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【AFCチャンピオンズリーグ2012 広州 vs 柏】レポート:天河体育場の大アウェイの中、柏は勝点を拾えず。痛恨の敗戦でグループ最下位に転落。(12.04.18)

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両指揮官が動いた。ネルシーニョ監督がボランチを3枚置き、栗澤僚一にダリオ コンカへのマンマークをさせれば、イ ジャンス監督も本来は右サイドのアタッカーであるガオ リンを左サイドに置き、レアンドロ ドミンゲスと酒井宏樹への徹底マークの任を与えた。栗澤がコンカに張り付くことで生じた別のスペースに、これまた広州恒大のキーマン、ムリキが神出鬼没に顔を出し、そこで起点を作られかけたが、この両監督の打った手立ては柏の方に分があり、決定機までは作れずともゲーム自体は間違いなく柏がコントロールしていた。

29分、広州がクリア気味の不正確なフィードを前線へ送った。何の変哲もないイージーなボールに見えたが、ムリキにこのボールを拾われてしまい、この危険な11番が突進しかけたところで渡部博文がファウルを犯す。これが痛恨にもPKと判定となり、コンカが決めて、広州が先制した。「失点してから、バランスを保っていたところを崩し始めて相手に勢いを与えてしまった」(ネルシーニョ監督)。均衡を保っていた試合の流れは広州恒大へと傾いた。

後半、澤昌克をトップ下に入れ、柏はシステムを4−2−3−1に変更する。マンマークでコンカを消すことはできなくなったとはいえ、その分、澤は持ち味をいかんなく発揮し、ゾーンのわずかな隙間に顔を出してはレアンドロやジョルジ ワグネルからボールを引き出し、前線に活力をもたらした。流れの良かった時間帯の50分、敵陣右サイドで得たフリーキックがゴール前の混戦状態になったところを酒井が押し込み、1−1に追い付く。ここまでは上出来の後半立ち上がりとなった。

今シーズンの柏が波に乗り切れない原因、それはプレビューでも述べた通り“失点”にある。先に失点を喫し、優位性を相手に与えてしまうこと。そして自分たちが得点を挙げた直後の時間帯に失点を喫し、再び相手に勢いを与えてしまうこと。その2点が主たる理由であるが、29分の失点に引き続き、柏は今まさに抱えているその悪癖をさらけ出す。
4万人の大観衆で真っ赤に染まった天河体育場が沈黙したのは、わずか8分間。58分、広州恒大のスピーディーなサイド攻撃、右から左へ揺さぶりをかけると、ここが「勝負どころ」だと察知したのだろう、この試合ではレアンドロと酒井の対応に追われてほとんど攻め上がることのなかったスン シアンが左サイドを駆け上がり、高精度の左足クロスをゴール前へ。ムリキが柏のDFの間に割って入る形でフッとゴール前へ現れ、勝ち越しのヘディングを豪快に叩き込む。

「僕らが集中していないわけじゃないけど」。そう菅野孝憲は言うが、確かに選手たちは集中していないわけではない。しかし、得点直後の失点で相手に再び戦う活力を与え、逆に自分たちが波に乗り切れないというのは、Jリーグの開幕戦からしばしば見られる傾向であり、絶対に改善しなければならないとプレビューやレポートでは何度も指摘してきた。したがってネルシーニョ監督が切る交代のカードも、リスクを冒して攻撃の選手を入れざるを得ず、この広州恒大戦でも68分に藤田優人に代えて田中順也、工藤壮人に代えてリカルド ロボを投入。ワグネルが左サイドバックに降り、田中が中盤の左を務める超攻撃型布陣を組むのだが、攻撃に比重がかかる反面、前がかりになった裏のスペースは相手にとっては絶好の狙いどころと化す。
84分のカウンターはクレオとムリキ、手薄になった柏の守備を個の能力の高い2人で攻め、一発のチャンスをゴールへ結び付けた見事なカウンターだった。選手たちから「仙台戦と何も変わっていない」という反省の弁が発せられたように、相手のカウンターの餌食となった柏は、仙台戦に引き続き2試合連続3失点を喫して敗れた。

他会場で行われていた試合では、全北現代がブリーラムを降したため、グループHの順位は大きく変動し、勝った広州恒大が首位に浮上、柏は最下位に転落した。第5戦のブリーラム戦(5/1@柏)でもし柏が敗れることがあると、最終節を待たずしてグループリーグ敗退という崖っぷちに立たされたのである。AFCチャンピオンズリーグでも、国内リーグでも調子が上がらない昨年度Jリーグ王者。その優勝によって「選手たちは精神的にタフになった」と選手はもちろん、スタッフや関係者もメンタル面の成長を高く評価しているが、早くもその真価を問われる時期に差し掛かったようだ。

以上

2012.04.18 Reported by 鈴木潤
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