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【J2:第34節 東京V vs 札幌】プレビュー:『J1昇格』がもたらす強い重圧を受ける両チームの戦い。東京Vはあまりにも悔しすぎた前回敗戦の雪辱に燃える。上昇ムード漂う3位・札幌は勝って昇格圏内をキープしたい。(11.11.05)

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11月6日(日)J2 第34節 東京V vs 札幌(16:00KICK OFF/味スタチケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
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残るJ1昇格の可能性を少しでも広げるため必勝を喫した前節の首位・F東京との『東京ダービー』を、東京Vは悔しくもドローという結果で終えてしまった。その悔しさと昇格への思いの強さを今節、昇格圏内3位につける札幌を倒して示したいところだ。

残り5節を前に、「5−0で勝つ!ぐらいの、強いメンタリティをもって毎試合戦わないと(昇格など)話にならない」と、川勝良一監督はチームを集めて話したという。それが自分の考えと「ピッタリと重なり合った」と、より闘争心を燃やしているのが富澤清太郎である。特にこの札幌戦は「これでもか!ってぐらい、相手を圧倒して勝ちたい」と意気込むのは、9月に対戦した前回の結果があまりにも悔しかったからだろう。多くの時間自分たちがボールを支配し、多彩なアイデアを見せながらで思い通りの形でゴール前まで迫るなど、内容では完全に相手を上回った。が、不意に蹴り込まれるロングボールからのカウンターの前に4失点を喫し、敗れた屈辱を、DFとして今でも忘れるはずはない。「切り替わる時の準備がルーズだったから、あんな大味な失点をしてしまった。付いている人が責任を持って受け渡しのところまで付いていけば問題はない」反省と、改善はきっちりできているようだ。実際、その札幌戦以降7試合は失点が減ってきており、チームとしてゲーム内容に安定感が出てきたと言っても過言ではないだろう。「僕たちのような攻撃をするチームにとっては、一瞬の気の緩みが失点を生んでしまう。相手も守りを固めてくるだろうから、最初の段階から点を入れるのは簡単なことではないと思う。それでも、90分間集中力を切らさず、ウチの特長である爆発力ある攻撃と、粘り強くて隙のない守備を織り交ぜてゴールをこじ開けていきたい。絶対に勝つ」と、主将は勝利を誓った。

爆発力ある攻撃という点では、やはり阿部拓馬に期待したい。前節のF東京との初対戦で、「やっぱり今までの相手とはサッカーも個のレベルも違いました」と、大きな刺激を受けたと語る。その中で、自分の課題も見出したようだ。「個の重要性を強く思いました。F東京は、途中まではやらせてくれるけど、最後の大事なところで仕事をさせてもらえなかった。そこで個が強ければ、最後の局面も打開できたはず。僕自身、自分で勝負すればいいところでもパスを選択してしまうという課題があるので、自分で突破できるよう積極的にチャレンジしたい」と、エース。札幌という好敵相手にアグレッシブに突進し、結果を出してチームを勝利に導けるか。2位につける得点王争いも含め、大注目である。

前回の対戦で最も充実したパフォーマンスを見せた小林祐希が、前節に引き続き今節も出場停止なのは、相当痛い。さらに、その代わりとして起用され、及第点を得て好結果を残しつつあった高橋祥平も、前節負った負傷の影響で、今節の出場は厳しいと言えよう。そこで鍵を握りそうなのが、ボランチだろう。前節は高橋の負傷退場後、菅原智が務めた。また、練習試合も含め今季これまでを振り返ると、菊岡拓朗、中谷勇介、和田拓也、福田健介などの選択肢もある。巻誠一郎の高さやマラニョンのスピード、阿部の抜け出しなど、FW陣の特長を生かすための配球、ゲームメイク、さらに厚みのある攻撃のための攻撃参加などが試合を左右することは言うまでもない。コンディションの問題もあるため、交代も含めた中盤全体を通して注目してみたい。

「絶対に負けられない一戦」という意味では、札幌にとってもまさに“大一番”と呼ぶに相応しいゲームになるのではないだろうか。現在昇格圏内の3位につけるが、4位徳島との勝点差はわずか「1」。逆に、2位の鳥栖との差も「2」と、それぞれの結果次第では順位がたちまち入れ替わるデッドヒート状態である。この試合に限らず、残り5試合は監督・選手ももちろん、サポーターも強い緊張感を抱えながらの試合が続くだろう。まず、プレッシャーとの戦いが大きなテーマとなりそうだ。

ただ、その中で札幌は3連敗した後、前々節は徳島との直接対決を制し、前節は熊本から3得点を奪う快勝と、上昇気流に乗りつつあると言えよう。中でも大きかったのが、前節の河合竜二主将の今季初得点だろう。チームの柱のゴールが、チームに大きいな勢いと喜びをもたらしたことは言うまでもない。昇格へ向け、追い風ムードが高まっているようだ。

得点に限らず、河合のボランチが前節の勝利に大きく貢献していた。特に積極的な攻撃参加は非常に有効で、バイタルエリアで受けてのサイドへの配球、さらにミドルを含めた機を見て自らシュートなど、多くのチャンスを作り出した。今節も、宮澤裕樹とバランスをとりながら攻撃に加担できるか。ポイントの1つと言えるかもしれない。また、元々はセンターバックの選手でもあったため、対人の強さについても申し分ない。守勢に回れば東京Vの攻撃陣をガッツリと潰しにかかるだろう。

守備という面では、注目したいのが高校生センターバック奈良竜樹である。ここ2試合連続で先発抜擢され、そつのないプレーで連勝に貢献している。今節の相手・東京Vはリーグ屈指の得点力を誇る上、巻という日本代表経験選手とのマッチアップも必至だ。どこまで通用するのか、彼の今後の将来のためにも、実に見応えがあり、楽しみである。

富澤が語った、「この試合の結果で、ある意味“決まる”と思う。僕のメンタルがへし折られるのか、自分たちの道をさらに繋げていくのか。どの試合も大事だけど、この一戦は、まず“繋げる”という意味で特に重要な一戦」ということばは、札幌にとっても同じではないだろうか。
泣いても笑っても残り5戦。互いに、ここまで全員で必死に作り上げてきた自分たちらしいサッカーのぶつけ合いがぜひ見たい。そして、『J1昇格』へと繋げていくのはどっちか。

以上

2011.11.05 Reported by 上岡真里江
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