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【J2:第36節 熊本 vs 横浜FC】レポート:一瞬の隙をついた藤田祥史のゴールで横浜FCが連勝。いいところなく敗れた熊本は4連敗で12位に後退。(11.11.21)

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11月20日(日) 2011 J2リーグ戦 第36節
熊本 0 - 1 横浜FC (16:04/熊本/7,752人)
得点者:33' 藤田祥史(横浜FC)
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 これで4連敗である。横浜FCをホームに迎えた熊本は、前半に許した失点を取り返せないまま、終了の笛を聞いた。

 この試合、熊本は中盤にエジミウソンが復帰。それまで中盤の底だった原田拓を左サイドバックに動かし、また廣井友信と菅沼駿哉が練習中に足を痛めたことを受け、センターバックには矢野大輔とチョ ソンジンのコンビを据える。一方の横浜FCは、出場停止が明けた森本良が最終ラインに戻った以外は前節と同じ。西陽の影響を考えて、前半右から左絵と攻めるエンドを選択した熊本は、ここ数試合のように前からプレッシャーをかけるのではなく、ハーフウェイライン付近でセットした状態でややリトリートし、横浜FCの展開を外へ追い出すという狙いでゲームに入る。立ち上がりはロングボールで相手を下げさせるという意図で運び、15分くらいまでは実際にその狙い通りだった。
 しかし、次第に「中が広くて、距離が遠いかなという感じ」(矢野大輔)になってセカンドボールの争いで後手を踏むように。横浜FCも前に運ぶ段階でのミスなど決していい形を作れていたわけではない中、藤田祥史が裏を狙う動きを繰り返していたことが先制点につながる。33分、中盤でボールを受けた寺田紳一が浮き球の縦パスを送ると、矢野とチョの間を抜け出した藤田が挟まれながらもうまくコントロールして持ち込み、GK南雄太の右を抜く左足の落ち着いたシュートを決めた。
 対する熊本は、今シーズンよくないゲームの時に見られていたように、時間が経つにつれて前線の動きが少なくなり、時折武富孝介が仕掛ける以外はバイタルエリアにボールを運ぶ事すらできない状態。攻撃にかかってもスイッチが入らず、最終ラインまで下げて再びロングボールを入れるだけという流れになり、先制されて以降はほとんどいい形を作れずに折り返した。

 ハーフタイムの「もっとクロスを入れよう」という指示と合わせ、後半立ち上がりの57分に大迫希に替えて長沢駿、さらに66分にはファビオに替えてソン イニョンをピッチへ送ると、前半と比べればクロスを入れる場面は増えたが、ラストパスの精度、さらにいい状態で受けるための動きは足りないまま。交代する前に大迫が持ち込んだ56分の場面以外、決定機と呼べる場面を作れなかった。
 一方の横浜FCは、先制した事で気持ちにも余裕が生まれ、最終ラインも安定。藤田が試合後に話しているように、「もう1点取って楽に進められるようにしたかった」という反省点はあるが、決して内容的に良かったとは言えないゲームにあって、終盤には交代で時間を使うなど、したたかに勝ちきって勝点3を得たことは残り2試合への弾みとなる。

 失点場面を振り返れば、矢野本人も話している通りイージーに抜け出された感は否めず、センターバックの連携不足を指摘されても致し方ない部分はある。また高木琢也監督も述べている通り、「寺田にパスを出せるスペース、間合いを与えてしまった」という点で、中盤から前のアプローチの緩さも無関係ではなかった。それでもやはり問題は攻撃。今シーズンも残り2試合となったが、30得点はリーグ最少で、1試合平均1点に満たない。夏場以降、アタッキングサードでの崩しに時間を割き、トレーニングの最後には、イメージ作りの意味も含めて連日クロスからのシュートにも取り組んできた。しかし得点に結びついていないのは、「単純に入れてるだけ、というのが多くて、もうひと工夫が足りない」(片山奨典)ことも一因。この試合に限っては、横浜FCのDFをつり出すミドルシュートもほとんどなく、怖さを与える攻撃ができたとは到底言いがたい。

 ホームゲームも残り1試合となった。次節迎える岡山は、逆転勝ちで京都の連勝を止め、今節の横浜FCと同様、あるいはそれ以上の勢いを持って熊本に乗り込んでくるだろう。「1年間、サポーターの皆さんやいろんな方にお世話になった恩を、頑張って返すしかない」と高木監督は言う。結果もさることながら、それを伝える術はピッチでのプレーしかない。

以上


2011.11.21 Reported by 井芹貴志
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