相対するところにいる。
その大きな要因は、決定的な場面で決めきれずに失点していることだろう。4連勝を挙げていた期間は、前線からのプレスが利いて高いDFラインが取れていた。守備の負担も減ったために無失点だった。が、それ以降は、攻守のリズムが崩れてしまった感がある。
今節は、MF佐藤謙介が出場停止が明けて戻ってくるので、新たな起点が中盤にできそうである。カイオと難波宏明が入るFWに新たな供給源ができると横浜FCの攻撃が爆発するかもしれない。

順位が離れてしまった両チームではあるが、鳥栖は昇格争いの真っ只中にあり、横浜FCは現在の屈辱を晴らす絶好の機会である。攻撃力を持つチーム同士だけに、主導権を握ると一方的に押し込む展開になるかもしれない。今節のベストアメニティスタジアムは、歓声と悲鳴が飛び交う激しい試合となりそうだ。

試合の目的は“勝つ” ことである。どんな試合でも、負けて良い理由は無い。
何位であろうが、 “勝つ”ためにボールを追い、奪い、運ぶのである。
相手がどこであろうが、“勝つ”ために身体をぶつけ、どこまでも走り、貪欲にゴールを狙うのである。
だからこそ、1点に泣き、笑い、トコトンこだわるのである。
サッカーはシュートを打つシーンよりも、相手をかわし、ボールを奪い合うシーンの方が多い。
その先にシュートがあるからこそ、その過程で一喜一憂できる。
その過程を思う存分楽しみたい。
サッカーは、ボールのあるところにドラマがあるのだから。

以上

2011.11.05 Reported by サカクラゲン
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