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【J2:第36節 鳥栖 vs 北九州】北九州側レポート:強いメンタルがもたらした勝利。北九州が鳥栖から勝点3を得て5位に浮上、『バトル オブ 九州』も制す。(11.11.21)

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11月20日(日) 2011 J2リーグ戦 第36節
鳥栖 2 - 3 北九州 (13:03/ベアスタ/12,884人)
得点者:51' 長野聡(北九州)、58' 豊田陽平(鳥栖)、66' 金民友(鳥栖)、69' 池元友樹(北九州)、83' 林祐征(北九州)
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今季の目標としていた勝点56を上回り、順位は5位に浮上した。試合前の時点で昇格圏内に入る可能性はなくなっていたものの、90分間、集中を切らすことなくハードワークを続けた。「メンタルの強さが証明された試合」と三浦泰年監督。昇格を射程圏内にとらえている鳥栖を相手に、今季の集大成といってもいい試合を見せつけた。

この中で戦うこと自体をためらいたくなるような独特な雰囲気だった。選手の入場とともに、バックスタンドにはサガン鳥栖のビッグフラッグが広げられ、「GOJ1」のコレオグラフィーも浮かび上がった。「バトル オブ 九州」、そして昇格を射程圏内にとらえているベストアメニティスタジアムのは独特な空気に包まれていた。ピッチを3方から取り囲む"圧"。それでも試合は北九州に傾いていった。「まわりの声は気にせず、自分たちのサッカーをすることを意識していた」とGK佐藤優也。強いメンタルが結果を呼び込んだ。

北九州は前半は耐える時間が長くなった。前線に長いボールを供給してFW池田圭を走らせるだけでなく、6分には早坂良太、26分には金 民友がドリブルで持ち込むなど、鳥栖は高い攻撃力で早い時間から北九州陣内に攻め入る。ただペナルティエリア内では北九州の気迫とでも言うべきハードワークが勝り、鳥栖の波状攻撃を跳ね返し続けた。

一方で攻撃に転じると、北九州の組織的な攻撃はもちろん、個の力も発揮。特にリーグ戦3試合ぶりの出場となった池元友樹のスペースへの動き、ドリブルは目を見張るものがあった。「自分は(出場停止で)休んでいたので、その間にやってきたこと、考えてきたことを出せた」という池元本人の言葉をかりるまでもなく、そのブランクを取り返そうとするアグレッシブさと、試合を外から見ることで得た仕掛けのアイデアが鳥栖守備陣を翻弄。鳥栖は結局、最後まで池元を止めることはできなかった。

試合は後半に動く。
先制点は北九州。51分の左からのCK、このクリアボールがバーに当たって跳ね返り、それを長野聡が決めた。しかしリードは長くは続かず、58分にPKを豊田陽平に決められて同点。66分にも北九州のミスを拾われ、金 民友に逆転のゴールを許してしまう。
1−2。試合の残り時間は25分を切っていたが、いまの北九州に再逆転ができないような弱いハートは持ち合わせていない。

69分。右サイドのハーフウェイラインを少し越えたところにいた関光博にボールが渡った。何かが起きそうな予感がした瞬間だった。FWは長野から林祐征にすでに交代しており、前節・熊本戦でも見られた関から林、木村から林のホットラインを具現化する駒はそろっていた。その関は中をうかがいながら、右サイドに開いた木村祐志にグラウンダーのパス。木村が少し溜めをつくってからクロスを送ると、ゴール前の林が体を反転しながらそれを収めすぐさま中に入ってきた池元へ。これを左足で同点のゴールネットを揺らした。
そして83分には今度は池元の右からのクロスに林が飛び出し、豪快にゴールに蹴り込み、逆転に成功。「イケならここに来るだろうと思って、走っていきました。体が反応した」(林)、「時間をかけてやってきて、特徴が分かってきた」(池元)と、選手間の連携の良さを再認識させられるゴールで北九州が試合を決定づけた。

8本のシュートで3得点。少ないチャンスを確実にものにした試合巧者ぶりが数字からも分かる。強いメンタル、強いハートで臨んだ試合は、今シーズンのベストゲームと言ってもいい内容だった。
この試合の結果、『バトル オブ 九州』は各チーム残り1試合ずつを残しているが、現時点で無敗の北九州が1位を確定したことを書き添えておこう。

ところで、勝ったから言うものではなく、結果がどうあってもこの点は書きたかったのだが、今季は私自身も何度も鳥栖に足を運んで試合を観る機会があった。そこで感じたのは、鳥栖の選手たちの技術の高さや、サポーターが作り上げる雰囲気が、J1に比肩し決して下に来るようなものではないということだった。「鳥栖さんのスピリットであったり、今シーズン積み重ねてきたものの大きさというものはしっかり感じ取れました。九州勢の代表としてぜひ昇格を勝ち取っていただきたい」と三浦監督も話していた。

九州J1の灯火を鳥栖に託す。
むろんいつかは北九州もそのステージに上がる。
思いを新たにした試合でもあった。

以上

2011.11.21 Reported by 上田真之介
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