11月20日(日) 2011 J2リーグ戦 第36節
水戸 0 - 1 栃木 (13:04/Ksスタ/4,759人)
得点者:45' サビア(栃木)
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勝ったチームが北関東を制すこととなる「北関東頂上決戦」。より“北関東王者”への渇望を見せたのは栃木であった。「どうしても北関東のタイトルは獲らないといけないと思っていた」(松田浩監督)栃木はリスク排除の勝負に固執したサッカーをしてきた。人数をかけて守備を固め、ボールを奪っては中盤を省略してロングボールを蹴り込んできた。そして、「栃木の守り勝ち」(柱谷哲二監督)という結果に終わった。
圧倒的にボール支配率で上回りながらも水戸は栃木の守備を崩すことができず、前半終了間際にカウンターから抜け出されて与えたPKを決められて敗れ去った。栃木は決して格好のいいサッカーではなかった。それでも「勝ちたい」気持ちを前面に出した栃木は勝者にふさわしいチームであったと言えるだろう。
水戸は2年間守り続けた北関東王者から陥落することとなったが、だからといって、決して悲観する必要のないサッカーを披露した。水戸の確かな成長を確認できた試合であり、さらなる成長の必要性を示された試合でもあった。貪欲に勝利を追い求めた栃木から水戸は多くのことを学ぶことができたのだ。
11月16日の天皇杯3回戦でG大阪から“大金星”を挙げた水戸。それは着実にポゼッションサッカーの質を高めてきた結果であり、リーグ戦においてもFC東京以外どのチーム相手でも主導権を握れるまでの成長を見せていた。だが、いずれも相手とがっぷり四つで組んだ上で主導権を握ることができていたのである。そういう意味で、この試合は今までの展開とは明らかに異なっていた。最初から水戸が主導権を握り、守備を固める栃木を崩すという展開を強いられたのだ。
「我々の力を栃木さんが認めてくれた結果」と柱谷監督が語るように、水戸が“強者”の立場に立ち、試合を進める展開となった。試合前の順位は水戸が16位、栃木が9位である。それでも栃木はまるでFC東京と戦っているような姿勢で水戸に挑んで来たのであった。そこに水戸へのリスペクトの念を感じることができたとともに、水戸の成長の証を見ることができた。
しかし、やはり守備に注力すれば、栃木は強い。それが今季序盤戦で上位につけた理由でもある。水戸は長短のパスを織り交ぜながら栃木の守備を崩そうとしたものの、リーグ屈指の守備のスタミナを持つ栃木に跳ね返され続けた。ロングボールがやや多かった前半の反省を生かし、後半は最後尾からしっかりビルドアップを続けてチャンスを作った。途中でミスが出て、カウンターを喫する場面があったが、プレスを恐れずにパスをつなぐことで流れるようなパスワークからチャンスを作る場面が増えることとなった。個人の力に頼るのではなく、4人、5人が連動したパス回しを見せて、栃木ゴールに襲い掛かった。だが、守備を固める栃木からゴールを奪うことはできなかった。120分の激戦となった天皇杯から中3日ということでコンディションの問題があり、「反応や判断、スプリントに鈍さがあった」(柱谷監督)というエクスキューズがあったとはいえ、ゴールをこじ開けるパワーとアイデアが足りず、まだまだ水戸に“強者”の力がないということを痛感させられる結果となった。
ダービーで敗れたことは許されることではない。しかし、水戸にとって貴重な経験をしたと考えることができる。これから水戸がさらに成長していけば、この日の栃木のような戦いをしてくるチームが増えることが予想される。そうしたチームをなぎ倒して行くことが目標に掲げる来季の「6位以内」に入るために求められることである。本来ならば、来季になって経験するであろうことを、今季のうちに味わえたことはかけがえのないこと。北関東王者陥落という痛みと引き換えに、本当の“強者”になるために必要なことをこの試合から学んだのである。実際、栃木は今季中盤以降、守備を固める相手に苦しんで失速した。上位を目指すためには、その壁を越える力をつけなくてはいけないのだ。
体力的な問題から「今日は守った方が勝ちかなというのはありました」と柱谷監督は戦前に思ったという。しかし、それでも柱谷監督は「前に出ようと」決断した。ホームでの試合ということもあるが、それ以上に今までの戦いをぶらさないことがチームにとって大事なことだった。G大阪に勝ったとはいえ、「全部足りない」と柱谷監督が言うように、完成形には程遠く、まだまだ水戸は成長過程にある。どんな状況であろうと、ぶれることなく戦いながら一つひとつ課題を克服していくことが今の水戸にとって重要なこと。この試合でも自分たちのサッカーを貫いたからこそ、次のステップに進むために克服すべき課題を選手たちは理解することができたのだ。それを突きつけてくれたライバルの貪欲な戦いぶりに感謝したい。
この敗戦を機に、水戸はもっともっと強くなる。痛みを恐れずに攻め抜いた姿から、そう確信することができた。本当の“強者”になるための戦いは続く。そして、来季は必ず“王者”の称号を奪い返してみせる。
以上
2011.11.21 Reported by 佐藤拓也
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